[―― ニモマケズ…]
…
時々、なぜかは判らない
あなたの詩を読み返す
わたしが
何に打ちのめされ
何に負けてしまっのか
解らなかったからだ
気分が乗れば
あなたの詩になぞらえて
当てもなく
空を見上げ
夜には遠くの星を眺めたりもする
考えもなく
森の中をあるき
山を登り
野に分け入り
川、海を覗き込みもした
けれども
わたしのこの胸の中の靄は
晴れることはなく
言葉の海を泳ぐ間
静かに見守ってくれる
優しい月はない
小さな本の
小さな文字を
上下に瞳が線を引く
1節読み終わる
外は
晴れの時もあれば
雨の時もある
雪もある
詩、物語も
季節 、時間も
流れている
なのに
わたしが
留まる感覚が消えない
傍に居るのは
いつも溜息ばかり
やはり
夢、幻…
漫画でもなく
煌びやかなラノベでもなく
最後は
あなたの詩に
物語に帰ってきてしまうのは
どこか
探し物を見つけに来たような
忘れ物を取りに来たような
不甲斐ない童の
こころがそうさせるからだろう
戻ることができない道に
案山子のように…
何かしら目的の在る目印さえあれば…
が、在るわけかない
あぁ…
わたしもマケズニ
事にも、噂にもメゲス
進めたのなら
一方通行のこの道も
楽しく
笑って
いたのだろうに
ああ…
わたしもマケズニ
壁でも何でもメゲスに
歩めたら
先が見えないこの未知に
堂々と
恐れず
踏み出していただろうに
わたしは
わたしの歩いてきた道に当てはめながら
声にもださず
黙々と
ページのめくる音を
ペラリと
わざとらしく
薄暗い狭い空間に
響かせた
梟霊