今日は、利用者さんのことにフォーカスして書こうとおもいます。
持ち上げられる利用者さんたちはね。
ほんの少しでも「怖い」と感じているはず。
それが、
①一人介助で目の前から持ち上げられても、
②二人移乗でも
③お姫様抱っこでも
④タオル移乗でも。
だって、自分に何が起こるか分からないのだから。
いくら声かけしても、
自分の目で見て、自分の手で触って、自分の足で立ってないんだから
他の人の手に任せるなんて、
自分が分からない間にふわっと宙に浮くなんて
そんな怖いこと、なくないですか?
ひょっとして、落とされてしまうかも。
この人、下手なんだよな。
この人、小さいけど、大丈夫かな?
頼むからぶつけないでね。
また痛いのかな。
この人、知らない人だからいやだな。
私のこと、重いなんて言わないで。
おしゃべりできない利用者さんだって多いけれど、
きっとそんなことを思っていらっしゃるのでは
と思います。
だって、本当に顔がゆがむときがあるから。
持ち上げられるほうだって辛いんですよ。
辛かったら、緊張したら、怖いと感じたら、
筋肉は緊張します。こわばります。
それがほんの小さなこわばりだったとしても、
毎日毎日、何回も何回も続いていくものだとしたら。。。。
結果、どうなっていくかは、
体が固まった人を見たことがある人なら分かるはず。
今の持ち上げる介護は、
利用者のこうしゅくの原因でもあります。
筋緊張の連続で
ガッチガチに固まって、
腕も、足も曲がって、前傾で丸まってくると、
息がしづらいので、あごが上がってきます。
そこまで来ると、ずっと一分一秒でも苦痛。
寝ているだけでも苦痛。
だから。
誰も得しないんですって、持ち上げる介護は。
利用者の苦痛も作り出す、持ち上げる介護。
日本からなくなりますように。
利用者さん、利用者さんのご家族も
早くそれに気づいていただけるとうれしいです。
実は、持ち上げない介護でいつも立てない方にはリフトを使っている
オーストラリアでは、
重度の方でも、コウシュクがあるひとをほとんど見かけません。
むしろ、リフトに乗って、
HI, HOW ARE YOU ?
DID YOU SLEEP WELL?
DID YOU EAT BREAKFAST?
なんて、お話をしながら、
介助者の目を見て、移乗してもらうことが出来るんです。
それだけリラックスして、移乗できているということなのでしょう。
それに、いつも、誰がやっても、持ち上げられるスピードも力も同じ。
安心感につながります。
お話できなくても、まったく動けなくても。
聞こえている。
うっすら見えている。
心で見えている。
90歳を過ぎたら、物事は「魂」で見るそうですよ。
利用者さんは全部分かってます。
言わないけど。
言えないけど。
みんなに優しい介護。
始めましょうよ。