9月8日(日)

号砲に備え整列するランナー(写真奥)。

その光景を眺めるように戦闘機が展示されている。

鉄原は南北が戦った朝鮮戦争(1950~53年)の激戦地。

しかも、戦争はまだ停戦、休戦状態。終戦に至っていない。

コースとなった民間人統制区域や周辺には、

戦跡が残り現在も続く緊張状態が垣間見える。

戦闘機はその一例だ。

道路の脇にそびえる物々しい塔。

北朝鮮の戦車に侵入を防ぐための防護壁だという。

有事の備えだ。

北朝鮮の労働党舎跡も残っている。

朝鮮戦争前は北朝鮮の領土だった場所。

戦火にまみれて骨格だけ残った感じ。

修復工事中のようで大きな写真パネルが張ってあった。

直進して民間人統制区域に入る場所。

軍による検問所のような場所を通る。

マラソンランナーはフリーパスだった。

エイドの後ろにも戦争の被害を受けた建築物があった。

案内看板によると、

元は日本統治時代の1930年代に建てられた氷の倉庫。

食堂を経営していた日本人が設けたという。

朝鮮戦争時の戦火で天井が破壊され、一部の壁が残った。

南北を結ぶ鉄道の駅だった月井里駅を復元させたもの。

朝鮮戦争で鉄道も駅も破壊された。

道路脇の案内表示で度々目にした「第二トンネル」。

1975年に発見されたトンネルで、

北朝鮮が韓国に侵入するために掘ったとされている。

今では、観光用に公開されている。

 

◇    ◇

完全な終戦ではなくとも現在は、とりあえず戦闘がない。

マラソン大会ができる「平和」は保たれている。

平和でなければ、マラソン大会などできない。

その意味ではマラソン大会がいつまでも続いてほしい。

平和に感謝し、平和を願う。

そんな思いを持って鉄原を後にした。