9月8日(日)

午前9時過ぎ、号砲と花火を合図にランナーが走り出した。

非武装地帯(DMZ)を挟み北朝鮮と対峙する韓国の鉄原郡。

この地を舞台に平和を願う大会。初参加しフルの部に出場。

公式サイトによると、エントリーは約1000人だった。

広い道にランナーが一斉に走り出した。

天気は晴れで広い青空に所々、雲が浮かぶ。

気温は30度を超したようで、日差しがキツイ。

空気自体はそれほど暑くないのだが、

日差しを浴びると真夏の気分になる。

市街地はすぐに終わり、いわゆる田舎に入る。

道路の脇には「民間人統制区域」という掲示板が目立つ。

非武装地帯の外側に国が定めた地域。

入れるのは地元の農民や所定の手続きをした観光客など。

不特定多数の自由な往来を禁止している。

この地域が近いとの警告だ。

大会はこの統制区域とその周辺がコース。

当然ながら都市化は進まず、見渡す限りの農地。

人も建物もまず見かけない。

当然、沿道での応援もいない。

人がいなくて建物もないのは仕方ない。

でも、日陰がないことは大問題だった。

スタート直前は小雨も降る天気だったが、

時間が経つにつれて上天気に。

当然、日差しは強くなる。

脚が遅いので日に当たる時間も長くなる。

日差しでダメージを受けるのでさらに脚が重くなる。

そんな悪循環になった。

給水エイドは貴重な日陰だった。

数キロ置きに配置されて、給水は十分だった。

暑い中、スタッフの皆さん、ありがとうございました。

頭を冷やすため、いくつものエイドで帽子を水につけた。

濡らすとしばらくは気持ちいいが、すぐに温まった。

翌日の韓国紙「韓国日報」に掲載された関連記事。

この写真には大会の雰囲気がよく出ていると思う。

フルの制限時間は5時間。

残念ながら、ペースダウンで完走が難しくなった。

しかも、日差しのダメージは増すばかり。

結局、30㎞地点を過ぎたところでリタイヤした。

2016年以来約8年ぶりの失格を経験した。

大会の参加賞は鉄原郡名産のおコメ3km。

豊かな自然の中で生産される良質米だという。

期せずして、日本はコメ不足なので、ありがたかった。

また、失格ながら、完走メダルももらえた。

そのおおざっぱさがうれしい。

 

◇   ◇

暑い中、大会を支えてくれた韓国の皆さん、

お世話になりました。

ありがとうございました。