15km地点。

これまで同走してきた15kmの部のランナーがゴールする。

ゴール周辺は公園の様で、多くの人が集まっていた。

まるで、ちょっとしたお祭りのようなにぎやかな雰囲気。

その楽しそうな様子を横目に左のコースを進む。

郊外の幹線道路のような広い道。

しかも、ランナーがフルの部だけになって急減。

沿道の応援も見当たらず、黙々と走る。

建物はあるが、

ニュータウン、あるいは再開発地域という佇まい。

市街地の建物は歴史や人の生活を感じさせるたが、

こちらはそうした温もりを感じさせない。

自分と向き合い脚を前に進めるしかない我慢の時間。

25km地点でようやく折り返す。

まるで、ゴールのようなにぎにぎしいアーチをくぐる。

折り返しなので、当然ながら同じような道を走る。

道が広いだけに、ランナーの少なさが目立つ。

どことなく寂しげな雰囲気。

「レッド・ブル」の専用エイドが数カ所にあった。

一般の給水エイドでも、しばしば「レッド・ブル」が並んでいた。

「せっかくだから」と数回飲んだ。

ただ、正直なところ、

私としては、途中に度々飲むには刺激が強すぎた。

ラストスパートの気付け薬ぐらいがいいだろう、と思う。

右側通行なので、折り返しコースは往路より海峡に近づく。

広く青いボスポラス海峡が間近に見えるが、

疲れた上、単調な風景に飽きてきたため、魅力が半減。

とにかく、早くゴールに着きたいと願うばかり。

3kmを切って、世界遺産のスルタンアフメット地区に入る。

トプかプ宮殿、ブルーモスク、アヤソフィアなど

歴史的な建造物の集積する大観光地だ。

まずは、公園を駆け抜ける。

それほどキツイ勾配ではないが、

コース内で唯一ともいえる上り坂が続く。

公園を抜けると、ブラボー!ブラボー!!の大歓声。

応援の人々に通りすがりの観光客も加わり大応援団が出来た。

熱い熱い声援に感激。

我慢して走ってきて良かった。

なんだ坂、こんな坂。

坂を上れば、アヤソフィアとグルーモスクがある。

残り200mは平たんで狭い直線コース。

左の建物は、ブルーモスクに隣接したスルタンの墓所だろう。

質素でこじんまりとしたゴール。

途中で派手なアーチをいくつも見てきたので、少し拍子抜け。

ただ、場所は世界遺産ブルーモスクのすぐ隣。

重みがある。

しばし歩いて手荷物を受け取る。

スタート前にスタート会場で預けた。

その様子は別稿で。

手荷物を受け取り、近くの芝生に座り一休み。

ゴール直後に貰ったご褒美袋を開く。

バナナ、スポドリ、パン、チョコバーが入っていた。

スポンサー名の中に、「トヨタ」も見える。

ゴール会場はフェンスで囲われていた。

フェンス外の人々は上天気の中、観光を楽しんでいた。

大会翌日、スルタンアフメットを観光で訪ねた。

ゴール周辺にあったフェンスは既に撤去され、

マラソンのゴール地点だったことが嘘のような雰囲気だった。