4月22日(日)
新潟県佐渡島で、放鳥トキのひな誕生という大ニュースが、
水面下で進んでいたこの日、
島を横断する「佐渡トキマラソン2012」に参加した。
「もしかしたらトキに会えるかもしれない」
「そんなこと言って、どれがトキだか見て分かるのか」
などという下らない自問自答をしながら、何とか走りきった。
自分にご苦労さまというとともに、
大会を円滑に進めてくれた
主催者、地元の皆さんに深く感謝したい。

会場に向かう選手たちを、大きな能面が出迎えた。
ちょっと不気味でもあった。
後で調べたら、佐渡は「能の島」といわれるほど能が盛ん。
観光協会のホームページによると、
日本の能舞台の三分の一が佐渡島にある、とか。

両津港に近い会場で選手たちが思い思いに準備体操。
遠くに広がる山々はまだ雪景色。
曇り空。空気はちょっと冷やり。
マラソン日和だ。

コースはほとんどが田園地帯。
広々とした農地の中の広い道を黙々と走る。
車のことは考えず、道の中央を走ることも。
交通規制もしっかりされていたが、
もともと人が少なく車も少ないのだろう。
別れ道のようなところには必ず整理の人が立っていた。
丁寧な大会運営で走りやすかった。
ただ、でも、しかし、坂の上り下りが多くて足がつらくなった。
下り坂は加速してもいいはずなのに、
足の筋肉が張ってヨチヨチ歩きになることがしばしばだった。

コース途中のエイド(補給所)では手厚いおもてなし。
アミノヴァリュー、水、バナナ、フルーツ、パン等々。
おかげでガス欠にならず、気分転換もできた。
そんななかでも、素晴らしかったのがおにぎり。
マラソンのエイドでおにぎりというのは初経験だったが、
そのおにぎりのおいしかったこと、おいしかたこと。
エイド3カ所で合計5個を貰って食べた。
その後は、さすがに食べ過ぎはまずいと自重。
終盤のエイドでは「ゴール後に食べるお持ち帰り」として、
一回り大きめの三角おにぎり二つを貰った。
ゴール後に食べたら、やっぱりうまかった。
完走できた要因の一つがおにぎりだったことは間違いない。
コメは地元、佐渡島産のコシヒカリだという。
また、食べたい。

コースの途中には、
放鳥地などトキに会える可能性のある場所があった。
ただ、残念ながらトキには会えなかった(と思う)。
目に入ったのに気付かなかった可能性が、
無いとは言い切れないけれど、
正直な話、鳥を見るだけの余裕はなかった。
これが真相。

終盤には雨がパラパラ。
脚はガタガタ、進路はヨタヨタ、気分はボロボロ……。
それでも何とかゴールイン。
制限時間の7時間には十分、間に合った。

空を飛ぶトキには会えなかったが、
完走証として素敵なトキを貰った。
地元の障害福祉サービス事業所で、
地元産の木材を使った作ってくれた木製メダル。
大事な記念品だ。