
3月25日(日)
千葉県佐倉市の佐倉朝日健康マラソンに出場した。
フル挑戦は1月の勝田全国マラソン以来、2回目。
勝田の場合は不本意な「裏口ゴール」だったが、
今回こそは正面からのゴールを目指した。
天気は快晴、無風という絶好の条件。
スタート会場となった陸上競技場には、
早くから多くの人が集まり、入念な準備。
トラックはUPで走る人で一杯、しかも皆速いこと速いこと。
「スタート前に疲れるのではないか?」と心配に思えるほど。
こちらはエネルギーの無駄遣いを避け、場内をブラブラ。
暇そうに見えたのか、
佐倉市のビデオ取材班にインタビューされた。
「今日の目標は?」と尋ねられ、
「制限時間(6時間)内でゴールすること。それだけです」
と.即答した。
9:30に号砲が鳴り響き、スタート。
プログラムをみると、フルのエントリーは男女合計6398人だった。

快晴で日差しが強く、前半は汗ばむほど。
当初は5時間のペースランナーにピタリと付いて走った。
ところが、5㌔地点過ぎの給水所でトイレに入ろうとして、
順番待ち時間5分をロス。
ペースランナーの姿は見当たらなくなった。
それでもめげず、1㌔ごとの距離表示を頼りに、
1㌔7分(だいたい)のペースを刻み続けた。
快調だった。
異変が起きたのは25㌔辺り。
気持ちが悪くなり頭もぼ~っとしてきた。
走ることができず、歩いても蛇行状態。
何が起こったのか訳が分からず、
もちろん、どうしていいかも分からない。
「リタイヤ」という言葉が頭をよぎった。
そして、そして、そして、遂に吐いた。3回連続だった。
吐くモノはあまりなく、胃液を絞り出すような感じになった。
すると、すると、すると、何故か体の力が回復、改めて走りだした。
復活だった。
ところが、ところが、ところが、天がいたずらを始めた。
当初は快晴だった空が徐々に曇り、
結局冷たい雨を降らせてきた。
日差しの暖かさとの戦いが一転、冷たい雨との戦いになった。
キューちゃんこと高橋尚子さんが練習で走ったことにちなみ、
金メダルジョギングロードと名づけられた道を走っても、
名物である水車の風景が目に入ってもそれどころではなかった。
とにかく早く走り終えたくなった。
残り10㌔ぐらいになると雨はあがったものの、体力が消耗。
走っては歩き、歩いては走るというようなダラダラした展開。
34.2キロ地点で4時間50という最終関門はクリアしたものの、
6時間という制限時間以内でゴールできるだろうか、
という不安が募り始めた。
弱気の虫がむずむずと首をもたげた。
でも、でも、でも、そこで頑張った。
残り5㌔ぐらいになるとやせ我慢で背筋を伸ばし、
歯を食いしばって走った。
立ち止まると再び走りだせなくなる、と自分に言い聞かせた。
スピードは遅い。
でも、走っていることは間違いない。そんな状態だった。
すると、すると、すると、
不思議なモノで前を行くランナーたちを次々追い抜いた。
最後の上り坂を終えると、
しばらくしてゴールの「FINISH」が目に入った。
目標通り正面からゴールを駆け抜けた。
時計の針は残り時間10分を切っていた。
しかし、はっきりと「制限時間内」だった。
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以下は、おまけのお話。

マラソンの前泊で利用した佐倉市内のホテル。
「ビジネスホテル」との触れ込みだったが、
ベッドの位置、大きさ、フカフカ感。
枕元にライトやBGMの調整機が付いている作り。
ゆうゆう二人で入れるような広い風呂。
ルームキーの脇に張り付いていた古びた紙に書かれていた
「お帰りの際には内線9番のフロントまでご連絡」という言葉……。
色々な状況からみて、
元々は男女が愛の快感を確かめるために、
汗を流すホテルだったことは間違いない。
そんな誘惑にも動ぜず、
早寝したことは完走できたことの一つの要因だった(かもしれない)。