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3月24日(土)
昨日の夜、NHKのBSテレビを見ながら、懐かしく、若返った時間を過ごした。
今年1月24日に東京・日本武道館で開かれた沢田研二のコンサートの録画中継だった。
22時から1時間半があっという間に過ぎた。
 
ただのコンサートではない。
ベースギターの岸部一徳(サリー)、ギターの森本太郎(タロー)、ドラムの瞳みのる(ピー)をゲストに招いた。
1960年代の後半に一世を風靡したグループサウンズ、ザ・タイガースの再現だった。
シーサイド・バウンド、銀河のロマンス、君だけに愛を、青い鳥……。
心の奥に浸み込んでいた懐かしいサウンドがよみがえってきた。
 
タイガースは41年前の同じ日、同じ場所で解散コンサートを開いた。
4人の平均年齢は64歳だという。
それでも、腰回りがすっかりオヤジになったジュリー(沢田研二)が汗まみれで熱唱。
しわくちゃ顔のサリー、タローが両サイドに立ってギター、ベースを奏でた。
背後のドラムではピーが弾んでいた。
オヤジたちがステージの上で完全燃焼し、客席では総立ちのオバンたちが身を躍らせていた。
涙を拭うオバンの姿も目立った。
皆が自分の老いを忘れ、今を純粋に楽しんでいた。
テレビ画面の録画映像でもその雰囲気が十分に伝わり、共鳴できた。
 
中学生のころ、グループサウンズ、フォークソングが大流行していた。
その歌い手たちはヒーローであり、アイドルだった。
周りを見渡すとみんなが好きで、口ずさんでいた。共通の話題だった。
年を取ってもそのサウンドは忘れない。
自分の人生の歴史に刻み込まれている。
そのサウンドに耳にし、かつてのヒーローを目にすれば、年を忘れて没頭する。
可笑しな表現だが、墓場まで持っていくだろう。
自分たちの音楽だと思っている。
 
ジュリー、タイガースと言っても知らない人が日本人の半分以上に増えているだろう。
やがては過去の遺物として忘れ去られるのかもしれない。
この音楽を愛した我々の世代も同じ運命をたどるのだろう。
 
ジュリーはMCで強調した。
「メンバー全員がそろってこそタイガース。いつかタイガースを復活させたい」
この日は、岸部四郎(シロー)が車いすで一曲だけ登場したが、
加橋かつみ(トッポ)は顔を見せなかった。
一夜の夢でタイガースが復活してくれれば、うれしいことは間違いない。