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3月1日(木)
「今回は無理かな~~」と諦めかけている。
5日(月)に東京・六本木のライブレストラン「STB」で予定されている刀根麻理子のライブ。
夜のライブに茨城から出かけてその日のうちに帰って来るのはいささか難しい状態だ。
昨年6月の場合は何とか大丈夫だったが、結構しんどかった。
 
刀根麻理子は1984年、アニメ「キャッツアイ」のテーマ曲「デリンジャー」でデビュー。
その後、ミノルタα7000のキャンペーン曲「一秒の夏」、
テレビドラマの主題歌「マリオネットの夜」などを相次いでリリースした。
デリンジャー、一瞬の夏はアップテンポなポップス系だが、
「都会のゆううつ」「摩天楼物語」「Stay with me」などのバラード系もいい。
ディスコ系、ポップスからバラードまで幅広く歌いこなす歌唱力が持ち味。
対極的な位置にある曲調を歌う七変化も魅力だ。
自分は「一秒の夏」をきっかけにしてアルバムを買い、バラード系の甘く、潤いのある歌声に魅かれた。
当時は職場でこき使われる30代であり、仕事で乾燥した心身を彼女の歌で潤したものだ。
もちろん、彼女が美人であることも無視できないことではあったが……。
 
東京・神宮外苑の日本青年館、新宿の日清パワーステーションでのコンサートも楽しんだ。
ただ、歌はうまく、聞く者を心地良く楽しませてくれるのだが、
例えば、客を総立ちにさせるというように観客をあおるタイプではなかった。
一言でいえば、地味な雰囲気だったとの印象がある。
 
その後、自分は92~94年韓国にいたので一時的に日本の音楽と縁遠くなった。
帰国した90年代半ば以降、彼女の存在をほとんど表舞台で見かけなくなった。
歌手としては一線を退いているようだった。
後で知ったことだが、この間骨髄病患者の支援活動、
不登校児・引きこもり児童対策のボランティア活動などの社会活動に力を注いでいたようだ。
 
再開のきっかけは、昨年初め「STB」でのライブを知ったことだ。
チラシには下記の言葉があった。
 
日本中に活力がみなぎっていた時代…
誰も皆 夢や希望に満ち溢れていた日々…
今一度 あの頃の輝きを取り戻してみませんか?
沈黙の歌姫 刀根麻理子が今宵 STB139に蘇る!
 
80年代に輝いていた刀根麻理子の復活を告げるものだった。
もちろん、即刻席を予約した。
しかし、しかし当初予定の3月15日は東日本大震災の直後なので中止。
懐かしい恋人にやっと会えると思ったのに、お預けを食らったようなものだった。
仕切り直しのライブは6月2日、間近に見える彼女の顔を眺めながら照れくさいような可笑しな気持ちになった。
でも、彼女の歌声は「あの頃」と同じように心を潤してくれた。
以来、彼女のアルバムは再びCDプレーヤーの傍に並ぶようになった。
 
昨年のライブも今年の場合も彼女には「沈黙の歌姫」という枕詞が付いている。
沈黙と歌姫を並べるのは自己矛盾とも見えなくもないが、
80年代にはこんな枕詞は無かったと思う。
何故、誰がこう命名したのだろうか?