
2月29日(水)
夕方帰宅してテレビ番組案内を開くと、懐かしい映画の題名が目に入った。
「フライ、ダディ、フライ」
今から約7年前の2005年、夕方時間つぶしのために入った東京・銀座の映画館。
タイミング良く待ち時間が無かったという偶然で観たこの作品で爽やかな感動を味わった。
しがない中年サラリーマン、鈴木(堤真一)のある意味再生の物語。
鈴木は、愛娘の高校生が不良高校生に殴られたが、事なかれ主義でうやむやに扱い、娘の信頼を失う。
汚名挽回のため不良高校生と対決するつもりで乗り込んだのは別の高校。
そこで、謎の高校生グループと出会い、そのグループに押される形で、不良高校生との決戦を決意する。
その後、鈴木は一カ月の夏休みを取りは謎の在日韓国・朝鮮人朴(岡田准一)の元、猛特訓。
ランニング、木登り、階段上がり、喧嘩法などの涙ぐましいトレーニング。
夏休み明けには、ボクシング高校チャンピョンである不良高校生を倒した。
ストーリーそのものは、一種のヒーロー物語。
情けない中年オヤジが家族愛のために根性を発揮して強くなるというハッピー物語だ。
それを三つの柱で味付けしている。
情けないサラリーマンが強くなる家庭をメリハリ良く表現する堤の演技力。
鈴木を後押ししつつ、決戦を賭けのタネにする高校生グループの破天荒さ、行動力。
そして、岡田が演じる朴の魅力。寡黙で喧嘩が強く情の厚い不思議な存在だ。
ある意味では鈴木、朴、高校生グループの友情物語になっている。
あまり深く考えず、明るく元気な気持ちになるための清涼剤としての魅力は昔のままだ。
この作品で岡田は筋肉質な体を生かした武闘派の面を見せた。
再放送の案内は「後の『SP』の原点となった作品」とも宣伝していた。
言われてみると、そうなのかもしれない。