門の前でハーフの部と別れると、

すぐに海岸線の道路に出た。

残り15km前後に渡る海辺の道が始まった。

海岸線に沿った大通りに移る。

左側には遊歩道を挟んで海が見える。

道路の右端ではハーフのランナーがスパート。

まもなく、彼らは右手奥のゴール会場に消えた。

しかし、こちらはゴールを横目に通り過ぎて引き続き直進、

しかも、折り返して左の遊歩道を戻るフルのランナーとすれ違う。

「何kmも走ってから戻って来るのか」

距離を稼ぐために走る”回り道”の憂鬱を感じた。

海が見える木立の中を走る。

自然の景観に恵まれたコースだが、長く続くと単調。

折り返してくるランナーがうらやましい。

小さな橋を渡る。

海辺の道に移ってから少なくとも5kmは経過。

なかなか、折り返し地点が来ない。

ようやく折り返してしばらく走ると35km地点。

つまり片道約7kmの折り返しコースというわけ。

平坦で脚の負担は少ないが、精神的にはストレスがたまる。

まだまだ続く。

沿道の応援が居ない半面、

散歩の人やジョギングの人のが休日を楽しむ。

日曜日のどかな雰囲気の公園を黙々と走る。

ようやくゴール。

大通りを横断する高架の歩道橋まで駆け上る。

あと一息。

歩道橋を渡るとゴールが目の前。

ゴール前には応援の人達がお出迎え。

マラソンらしい盛り上がりの中で、フィニッシュ。

ゴール後は近くのコンベンション施設の休息会場へ。

無造作に置かれたおやつをランナーが思い思いに手に取る。

りんご、みかん、パンを一つずつもらって休息のベンチに。

パックのココナツミルクはテーブルに置かれていた。

次々にゴールしたランナーで会場は大にぎわい。

柵で囲われたコーナーではビール、ウオッカなどアルコールのおもてなし。

ただし、アルコールを柵の外には持ち出せない。

写真中央にいる黒いちチョッキの「SECURITY」が監視しており、

私がカップを持ったまま出ようとしたら、

駄目だと押し戻された。

きちんとルールを設けている。

会場からはダウンタウンへのシャトルバスが運行。

朝のシャトルバスの出発地点だったヒルトンホテルまで送ってくれた。

結局、朝と帰りの二回ともシャトルバスを利用したが、

ランナーたちがお喋りなのが印象的だった。

日本の静かな車内とは大違いだ。

 

……続く……