——ーーードキン・ドゥーエ宙域

 

 

アンパンマン「やめるんだバイキンマン!」

 

バイキンマン「私がお前を感じるように、お前も私を感じるのか……。不幸な宿縁だな、アンパンマン」

 

アンパンマン「くっ!」

 

バイキンマン「厄介な奴だよ君は! あってはならぬ存在だというのに……。知れば誰もが望むだろう! 君のようになりたいと! 君のようでありたいと!」

 

アンパンマン「何を!」

 

バイキンマン「私は結果だよ! 自然が産んだ数多の雑菌のひとつだろうが! 故に赦されない。その存在も。君という存在も!」

 

アンパンマン「そんなこと!」

 

バイキンマン「まだ苦しませるのか? いつか。やがていつかはと。その甘い毒に踊らされ何千回とアンパンチを食らってきた! 故に私にはあるのだよ。この予定調和の世界を裁く権利がな!」


アンパンマン「それしか知らないあなたが!」

 

バイキンマン「知らぬさ! 所詮妖精(ひと)は、パンを作ることしか知らぬ! パンをこねる手と焼き目を見る目しか持たぬ者達の世界で、何を信じ、何故信じる!」

 

アンパンマン「違う! ジャムおじさん達はそんなものじゃない!」

 

バイキンマン「何が違う? 何故違う!」

 

アンパンマン「それでも、アンパンだけが僕の全てじゃない!」

 

バイキンマン「それが誰に分かる? 分らぬさ! 誰にも!」 

 

アンパンマン「そんなあなたの理屈!」

 

バイキンマン「幾ら叫ぼうが今更! それが定めさ! 知りながらも突き進んだ道だろう! 何をして喜ぶか分らぬと逃げ、何のために生まれ、何をして生きるのか知らず! 聞かず! その果ての終局だ! 最早止める術などない! これが妖精(ひと)の夢、妖精(ひと)の望み、妖精(ひと)の業! 他者より強く、他者より先へ、他者より上へ!」

 

 

——ーーードキン・ドゥーエ内部

 

 

ドキンちゃん「しょくぱんまん様……」

 

しょくぱんまん「ドキンの自爆とカビ菌の散布が連動している? くそっ……。こんなことをしても戻るものなどないというのに……」

 

ドキンちゃん「しょくぱんまん様! 何を!」

 

しょくぱんまん「内部で顔の天然酵母を爆発させる……」

 

ドキンちゃん「えっ?」

 

しょくぱんまん「それしか方法はない! お前は戻れ!」

 

ドキンちゃん「しょくぱんまん様!」

 

 

 

 

 

 

バイキンマン「どの道私の勝ちだ。ドキンが自爆すれば全世界にカビ菌がばら撒かれる」

 

アンパンマン「!」

 

バイキンマン「パンはカビ、パン食の衰退は新たな米食文化の狼煙となる! そして滅ぶ。パンは、滅ぶべくしてな!」

 

アンパンマン「……」

 

バイキンマン「人が数多持つ釜戸の火だ……。それだけの生地! 重ねてきたのは誰だ! 君とてそのひとつだろうが!」

 

アンパンマン「あぁぁっ! 顔が濡れて……、力が……」

 

 

 

 

——ーーードキン・ドゥーエ内部

 

 

 

しょくぱんまん「……」

顔を取り外すしょくぱんまん

 

ドキンちゃん「しょくぱんまん様!」

 

しょくぱんまん「!」

 

ドキンちゃん「逃げないで! 生きる方が戦いよ!」

 

 

 

 

 

 

アンパンマン「う……。あ……」

 

バイキンマン「間もなく最後の扉が開く。私が開く」

 

バタコさん「アンパンマン! 新しい顔だぁ! 受ぅけ取れぇぇぇぇぇぇ!」

※画像はイメージです

 

 

アンパンマン「元気100倍! アンパンマン!」

※画像はイメージでry

 

 

バイキンマン「!?」

 

アンパンマン「あああああああああ!」

 

バイキンマン「チッ!」

※画像はイメry

 

 

アンパンマン「それでも! 護りたい世界があるんだ! アァンパァァンチ!」

 

 

バイキンマン「バイ……。バイ……。キン……」

※画像はイメージでry

 

 

アンパンマン「どうして僕たちはこんな世界へ来てしまったんだろう……」

 

しょくぱんまん&ドキンちゃん「……」

しょくぱんまんとドキンちゃん見つめてほほ笑むアンパンマン。

 

アンパンマン(そうだ……。嬉しいんだ。生きる、喜び。たとえ胸の傷が……。痛んでも……)