12月だ。冬になると思い出す記憶がある。
コロナの前なので相当前なのだけど。
とある都内の居酒屋で、大学生らしき4人のグループが大きめの声で騒いでいた。
多少うるさくても居酒屋だし、全員で泣きながら嗚咽をウーウー響かせて呑まれるよりよっぽどいい。
でも、ごめんね。うるさいのは良いんだけどオジサンその代わり会話割と聴いちゃうからね。
4人は男2人、女2人という比率でどうやら恐らく大学の仲間同士だった。
見た目は割と皆オシャレでルックスも良い。
そして片方の男女は付き合っている雰囲気で、もう2人は共に恋人がいない様子だった。
恋人がいない2人の会話は、なんとなく仲良いのは伝わるけれど、きっと男の方が女の子の事好きなんだなー的な関係まで会話の節々で伝わってきた。
2時間ほど経ったか、みんな酒がまわってきた頃。
隣で恐らく片想いであろう男がバンッと机を叩いた!
あ、しばらく会話聴くの忘れてた。
なんだなんだ?喧嘩か?
すると片想いであろう男は女の子に言った。
「葬式前提に付き合って下さい」
え?
何?
めちゃ素敵じゃん。
「ちょっとまったぁー」と飛び込んで俺がこいつとつき合いたい。
そんな気にさえなった。
「葬式前提で付き合って下さい」
なんかもう映画撮れるじゃん、君達で。
と思った。
その瞬間。
女の子が。
「え、無理っしょ」
!!!!
は?
いやいやそこは「告別しきもぉー!ま、か、せ、と、けっ」
だろ?
無理っしょ、じゃないんだよ。
君の事を好きな男は言ったか?
「ちょっと俺の尻の穴をストローでフーフーしてくんないかな?」
いや、それは無理っしょ。
「もしよければ今から一緒にコブシで地球割るの挑戦してみない?」
いや、それも無理っしょ。
「葬式前提で付き合って下さい」
という言葉を吐いたあの男の子と女の子が今現在付き合っている世界であって欲しいと思いなつつ今日も寒さに耐えながら夕食を作ります。
12月は全部みんな鍋で決まりだろ。