男は仕事 女は家庭
早速、その夜、話をした。内心、怖かったけど。避けたかったけど。私は、産むと決めたこと。そして、一緒に育てる気があるのか。「来てくれたのは、嬉しいけど、 実際、育てていくのは…」そう話すきなおは、思案顔だ。少し考えて、口を開いた。「働いて養っていくってのがなぁ…」んちょっと待って、お兄さんわたし、養って欲しいなんて、思っていませんけど私自身は、会社で働いたりするのも、やろうと思えば苦じゃなくできる方だし何なら、働くのより家事の方が嫌いだ。「あのさ、思ったんだけど。 子育てや家事をやってもらって 私が外で働くって形はどうよ?」。。。。。。。。。思案顔が、納得顔に変わった。気にかかっていたのは、そこだったか。私も割と自由にやってきた方だけど、きなおは更に自由に生きてきた人。なので、型にはめられるのとかが、すごく苦手なのはよく知っていた。きなおの名誉のために言うと、働くのが嫌いな怠け者ではない。実際、自分のこれと決めた志事は、ぶれずに一生懸命やっているし、バイトだったりしても、生活費は稼いでいる。ただ、会社とか団体とか「どこかに所属して」「ずっと同じことをする」のは苦手だ。でもって、家事はそこそこできるし、何なら、私よりよっぽど手際がいい人には向き不向きっていうのが、本当にあると思う。男だから、働くのが得意とは限らないし女だから、家事育児が好きとは限らない。昔の日本(世界も?)だったら、「男は仕事 女は家庭」っていう価値観が当たり前だったけど今は、少しずつ変わりつつある。大体、もう世間一般の普通からははみ出している私たちだもの時流にのって、それで行こう。