OVALNETWORK -20ページ目

治まらない学生運動。


小さい頃。





家の前に、とっても大きな関西紡績工場がありました。





泉州なので、タオルやニットを作っていたと思います。





朝のサイレン、昼のサイレン。終りのサイレンは。




ウーーーーーーーーーーーーーー





と、とっても、大きな音で。





近所の人はその音と共に生活をしていました。





朝のサイレンが鳴る前までに学校へ行き。





休日は、昼サイレンで昼ごはん。





帰りのサイレンで、晩御飯。





遊んでいるのは、工場周辺なので。





どこにいても、サイレンの音は、届いて来ました。










紡績工場のベロンベロンのドアをこっそり開け。





機械に隠れ。





作業服を着ているおばちゃんに。






おかあさ~~~ん~~




おかあさ~~~~~ん~~







と気持ち悪い声で言って。






おばちゃんが不思議そうに。





キョロキョロしているのを。





みんなで、腹をかかえて、笑っていました。










そんな遊びも徐々にエスカレートし。






最終的に、工場の屋根から落ち。





機械の上に転げ落ち。





運転中の機械を止め。





紡績工場で遊ぶのを禁止されました。






あれから数ヵ月後。






紡績工場が取り壊される事を教えられました。





とっても悲しかったのを覚えています。





大きな、コンクリートの塀。





赤いレンガ。小さい窓。





糸を染める井戸や綿が入った沢山のドラム缶。





そして、紡績工場独特の臭いと。





今まで、共に暮らしていたサイレン。








しかし、そんな事はお構いなしに。






パワーショベルは。











ドーーーン!!!








ズドーーーーン!!!!!






と地面を響かせながら。






頑丈なコンクリートの塀や赤レンガの塀を。






壊していきました。






小学三年の私は。





そんな、取り壊し作業を





自分の部屋からボケーーッと眺めていました。






2軒となりのN君は。





紡績工場にあった。





赤レンガを。





玄関に持って帰って来ていました。





飾るのでも無く。





捨てるでも無く。





ただ、玄関に置いていました。














それから、数ヵ月。






サイレンの音が聞こえない事さえも、気にならなくなってきた頃。







家の前から紡績工場が消えました。






工場。。こんな広かった?






と改めて思わされました。












その後。





沢山の砂や砂利が運ばれて来て。





あっと言う間に。





大きな、大きな砂場に変身しました。





幼馴染の3人は。





毎日、遅くまで。砂の山で遊び。





置きっぱなしになっている。





ブルドーザーに、座って。










ウォオオオオオオオオンンンン!!!!!









と叫び。





砂で作った団子を投げあい。







遊んでいました。












あの日までは・・・








私達は、その日も、いつものように。





砂場で遊び。





水溜りに、砂利を投げたりして。





遊んでいました。





そして、いつもの様に。








ブルドーザーに3人で乗り込み。







オオオオオオオオオオオオオンンンンンンン!!!!!!!!!









と叫び。







レバーをガチガチ動かしながら。







遊んでいました。







しかしその日は、なぜかブルドーザーに















鍵がささっていました。










次の瞬間。














私は、何の迷いも無く。








クルッ!と。











回しました。












すると。






ブルドーザーは。





大きな揺れと。





エンジン音を響かせ








ウウウウウウオオオオオオオオンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!






動きました・・










そして、キャタピラがゆっくりと。















回りました。













完全に。パニックです。







そして。








横に座っていた二人は。









私を置いて。












動いているブルドーザーから。











飛び降りました。。















【私とブルドーザー】














そして、ブルドーザーは、あっと言う間に。






敷地内を出て民家へ向かって動いて行きました。






そして、その行き先は。











残念ですが。。




さっき、ブルドーザーを飛び降り。





家に逃げ帰った。。











S君の家です。。














ブルドーザーは。




相変わらず・・













オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!ゴトゴトゴトゴトゴトゴトゴトゴト!!!!!




と。




進んでいます。




そして。。次の瞬間。。














バスススススススーーーーンンンンンンンンンンンン!!!!!!




ズドーーーーンンンン!!!!!!!!!!!!!







と。








塀を簡単に倒しました。。





そして、ブルドーザーは。





倒れた、塀を乗り越え。






家に進んで行きました。。







あたる!!!!!!!!!!!!!!







と思った瞬間。





エンジンが、停まりました。














N君がおやじを呼びに行き。




エンジンを切ってくれました。




そして私を、ブルドーザーから丁寧に、降ろしてくれました。







大丈夫か?


ひこさん怪我ないか??


と、とても優しかったです。




周りを見ると。



沢山の人達が周りを囲んでいました。。











私は、隣の家から出てきていた。





私のおばあちゃんと目が合いました。。






そして、おばあちゃんは。。



静かに私を呼びました。



ひこさん、こっちおいで。



と、いつもの怒られる定位置に立つと。










お前は!!!!!!!!!!!!!!!










と、私の形の綺麗な坊主頭を、叩くのでした。




ポカッ!ポカッ!ポカッ!!







もうやめたっておばあちゃん!!!


ひこさんも生きてたんやから!!


それだけでも喜んで、な~おばあちゃん。。



と、私の家の周りには、いつも。



私のおばあちゃんの怒りを長引かせる人達がいました。


私は、いつも。


おばはん・・・






帰ってくれ。



と思っていましたが。




この日は、お願いですから。。









帰ってください。。





と思っていました。










そして、ポカッポカッ叩かれている私の目線の先には。




驚く、光景が。。




年上のS君が、お菓子をクチャクチャ食べながら。



他人事の様に私が怒られているのを。



塀の無い家の玄関から。




横目で観察しているのでした。








S君?







何してるん。。










アルツハイマー?







それからも私は。


平手打ちを何度かもらいながら家に帰りました。


もちろん我が家は。


お菓子のサービスは、ありませんでした。



私は、今でも。


白々しい顔をしながら。


お菓子を食べていたS君を、忘れた事がありません。。


結局、彼は私が期待していた学生運動団体に入ることもなく。


就職しました。




そして。


結局、この家の壁をN君の父が直すのですが。


業者に頼むより、俺が安くやると言い。


業者価格の倍以上の金額を払わせた事も知っています。


そして、その塀の出来栄えは、子供から見ても最悪でした。


それから、S君の父は。塀を隠すために竹を埋める事になり。


今では、立派な竹が塀を囲んでいます♪