以下の6つの技法は単純かつ効果が高いとされるもので、間接方法の場合、実践者はここから好きなものを3つ選ぶ。技法の使用時間はそれぞれ数秒程度であり、123→123→123→123というふうに、4サイクルくり返す。合計で1分続けてダメなら寝て、次の目覚めのタイミングに移る。技法は他にも無数にあり、やや複雑で応用的な技法については第四部で紹介される。

 

 

 

心像観察Observing images>

 瞼を閉じたまま目の前の虚空を観察し、そこに映像やシンボルなどのイメージを見つけようとする。3~5秒で何も見つからなければ、次の技法に換える。

 微かな物でも良いので、もし何かが見えてきたら、それを「受動的に」観察する。積極的に細部を調べようとすると消えてしまうので注意。前に広がる光景をただ眺めるようにしていると、心像の質とリアリティーが増してゆく。それがさらに増すと、幻視された世界の方に引き込まれ始め、離脱法が可能になる。

 

 

幻肢揺動<Phantom wiggling(movement)>

 瞼を閉じたまま、体の一部を「筋肉をまったく使わずに」、小刻みに揺り動かそうとする。身体を動かすという意図のエッセンスだけを使う。例えば指の曲げ伸ばしや掌の開閉などを、肉体が動かないようにしながら積極的にしようとする。これは「想像した動きではない」ことに注意。3~5秒続けて本当に動いている感覚がなければ、次の技法に換える。

 微かなものでも良いので、もし実際に動く感覚があったら、動かせる範囲を大きくしようとする。動きのスピードではなく、知覚された動きの範囲の拡大が重要。その範囲がある程度広がると離脱法が可能になる。その際、強い振動や音が発生することがある。

 

 

視覚化Visualization> 

 瞼を閉じたまま、あらかじめ決めておいた何か(例えばリンゴとか、手とか)の映像を積極的に見ようとする。3~5秒続けて何も見えてこなければ、次の技法に換える。
 鈍いものでも、もし実際に見えてきたら、もっと細部を調べるように注視する。積極的に観察すると映像はさらに鮮やかで色つきのものに変わる。視覚的なリアリティーがさらに増すと離脱法が可能になる。見ることの想像ではなく、本物のヴィジョンであることに注意。

 

 

動作想像<Imagined movement>

 瞼を閉じたまま、泳いでいるところなど、想像した動作をリアルに感じようとする。他の想像する動きは例えば、走っているところやロープを上っているところなど。3~5秒続けて何も手ごたえがなかったら、次の技法に換える。
 もし実際に運動する弱い感覚や同時に二つの体にいるような感覚があったら、さらに続ける。想像上の感覚のほうが支配的になると、離脱法につながる。

 

 

聴音集中<Listening in>

 瞼を閉じたまま、「内側の音」に聞き入ろうとする。頭の中の音をさぐる。3~5秒探して何もなければ次の技法へ移る。
 微かにブーンという音やブンブンうなるような音、シューッという音、鈴の音や口笛、旋律、音楽が聞こえたら、その音に集中する。一心に聞き入っていると音のボリュームが増してゆく。音が突然消えるか、かなりのうるささになると、離脱法が可能になる。まれにジェットエンジンの轟音に相当するまで大きくなることも。

 

 

回転<Rotation>

 

瞼を閉じたまま、身体が中心軸に沿って回転しているように想像する(回転のための動作ではない)。5~10秒続けて何も感じられなかったら次の技法へ。他のよりも少し長い。回る感覚がリアルになったら回転法を続けて離脱する。離脱が可能になると、振動や音が発生することもある。ローリング法。

 

 

 

 

実際に練習してみて、気に入ったものを3つ選ぶ。ただしそれが最終選択ではない。寝落ちしやすい人の場合、積極的なタイプのものが向いていると思われる。

この練習は、本番の前にはやらないほうが良いとされている。集中力がなくなってしまうから。

 リサーチセンターの統計上では、水泳法(動作想像)が一番成功率は高かったらしい。

 風景や映像を単に想像する方法(弱い視覚化)については述べられてないが、これは教えてみて効果が低かったということだろうか。


 次は離脱法について。