ガーデニング大国、ボタニカルアートの本場として知られる英国の植物愛好熱は、大航海時代から脈々と続くものです。18世紀半ばにキューガーデン(王立植物園)が設立されるとそれは最高潮に達しました。世界中から植物を集め品種改良などをおこなったキューガーデンはイギリス植民地政策の中で重要な役割をになったのです。
18世紀~19世紀前半の写真の無かった時代、一流の画家、彫版師、刷師たちの協業で、様々な植物を細密に記録した植物図譜が作られました。ボタニカルアートの始まりです。銅版画に手彩色仕上げにより精密に美しく描かれた図譜は、現在では美術品としてコレクターの蒐集の対象となり、インテリアとしても取り入れられて、大切にされ続けています。
気に入った1点を身近においてじっくり鑑賞するのも良し、ヨーロッパのインテリア雑誌などでよく見かけるように、複数の植物画を2、3段掛けにするのも雰囲気があって楽しいものです。

ここでご紹介する作品は、当時のイギリスの著名な植物画家のひとり、ジェームズ・サワビーによる『イギリス産植物誌』の中からの一枚です。Thicket Roseという一重のバラですが、近年のカラー印刷とはひと味もふた味も違うアンティークな雰囲気が、お部屋のインテリアに上品な落ち着きを加えてくれること間違いなしです。ローズヒップも描かれ、ボタニカルアートの典型となっています。
額縁マットのマーブル模様の装飾もクラシカルな雰囲気を醸し出しています。ボタニカルアート入門に最適な作品です。

