12月2日、大阪府の吉村知事は、お米10キロのざっくりとした予算案を大阪府議会にあっさりと上程し、翌3日からはイギリスへと旅立ちます。予算案の概要には「10kg 相当の米等を配布」とありますが、予算編成の資料には「申請型で食料支援を行う」とあるのみ。一人当たり食料費5,000円に事務費10%を上乗せした総額76.5億円には、国からの”新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」”を当てます。

 

 

 

  2022年12月2日(金) 大阪府議会 議会運営委員会より

※大阪府議会の録画はこちら。お米関連の発言のみをピックアップしています。

 

お米支援について、12/2の府議会議運での説明はこれのみ

  • 子育て世帯への食料支援に必要な経費として76億5,050万円を追加。

◇委員長
はじめに、補正予算案の項目追加について知事に説明を求めます。なお説明は着席のまま行っていただいて結構です。

◆吉村知事
9月定例府議会に提出を予定しております諸議案のうち、補正予算案について経費を追加することといたしましたのでご説明申し上げます。追加内容は、検討中としておりました子ども・子育て世帯への食料支援に必要な経費として、76億5,050万円を追加するものです。なお追加後の補正額は483億3,073万8,000円となります。よろしくお願い申し上げます。

◇委員長
以上で説明は終わりました。ただいまの説明についてご質問はありませんか。特にないようですので、知事並びに理事者の方々はご退席いただいて結構です。

 

  2022年12月2日(金) 大阪府議会 本会議より

※大阪府議会の録画はこちら。お米関連の発言のみをピックアップしています。

 

お米支援について、12/2の府議会本会議での説明は特になし

 

◇議長
議案第36号から第64号まで及び報告第42号から第50号まで、令和4年度大阪府一般会計補正予算(第9号)の件ほか37件を一括議題といたします。議案につきまして、知事の説明を求めます。

◆吉村知事
今次定例府議会に追加提出をいたしました。第36号議案から第64号議案まで。第42号報告から第50号報告までについて、その概要を説明します。第36号議案は、令和4年度一般会計補正予算案で、エネルギー、食料品価格等の物価高騰の影響や、既決予算編成後において生じた情勢の変化に伴い緊急に措置しなければならないものに対応するため、483億3,073万8,000円を増額補正するものです。その主な内容は、新型コロナウイルス感染症対策に181億8,238万余円、物価高騰等対策に191億1,619万円を計上しました。またこれ以外に、観光関連事業者への支援等に110億3,215万余円を計上しました。このほか、債務負担行為補正として新たに設定するもの一件、限度額のみを変更するもの一件、合計二件の補正をするものです。

(中略)

以上、ご審議を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

◇議長
以上で、知事の説明は終わりました。お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、12月12日午後1時より会議を開きたいと思います。これにご異議ありませんか。ご意義なしと認め、そのように決定いたします。12月12日の議事日程は当日配布しますので、ご了承願います。本日はこれをもって散会いたします。

 

 

  2022年12月2日(金) 吉村洋文大阪府知事 囲み会見

※囲み会見の録画はこちら

お米関連の話は、なし

 

 

このあと、吉村知事は12月3日から9日までのイギリス出張に旅立ちます

 

府議会の書き起こしだけでは、さっぱり内容が分かりませんので、大阪府のホームページで、補正予算の資料を確認してみましょう。

 

  令和4年度補正(9号) 子ども食料支援事業費|大阪府

 

『令和4年度一般会計補正予算(第9号)案の概要』には「米」の記載あり

  • 食料品の物価高騰の影響を受ける子育て世帯を支援するため、18 歳以下の子ども 1 人
    あたり 10kg 相当の米等を配付

概要

 

 

予算編成過程の資料には「米」の記載なし

  • 新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響を受ける子どもを支援するため、18歳以下の子どもを対象に、申請型で食料支援を行う
  • 府内市町村に居住する18歳以下の子(胎児含む)1人当たり5,000円分
  • 対象者は約139万1千人
  • 財源はすべて国からのお金(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」)
  • 事務費は10%

 

表紙

 

明細

 

 

結局、食料費5,000円に事務費を1割上乗せして、5,500円*1,391,000人で7,650,500,000円という「ざっくり」した計算で、予算案は上程されました。

 

ちなみに、2022年夏に18歳以下に1万円のクオカードペイを配布した平成4年度補正予算(第4号)では、対象者が134万1千人でした。今回は胎児を含むそうなので、その数を「ざっくり」5万人と想定しているのでしょうか。

 

 

 

吉村知事のイギリス外遊のため、次回は12/12の府議会一般質問の初日まで飛びます。知事会見と議会のちぐはぐさが浮き彫りになっていきます。