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母方の
じじばばの家に
一通の手紙を
深夜、たった今、
届けにいった
道を忘れてしまって
片道40分の
真っ暗な田舎道を
1時間半さまよった
結構 恐怖
やっとついたら、
きれいに改築されていて
昔の面影をちょっと残してたけど
別邸みたいだった
道に停めて。
勢いで。
その手紙を
郵便受けにいれてこようとした。
無理だった。
見つかったら
ただの不法侵入。
玄関近くで
センサーライトが俺を照らした。
まぶしかった。
いったん車に戻って
また玄関へ向かおうとしたけど
こころが折れた。
豪邸のセンサーライトが
よそ者は帰れって言っとるみたいで。
多分こういうのを
挫折っていうんだろうな。
庭の植木鉢にでも封筒を置こうとも思ったけど
朝露でびしょびしょだろうな。
気づかれんかったら
俺の想いも
土に還りそうで怖い
切なかった
帰り道
血がにじむぐらい
唇噛み締めて
泣いた。
事故ってもおかしくないよな
目ん玉にワイパー付いとけばええのに。
そういえば、最近は感情と涙が
しっかりリンクしてくれる
素直に泣ける人になったんだろうな。
ちょっと嬉しかった。
俺を産んでくれたあの人に
一言伝えたいだけなのに。
一目会ってみたいだけなのに。
二十歳になってしまったいま
行動せんと
もう二度と
会えん気がする
大人の事情？とか
そういうんがあるんだろ。
なら いましかねえのに。
自分の根性のなさ
情けねえ
できることなら、
俺の手で面倒見てやりたかった
俺の子ども見せてやりたかった
俺の結婚式に来て欲しかった
一緒に泣いて、一緒に笑ってほしかった
いつでも側に居って欲しかった
吐き出したい言葉は山ほどあるけど
お母さんの子どもであることを
誇りに思っとる
産んでくれてありがとう
これだけ伝えたい
やっぱ、会いたい
40にもなったクソばばあに
大好きなお母さんに
諦めんよ
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