長い間かけて読了した、島崎藤村の『夜明け前』。

先日、小説の舞台となった中山道馬籠宿を訪問しました。

そして、この小説に登場した場所でもう一ヶ所

訪れてみたいと思ったのが、

飛騨一宮水無神社神社

主人公の青山半蔵が晩年に

宮司として在職していた神社です。

晩年の半蔵に思いを馳せながら

飛騨高山へ行ってきましたニコニコ

 

今回の旅は、中津川からスタート。

水無神社に向かう半蔵と同じルートをドライブ車

『夜明け前』に

中津川より下呂まで十二里ある。その間の道が困難で、峠にかかれば馬も通わないし、牛の背によるの外はないが、下呂まで行けば好い温泉が湧く。

とあるように

昔は険阻な峠道だったこの区間も

今は立派な国道で、あっという間に下呂に到着乙女のトキメキ

 

飛騨川公園で車を停めて一休み。

青空と山々が美しいですキラキラ

コキアもちょうど色づき始めていました。

そして向かった場所は、

この公園からJRの線路を挟んだ反対側にある久津八幡宮。

飛騨國二宮とされる神社です。

鳥居の奥に見えるのは1581年に建立された拝殿。

本殿は1412年に建立された歴史ある建物で

境内には立派な夫婦杉もありました気づき

『夜明け前』では、

半蔵の妻お民が飛騨を訪ねた際に

半蔵の頼みで迎えに来た若者が

お民を見つけて声をかけた場所が

この久津八幡宮でした。

 

再び高山を目指してドライブ車

次に立ち寄ったのは道の駅モンデウス飛騨位山。

位山は飛騨一宮水無神社の御神体として

古来より崇められてきたそうです。

そしてこの街道は

古来、飛騨の匠が京へ上る際の通り道だったそう。

歴史ある場所ではありますが

この場所からは位山の頂上を望むことはできませんでした。

冬季はスキー場のセンターハウスとなる建物の

1階にある喫茶店さくらりあで

クラムチャウダーを頂きました照れ

濃厚で美味しくて

木のスプーンなのも嬉しかったです。

ポカポカ温まって元気がでましたラブラブ

 

道の駅から10分ほどのドライブで

飛騨一宮水無神社に到着。

島崎藤村の父である島崎正樹が数年間

宮司として在職していた神社です。

『夜明け前』でも

半蔵(島崎正樹)が飛騨行きに躊躇する様子や

出発前の友人に宛てた手紙の中で

二、三年の後、自分は空しく帰るかも知れない。あるいは骨となって帰るかも知れないが、ただただ天の命を果たし得ればそれでいいと思う。

とあるように、並々ならぬ覚悟であったことが伝わってきます目

 

境内にある水無神社の大杉(樹齢およそ800年)は

近くに立っているだけで

大きなパワーを感じ神聖な気持ちになります。

『となりのトトロ』を思い出しますねニコニコ

 

こちらは

1607年に高山城主の金森長近により造営された絵馬殿です。

 

島崎正樹宮司の歌碑もありました。

晩秋の村の様子を詠んだ短歌だそうです。

馬籠宿にも歌碑がありましたが、

半蔵はどこにいても素敵な歌が詠めてすごいですね乙女のトキメキ

 

神社の前の道に橋があって

そこから位山を望むことができました気づき

御神体なので手を合わせました。

そして、振り返ると

こちら側の眺めも素敵です目

宮川の支流だと思いますがとても美しいです。

 

さて、そろそろ一之宮町を後にして

高山市内に向かいましょう車

まず最初に向かった場所は城山公園。

髙山藩主金森長近の騎馬像がありました。

市内を一望する展望台があるかな??と思っていたのですが

展望台は駐車場からけっこう歩かないと着かなさそうだったので

時間の関係で断念アセアセ

山を下りて市の中心部に向かいました。

 

高山陣屋に到着。

高山藩主の金森氏が出羽国に国替えになった後

幕府直轄地になった飛騨地方の代官所となったのが

この陣屋だそうです。

高山陣屋は明治維新以降も飛騨の行政の中枢であり続け、

幕末に60ヶ所以上あった代官・郡代所の中で、

当時の主要建物が残っているのは、この高山陣屋のみだそうです。

貴重ですね。

 

こちらの模様は青海波

そして、頭上には真向兎うさぎ

釘の頭を隠すための装飾で、魔除けの意味合いもあるそうです。

兎さん丸いですね真顔

 

こちらは御役所

郡代・手付の執務する部屋だそうです。

手付は、秘書さんのような仕事をする方でしょうかはてなマーク

 

こちらは湯呑所

囲炉裏の自在鉤のお魚が良い感じです照れ

近くには

お茶を入れるための勝手がありました。

 

そして、ここは49畳の大広間びっくりマーク

重要な年中行事や会議などで使用された

書院造のお部屋です。

寝転んでゴロゴロしたら気持ち良さそうニヤリ

縁側を通して、お庭の景色が見られるので

紅葉を楽しむことができましたもみじ

 

一通りお屋敷を見て回った後は

屋敷の外にある御蔵へ。

高山陣屋の御蔵は、現存する江戸時代の米蔵として

全国でも最古・最大級だそう。

蔵の中には米俵が一杯…ではなく

博物館のように飛騨国の歴史にまつわる展示物が

たくさん展示されていました。

以前、中山道福島宿を訪れた際に

木曽代官山村氏のお屋敷でたくさんの展示を見ましたが

木曽と飛騨、山を挟んですぐ隣でも

それぞれ違った歴史を紡がれてきたんだなぁと感じました。

 

陣屋でじっくり勉強した後は

中橋を渡って高山の旧市街地へ

「古い町並」と呼ばれている

国選定重要伝統的建造物群保存地区で

街歩きを楽しんだ後、帰途につきました。

好天に恵まれ、飛騨の国の立派な木々が

とても印象に残る旅でした照れ