先日、中山道の馬籠宿へ行ってきました。

馬籠宿には10年ほど前に訪れたことがありますが

その時は、ひたすら食べ歩きを楽しんでいました爆  笑

今回は2度目の馬籠観光ということになります。

 

昨年の秋に奈良井宿へ行ってから

宿場町に興味を持ち始めて

良い機会なので、

島崎藤村の『夜明け前』を手に取りました。

序盤で挫折しそうになりましたが

福島宿や鵜沼宿を訪ねる度に

宿場町についての理解が少しずつ深まり

だんだん面白く読み進められるようになりましたニコニコ

そして9月下旬、長くかかってしまいましたが

ついに『夜明け前』を読了ルンルン

藤村の父である島崎正樹が、主人公の青山半蔵のモデルであり

馬籠宿が舞台となっているので、

夫も私も読み終わったら

馬籠宿へもう一度行こうびっくりマーク

と、読み始める前に決めていたんです。

気合を入れて、朝早く家を出て

中津川駅から北恵那交通バスに乗り

馬籠宿に着いたのは9時半過ぎ!

まだ人通りが少なく、ひっそりとした感じで

それはそれで趣深かったですおねがい

石畳と水車小屋、なんとも風情があります。

しかも桝形の角にあるので

宿場町に来たびっくりマークという感じがします。

水車小屋は休憩所として開放されていたので

中に入って見てみると…

水車の裏側で木製の歯車のようなものが回っていました。

電光パネルには発電量の表示が気づき

坂の途中の宿場町、

江戸時代に荷物を持って行き来するのは

さぞかし大変だったと思いますが

豊富な水のエネルギーに助けられたことも

多かったのではないでしょうか。

 

ずんずん上がって藤村記念館へ。

多くの資料が展示されていて

『夜明け前』の原稿もありました!

長い小説をこんな感じで校正しながら…

と、原稿用紙に見入ってしまいます。

家族写真なども展示されていて

作中の人物と重ねながら、楽しく拝見しました照れ

藤村の生涯についてや作家活動の資料はもちろんですが

藤村がどのような本や資料を読んでいたのかも興味深かったです。

市史や文学史、漱石全集などいろいろあって

なるほど。と思っていたのですが、

ドストエフスキーやトルストイなどロシア文学の研究書籍まで!!

フランスの原書はずらりと並んでいました。

藤村はフランスで暮らしていた時期があるとはいえ

すごい…とため息をつくしかありませんびっくり

『若菜集』について見ている時に

子どもの頃、「初恋」という詩を初めて目にした瞬間

なんて美しい響きの詩!と感動したのを思い出しました気づき

久しぶりに改めて見ると、やっぱり好きですラブラブ

展示室で「初恋」を歌詞にした曲が流れていていましたルンルン

満ち足りた気持ちで外に出ると

年季が入った二階建てのお家があります。

ここは祖父母の隠居所とのこと。

ということは、

作中では半蔵の父吉左衛門の隠居所びっくりマーク

この2階のお部屋で吉左衛門が過ごしている様子が

度々描かれていたので

知り合いの家を見ているようですニヤリ

馬籠本陣の建物は、

明治28年の大火でほぼ焼失したのですが

唯一残ったのがこの建物だそう。

貴重な建物を見ることができて嬉しかったです。

 

さて、藤村記念館でゆっくりと見学させて頂きましたが

まだ人通りはそれほど多くありません。

宿場町らしい風景も存分に撮影できますキラキラ

更に上って行くと

高札場がありました。

もう少し上がって馬籠見晴台に到着。

正面の恵那山がとても美しいです。

『夜明け前』で半蔵が眺めていた恵那山。

幼い頃からこんな素晴らしい風景を見て過ごしてきたんですね。

故郷っていいなぁ…

と思っていると、こんな立札がありました。

「中山道馬籠地区保存に関する決議」

読んでみて、印象に残ったのが

外部資本の侵入による破壊を防止するため、建物、宅地、農地、山林等を「売らない、貸さない」ことを原則とする。

という部分。

やっぱり維持していくのは大変ですよね。

地元の方々の努力に敬服します。

島崎正樹の歌碑もありました気づき

景色を見ている間に、少し体が冷えてしまったので

「かっぺ」というお店で、

ホットコーヒーを飲もうと思ったのですが

メニューを見ていると

急に栗ぜんざいが食べたくなって

私も夫も栗ぜんざいを注文しましたニコニコ

恵那山を眺めながらくつろいでいると

お茶とお漬物付きの栗ぜんざいを持ってきてくださいました。

栗がごろごろ入っていて

小豆もたっぷりで甘くて美味しいラブラブ

食べ終えたら、温まってポカポカしてきました。

 

体が温まり脳に糖分を補給できたので

いよいよ、馬籠脇本陣史料館へおねがい

馬籠脇本陣史料館のドアが開きません…

あせる

観光案内所で確認すると

今は平日は開館していないとのことショボーン

残念ですが、また次の機会に。

玄関先に植えられている木曽五木だけでも見せて頂きましょう。

木曽五木については

『夜明け前』でも読み始めてすぐに説明があった気がします。

立ち入り禁止の森林地帯もあり

自由林とされている所でも五木ばかりは

許可なしに伐採することを禁じられていたと。

中部森林管理局のHPによると

尾張藩は森林保護政策として「停止木制度(ちょうじぼくせいど)」を設け、ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキの伐採を禁止しました。停止木制度は、ヒノキの保護を目的とし、ヒノキに外観が似て、かつ利用価値の高い樹種も禁止木に選びました。禁止木を伐採した者への罰は、「木一本、首一つ」と呼ばれるほどで、厳罰に処されました。森林保護制度によって保護された樹種は「木曽五木」と呼ばれ、現在は木曽谷の名産品となっています。

とのこと。

確かに。

こうやまきは区別できそうですが

他の4本はよく似ていて間違えそうですね。

「木一本、首一つ」なのであれば

似ているものは禁止にした方が良さそうガーン

 

午後になって人通りが多く賑やかになってきました!

下っている途中で

夫が五平餅を食べたいと言って

近江屋というお店で1本購入。

五平餅と書かれていると無性に食べたくなるそう目

 

『夜明け前』に出てきた馬籠万福寺のモデルとなった

永昌寺というお寺を目指して歩き出すと

かわいい猫がいましたラブラブ

さて、藤村記念館の裏の方までくると

永昌寺と書かれていますが

道が2つに分かれています。

夫が右の鬱蒼としている方へ行こうとするので

私は左の明るい方へ行く!と歩き出すと

夫もついて来ましたニヤリ

歩きやすい明るい道をしばらく行って

石段を上っていくと

永昌寺に到着しました乙女のトキメキ

正面の障子を見た瞬間、

『夜明け前』の終盤の印象的なシーンを思い起こして

ゾッとしました魂

それはさておき

藤村にとって馴染み深いこの永昌寺の境内で

手を合わせることができて良かったです。

 

馬籠宿下入り口までおりて

坂扇屋というお店でお昼ごはん割り箸

テーブル席もお座敷もあって、間隔も広くて

落ち着いて過ごすことができます。

私は、とろろそば(温)を頂きました。

コシのあるお蕎麦で

トッピングのお野菜は野沢菜でしょうか?

お漬物以外で食べたことがあまりないんですが

お蕎麦とよく合って、とても美味しかったです照れ

夫は、山かけめし・そば(冷)付き。

どれも美味しいと喜んでました!

 

お昼を食べたら帰ろうかと思っていたのですが

せっかくなので、もう一度上って

 

清水屋資料館を見学させて頂くことにしました。

清水屋(原家)は

五代目が組頭をつとめ、

六代目が宿役人となり

七代目は郡会議員をつとめ

八代目の原一平さんは30代にして村長となったそう。

島崎家とも古くから親しく、

特に原一平さんは、藤村の長男を託されるほど。

私は読んだことがないのですが

藤村の晩年の『嵐』という作品に

「森さん」として原一平さんが登場するそうです。

藤村から原一平に送られた書簡や

貴重な掛軸などが展示されていて興味深かったです。

 

清水屋さんからもう少し上った所にある

山城屋という木工品のお店に入ると

木の香りが爽やかでとても心地良い音符

さすが木曽五木おねがい

前から欲しいと思っていた木のスプーンを購入。

いろいろな種類があって迷いましたが

また買い足していこうということで

まずは小さめのを2本。

帰ってから、早速洗って使ってみたんですが

木のぬくもりがあって形もかわいくて

口に触れた時の感じが優しいハート

 

最後に、川上屋さんへ。

今年初めての栗きんとんを食べて

馬籠宿の旅を締めくくりました照れ