以前一庫ダム周辺の国道173号旧道を紹介したが、今回はさらに北、兵庫県篠山市と大阪府豊能郡能勢町の境にあたる天王峠の旧道を紹介する。
その間には、はらがたわ峠も存在するが、これは調査不足により再訪の余地のある走り方をしてしまったため後日の公開となる。

今回は、電車で福知山線古市駅まで北上してからのコースとなる。

ケッター日記

なんか鉄道模型の「田舎の駅」みたいなこじんまりした駅。
通勤通学時間らしく、おっさんと高校生が少しずついたが、基本的にはガラガラのローカル駅。利用者が一日250人だとか(我が家最寄の福知山線川西池田駅は2万人以上)。嫌いじゃないぜ。

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古市駅からは、アプローチルートとして国道372号を東に向かう。この写真は当該国道が駅のやや西側の街を抜けていくところ。市道なみの狭さだ。バイパス早期実現がのぞまれているようだ。
ここを抜けると二車線の綺麗な国道になる。なぜか「デカンショ街道」と名づけられたその道は、ところどころに旧道跡を残しながら快適に東に向かってゆく。所詮アプローチルートやから無視無視。

余談だが、この道と並行するように、かつて国鉄篠山線が走っていたというが、1972年に廃止されている。昭和50年前後の地形図には運行休止中の路線として描かれている。
道中それらしき跡が見えたりもしたが、今回のメインではないので省略した。

飛曽山峠というさほど標高はないがすんげえ切通しの峠を越え、小野新交差点を右折すれば、件の173号に乗る。
ここからは左を眺めながら旧道への入り口を探し走るのだが、とりあえず地図をば。

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赤線で示したのが、第一区間。
現国道と並行するように、恐ろしく狭い区間が続く。
中間ぐらいで変なカーブで現道をまたいでいる区間があるが、これは現道の下を通っている。

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ここが分岐。通行止めの様子はない。
目印は、手前のため池だ。

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分岐地点から、北を向いて現国道を眺める。
現道はここから登っていくが、旧道はいったん下る。

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旧道の、一度目の現国道とのすれ違い箇所。田舎道やねえ。
対する現道。力強いねえ。
交通量も多い。

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道幅はそこそこあるが、けっこうガタがきている。

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高度を上げてくる地点。左下には田んぼがあり、このあたりまでは道も利用されている様子。
かつての国道(酷道)、狭くなってきた。
みなぎってきた。

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お、いい感じに廃道っぽくなってきたじぇ。

次回、第一区間の廃道目前地帯。
大阪府道4号茨木能勢線。
この道は、愛車1号痛シボレーではしんどすぎた。
かつて猪ノ子峠を紹介したが、実はあの前後、由緒正しき名月峠、最狂の敵野間峠、箕面の山をこえてきた。
まだ紹介していないのは、後日再訪し、完走することを目指していたからだ(前回は途中で43号に抜けた)。

あいつを走るには、峠用のチャリが必要だ。
給料が入ったので、中古屋に向かった。

ロードじゃない。高いし、旧道とかの段差とか弱そうじゃん。
MTBじゃない。ガチのは高すぎる。
クロスである。
あいかわらずケッターらしく、中途半端である。

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GIANTエスケープR3。3×8変速。
2ちゃんでなぜか神扱いされていた。
枚方の中古屋に売っているというのをネットで見つけ、店まで赴き29000円で購入。

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サイコンも新調。
前回のが雨で壊れかけ、復活したものの液晶の表示がやたら薄くなってしまったので、今度は防水ので。これも中古やねんけど。

ちょっと箕面の山を試走してみたが、やはり登りが楽。押す必要がない。
下りはそんなに変わらないか。ただ、踏んだときに言うことを聞く。ゆるやかな下りでより加速できる。快走しすぎて途中でRV車一台煽ってしまった(チャリに煽られる車ってどうよ)。
平坦な道では、平均時速5キロぐらいは違ってくる。本気で踏めば35キロぐらいは出る。

まああくまでロードじゃないんで、多少遅く走ってもいいかなって発想。日産GT-R乗って遅かったらダサいけど、スカイラインならあんま攻めんでいいとかそんな感じ。三菱ならエボとギャランフォルティスラリーアートぐらい。服装もなるたけ一般人っぽくするつもりだぜ。それがケッター。

愛車1号は、折りたたみの特性を活かし電車で遠出するときに使用する。サイコンによると700キロ以上ともに走ってきたことになるそうだ。とりあえずご苦労さん。

後日、4号線再チャレンジします。
変なタイトルだが、今回紹介する道は特に名前もないような道ゆえ、こんな感じで勘弁してもらいたい。

池田方面から国道(酷道だと筆者はおもう)423号を北上すると、最近できた有料道路「箕面グリーンロード」の出口がある。箕面市下止々呂美(しもとどろみ)という地名である。
長大なトンネルを使って、府道43号や4号、国道423号がぐねぐねと登っていくような厳しい地形をクリアしている有料道路、その北側出口のそのすぐそばに、地図によるととても細い名もなき九十九折道が描かれている。その先は池田五月山の有料道路ないしは丁字路を左折したら箕面川ダム方面である。
そこそこ古い道らしく、少なくとも昭和40年ぐらいの地形図には描かれている。
そのグネグネが少々気になったので、行ってみる事にした。

その道のスタート地点は、上述の通り下止々呂美である。
一車線の細い道をゆくと、グリーンロードのトンネル入り口が見える。

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真新しくかつやたらと長いトンネルが口をあけている。
こちら側出口に何があるんやろということを考えると、別に何もなかったりして、一般の人はあまり使わないような気がする。事実工事車輌や社用車のほうが多く通っているようだった。
ゆえにまあ、レアな景色ともいえるかな。

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この道は、大型車通行止めである。
たしかに、狭い。一車線ギリギリしかない。
使う人おるんかねえ。
基本的には静かな道ゆえ、誰も使わないのかと思いきやそこそこ車は通っていた。
おそらく、普通車600円もする有料道路をかわしつつ最短距離でいけるこの道を利用する人がいるんだと思う。
カーブが多くスリリングな道だがさすがに走り屋はいなさそうだ。なんぼなんでも狭すぎるもの。

ここから、かなり厳しい登りと九十九折が続く。
一般チャリが不可能な道ではないが、平らなところが少ないのでかなりつらい。
面倒くさくなってだいたいは押して歩いた。

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一応、廃道とかじゃない。

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ここはちょっと広くなったカーブ。

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ところどころ、景色はいい。

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伏尾方面。宅地造成中だと思われるすんげえ景色が楽しい。
自然破壊がどうのこうのとも言えそうだが、この場合は素直に「人間すげえ」って思ったり。

森林浴気分で気楽に登れるわりと静かな道ということで、このように名もなき道を紹介しているのだが、この道のもうひとつの面白さとしては、おぞましい量の不法投棄物がある。

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谷底が不法投棄で埋まっている。
不法投棄は犯罪であり、ちっともいいことだとは思わないが、それを眺めながら歩いていると古いもの好きにはちょっと楽しかったりもする。
景観を汚しているのは確かだが、ここまで多いともはやそれが一種の景観みたいだ。
もちろん、それが許された行為でないのは言うまでもない。

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ゾッとした。
車がまるまる落ちているではないか。
事故で転落したのか。
廃車代がもったいないからここに不法投棄したのか。
いずれにせよ、なんか怖かった。

もうええやろってぐらいまで登って、最後らへんに青看があってほっとする。

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直進は、五月山ドライブウェイを経由し池田方面。
左折、さらに登って下って箕面川ダム。

直進する。

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ここが峠ともいえる場所。ここまではずっと登り通しだった。

あとは、池田方面に向かって急坂を下る下る。時速50キロ以上でカーブにつっこんでいく楽しさ←スピード違反。
チャリには実に楽しい道だ。
五月山ドライブウェイ、チャリは無料みたいです。

とまあ、五月山の裏道を紹介したわけだが、たまにはどーでもいい道をのんびりと森林浴するのも、ありかねえと思わせる道だった。不法投棄のあまりの多さには笑ったけど。