ギンズブルク&ゴリデンヴェイゼルのラフマニノフ《組曲第2番》
Sergei Rachmaninow
Сергей Васильевич Рахманинов
Suite pour deux pianos no 2 Op.17
Suite für zwei Klavier Nr.2 Op.17
今日採り上げるのは、ラフマニノフの2臺のピアノの為の組曲第2番 作品17です。
此の曲は、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフが1900年12月から1901年4月に掛けて作曲したピアノ・デュオ曲です。
交響曲第1番の失敗に由る神經衰弱の為、前作《樂興の時》作品16との間には5年程のブランクが有ります。神經衰弱の克服後、當時親しく交際していたピアニストのアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルの為に最初に此の曲を作曲(獻呈)する事を思い立ち、此の組曲が作曲された時期に、ピアノ協奏曲第2番と同時に平行して作曲されています。
初演は1901年11月24日にモスクワに於いて、ラフマニノフ本人とアレクサンドル・ジロティのピアノで行われ、曲は1901年10月にグートハイル社から出版されています。
樂曲は4つの樂章から成り、組曲第1番に見られるエピグラフは無く、純音樂的な組曲と成っています。
- 第1楽章 序奏、アラ・マルチャ、ハ長調、2分の2拍子。
- 第2楽章 ワルツ、プレスト、ト長調、4分の3拍子。
- 第3楽章 ロマンス、アンダンティーノ、変イ長調、8分の6拍子。
- 第4楽章 タランテラ、プレスト、ハ短調、8分の6拍子。
今日紹介させて頂くのは、此の曲を獻呈されたアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルと其の弟子であるグリゴリー・ギンズブルクのピアノ・デュオに由り1948年に行われたセッション録音です。
硬質なタッチとイン・デンポに由る安定したリズム感とやや遲めのテンポ設定、旋律を纏綿と歌い上げると謂った傾向に於いてラフマニノフの演奏樣式に近いとされているゴリデンヴェイゼルと其の直弟子であるギンズブルクのデュオ演奏は、正に此の曲のお手本とも云うべきもので、作曲者の音樂を見事に體現したものであると云って差支え無いでありましょう。
演奏メンバーは以下の通りです:
Grigori Ginsburg&Alexander Goldenweiser (Klavier)
Григорий Гинзбург / Александр Гольденвейзер
(1948)