歯科医師にとって、腰痛は「職業病」と言っても過言ではありません。長時間、同じ姿勢で前かがみになり、顕微鏡的な精度を要求される作業を続けることで、腰や背中への負担が蓄積します。実際、国内外の調査では、歯科医師の約70%以上が腰痛を経験していると報告されています。そんな慢性的な悩みを軽減するための有効な手段の一つが「エルゴノミックチェア(人間工学設計チェア)」の活用です。

なぜ腰痛が起こるのか

歯科治療中は、患者の口腔内をのぞき込むために前傾姿勢を取りやすく、また顎や肩、腕も常に緊張状態になります。この姿勢を長時間維持することで、腰椎や骨盤周辺の筋肉に過剰な負担がかかり、腰痛が慢性化していきます。さらに、チェアの高さや座面の角度が合っていないと、体のバランスが崩れ、負担が偏ることになります。

エルゴノミックチェアの特徴

エルゴノミックチェアは、人の体の自然なカーブや動きをサポートするように設計されています。主な特徴として以下が挙げられます。

腰部サポート(ランバーサポート):腰椎の自然なS字カーブを保ち、背骨の負担を軽減。

座面の傾斜調整:前傾姿勢をサポートしながらも骨盤を安定させ、腰への圧力を分散。

高さと回転の自由度:治療のポジションに合わせてスムーズに調整でき、無理な姿勢を防止。

クッション性と通気性:長時間座っても疲れにくく、快適さを維持。

これらの設計が、治療中の姿勢を自然に整え、腰へのストレスを最小限に抑えます。

Ergonomische tandheelkundige microscoopkruk microchirurgenstoel met armsteunen verstelbare voetbediening

効果的な活用のポイント

ただ良い椅子を導入するだけでは十分ではありません。正しい使い方を身につけることが重要です。

座面の高さをひざ関節よりやや高めに設定し、骨盤を立てた状態で座る。

背もたれに軽く背中を預けることで、筋肉への負担を分散。

患者の位置を椅子に合わせる意識を持ち、無理に体を前に倒さない。

長時間同じ姿勢を取らず、1時間ごとに軽いストレッチを行う。

エルゴノミックチェアは、歯科医師の腰痛を防ぐための頼もしいパートナーです。体に合ったチェアを選び、正しい姿勢とメンテナンス習慣を身につけることで、「痛みを我慢しながらの診療」から「快適で集中できる診療」へと変わります。腰の健康を守ることは、長く現役で活躍し続けるための第一歩です。

 

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