国が行っても地方が行っても変わらない事業であれば圧倒的に地方が行ったほうが効率的で無駄な金をかけずに済む。

［日経］財務省が予算点検　「無駄遣い」廃止含め検討、計２１事業で要請　財務省は３日、国の予算の無駄遣いを点検する予算執行調査（２００８年度）の結果を発表した。調査を終えた５７の事業すべてで見直しが必要と指摘し、うち２１事業は廃止も含めた検討を各省庁に求めた。与謝野馨財務・金融担当相は同日午前の閣議で、来年度予算要求に見直しの結果を反映するように各閣僚に要請した。
地域で家庭教育を支えるモデル事業におカネを付ける文部科学省の「家庭教育支援基盤形成事業」（１０億３３００万円）。財務省は「国費を投入する必要性はない」と判断した。モデル事業に選んだ市町村の９５％が前の年度に同様の事業を独自に実施しており、これを国の事業に付け替えたにすぎなかったためだ。
乳がん検査の精度を引き上げる「マンモコイル」という器具を普及させる厚生労働省の事業（８億６６００万円）も、既にがん診療連携拠点病院の多くで整備済みだとして、廃止を含む見直しが必要だと指摘した。

財務省が昨年度に予算を配分した７３件の事業で予算の使われ方の調査したところ５７件でムダとの判定が出た。

つまり事業のうち７割以上が無駄という結果を示したのだ。しかも官僚組織といういわゆる身内での検査である。

５７事業の予算規模は約２兆１０００億円。この２兆円以上の規模について必要性や政策効果に疑問があるとした。

さらに１１事業は必要性がないとのことなのだ。これらの事業については廃止か一部廃止を含む抜本的な見直しを求める方針となっている。

契約に関しても８事業で問題ありとのことだ。「競争入札だが新規事業者が参加しにくい」ものが７事業あり、入札条件などを改めて競争性を高めるよう指摘した。

一つ一つ例を挙げると以下のようなものがある。

厚労省は乳がん検診の検査機器の整備事業でがん診療の拠点病院で８割近くが既に機器を導入し、また残りの病院も別の方法で検査していることから２００８年度に計上した約８億６６００万円のうち６億円の余った。

防衛省では、発射装置の切り替えに伴って旧型用の弾薬が４割も残り１発１０００万円のロケット弾１００億円分を廃棄、さらに廃棄費用に約６億８０００万円がかかった。

文科省では、地域の子育ての先進的な取り組みを支援するために約１０億３３００万円を計上したが実際に子育てサークルの情報誌の配布や学校の空き教室の談話室への利用で実用的に使われていない。

農水省では、２３億円を使って食育事業のポスターなどを３００万部作成してイベントを開催したがやりっぱなし状態で効果が現れていない。

多くの無駄遣い発覚により与謝野財務相も「編成過程で相当のチェックがされているが、価値判断の違いで生じるムダもある。明らかなムダは徹底的に排除する」と言わざるを得ない。

さらに省庁などの金の使い方についての調査でも公費出張で得た航空会社のマイレージポイントの私的利用を禁止・自粛している独立行政法人が全体の３分の１に止まっているのだ。

つまり３分の２は税金により貯まったマイレージを私的流用をしているとの結果なのだ。これに対してのお咎めは何もないのだろうか。

この調査結果を以って財務省は２０１０年度予算の概算要求などに反映するよう各省庁に要請することになっている。

今回は過去最多となる７３件の事業を調査しているが、継続中の１６事業の結果についても年末に公表する予定である。

しかしこのままの自助努力だけでは抜本的な無駄削減にならないことは明白だ。削減額が赤字額を上回ることがないのだから。

霞ヶ関が陥落させるには国の予算を省庁に配分せずぶん取って直接地方に配分するしかない。

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財務省の予算執行調査で５７事業が「無駄遣い」、２１事業で「廃止を検討」 時既に遅しか

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