オツカレです。

国の無駄を省くための政策を断行すればもっと危機感を持って仕事をするだろう。

［２７日　毎日］年金運用：損失５．７兆円　過去最大　厚生労働省所管の年金積立金管理運用独立行政法人は２７日、０８年１０～１２月期の年金資金運用結果を公表した。市場運用分は収益率マイナス６．０９％で、四半期ベースで過去最大の赤字幅となる５兆７３９８億円の運用損となった。０８年４～１２月期で８兆６７３８億円の赤字と、通期で過去最大の赤字だった０７年度の５兆８４００億円を既に上回っている。
年金資金は０１～０７年度で累積黒字が約１０兆３４００億円あったが、０８年４月からの９カ月間で約１兆６７００億円に目減り。株価は年明け以降も下落傾向にあり、年度末には黒字をすべてはき出してしまう可能性もある。
市場運用は、国内債券で１兆５１０５億円を稼いだものの、株式急落と円高が影響し、外国株は３兆４７６３億円の赤字、国内株は２兆６６３８億円の赤字を計上した。
同法人は財投債を含め計１１６兆６２９９億円（うち市場運用分９０兆４３４９億円）を運用。１０～１２月期は財投債で７９６億円の収益があり、運用資産全体では５兆６６０１億円（収益率マイナス４．６８％）の赤字運用だった。

こういう結果を招いた理由として決まり文句のように「リーマン・ショックに端を発した金融危機および実体経済への波及による急激な景気減速」が挙げられる。

しかしこの厚生労働省所管の年金積立金管理運用独立行政法人は世界最大の年金基金として認識されているのだ。

こういう金融危機にあってこそギガファンドの威力が存分に発揮できると考えるのだが。つまりそれほどハイリターンを追求しないという条件を付ければ安定的に運用できるはずだ。

お手本となるのがウォーレン・バフェットでリーマンショックの最中に潤沢は資金に物を言わせて企業への年利１０％という高金利巨額融資を成功させた。

この独立行政法人の運用実績は以下の通りである。

２００７年度（０７年４月－０８年３月）　約５兆８０００億円のマイナス
２００８年度（０８年４月－０８年１２月）約８兆６７３８億円のマイナス

２００６年度末に１４９兆円あった積立金がこの１年９ヶ月で約１４兆５０００億円の損失により約１割を失った計算となる。

また同法人の前身である特殊法人が市場運用を始めた２００１年度以来、四半期ベースでは最悪の赤字額となっている。

運用しているのはもちろん国民年金と厚生年金の積立金である。それをただ最悪の実績を出したという説明だけで済まして良いのだろうか。

今すぐに年金給付に影響が出ることはないがマイナス運用が続いていけば年金財政のさらなる悪化となることは明らかだ。

これに対して厚生労働省は「年金積立金は長期的な視点で運用することになっており、目の前の運用結果で判断すべきではない」とだけの説明だ。

また同法人の野島康一理事も「市場は短期的に見れば動きがあるが、長期的にはプラス運用を確保できると考えている」とだけの説明だ。

この結果を受けてもなお年金積立金管理運用独立行政法人はすぐに構成割合を大きく見直すことには否定的でいる。

理由は簡単で仕事が少なくなるからだ。こんな結果になっても首にするとか給与のカットとか全く心配がないのだから。

これでは誰のお金かなんて全く関係ないかのようだ。実際に長期の運用利回りが０．５％下がると年金の水準が約２ポイントも低下する事実があるのに。

さらに厚生労働省は年金財政の長期見通しでも経済は長期的には回復するとして１６年度以降の平均運用利回りを年４．１％と設定した。

詳細をみれば２００９年度が２．２兆円、２０１０年度は２．７兆円と２年間で５兆円もの運用収入を見込んでいるとのことだ。

過去の運用構成で失敗しているにもかかわらず、方法を変えず、トップを変えず、人員の入れ替えもしないままでは必ず失敗する。

それに昨日の記事で書いた米金融当局による金融機関の査定にあった標準的シナリオ分析からすれば考えられないくらい楽観的過ぎる。

税金の上に胡坐をかいている輩に給与を貰えるということのありがたさを説いても無駄になるのだが。

オツカレでした。

ぽちっとしてオツカレ～

年金運用で過去最大５．７兆円損失 独立行政法人は責任を取らなくて済むのか

年金運用で過去最大５．７兆円損失　独立行政法人は責任を取らなくて済むのか