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クシャミ

 ものすごくどうでもいい話だが、衝撃的だったので書いてしまおう。

 とある平日の深夜、晩酌のオトモでも買おうと思ってコンビニに飛び込んだ。そこのお弁当コーナーや惣菜コーナーでアレコレと摘み上げてはカゴにぶち込み、ついでにワインやビールなんかも無遠慮に小脇に抱え、いそいそとレジ前にできた人の列に並んだ。

 レジに並んでいたのは、俺を含めて4人。

 20代と思われるOL風の女性を先頭に、俺、30代くらいの女性、そしてパーマが取れかかった赤茶けたロングヘアーをした20代後半くらいの女性。そんな並びでありました。

 最初は、平和だった。

 しかし、俺の前の女性がコンビニ買いにしてはけっこうな量をカゴに入れており、レジの店員が少々手間取っている。でもまあ、さして急ぎの旅ではなかったので(家に帰るだけだろ)、俺は心静かに自分の順番がやってくるのを待ち続けた。

(早く帰っておちゃけ飲みたいなぁ~)

 そんなことを思いながら。

 しかしそのとき、思いもよらない大きな破裂音が、静かで平和だったコンビニ内の空気を震わせた。音をリアルに文字化するのは何気に難しいのだが、あえて書くと俺の耳に飛び込んできた音はつぎのようなものであった。

「エーーーっくショゥ!! んあああッ!!!」

 そうこれ、字面からなんとなくわかるかと思うが"クシャミ"の音である。必要以上に大きな音で、計ったら余裕で80~90デシベルくらいあったのではなかろうか。

 こういった音爆弾のようなクシャミ、中年以降のおっさんがよくぶっ放すでしょう。明らかにクシャミとは関係のない「チクショウ!!」とか「があ!!」とかいう語尾をつけて巨大な音を発生させる人、皆さんのまわりにもひとりやふたりはいると思う。でもそれは前述のようにたいがいがおっさんが放つもので、女性でこういった破壊的なクシャミをする人は滅多にいないと思うのだ。

 しかしこのとき、コンビニ内にいた男性は俺だけ。レジの店員さんもおばちゃんだ。となると自然に、重要参考人は俺ひとりということになる。でも神に誓って俺は、この瞬間にクシャミはしていない。もししていたとしても、「エーーーっくショゥ!! んあああッ!!!」なんていう派手な音は発生させない。い、いったい誰のクシャミなんだ……。そんなことを考えながら後ろを向くと、再び例の破裂音がコンビニの空気をビリリと揺らした。

エーーーっくショゥ!! んあああッ!!! ……チキショウ!!

 チクショウきたーーーっ!! しかも小さな声で吐き捨てるように「チクショウ」と言うのではなく、クシャミの勢いそのままに大声で「チキショウ!!」とぶっ放すのだから聞くほうはたまったものではない。笑ってしまうだろ!! 「チクショウ」じゃなくて「チキショウ」なのも、なんとなくポイントが高い。

 では誰が、このクシャミの犯人なのか。俺は振り向きかけた首をそのままグリリと回し、後ろに並んでいた女性2名をチラリと見た。その瞬間、口を押さえた赤茶けロングヘアーの女性が、ギロリと俺と睨んだ視線が目に飛び込んでくる。ひぃぃぃぃ。犯人はこの女性だ……。思わず震え上がって視線を外し、真後ろに並んでいた女性の顔をチラ見する。見ると彼女はほっぺたを膨らまし、いまにも「ぷぷっww」っと吹き出しそうな顔で俺の視線を受け止めた。そして、

エーーーっくショゥ!! んあああッ!!! ……があああ!!

 その日3発目の怪獣仕様のクシャミが、さいたま市の夜に轟いた。

 ……ここでは、こういうくだらないことばっか書きますので、よろしくお願いします(笑)。