小さい頃、夏休みになると毎年遊びに行った
ハチやクモやムカデに卒倒しそうになるわたし達の前に、素早く登場して
素手で(!)撃退してくれた
そんなパワフルな人だけど
血が大の苦手で、わたし達がころんで擦りむいたりすると
「病院!病院!!」
と誰よりも青ざめてあわててた
(しかも血が見えないように遠くの方で 笑)
大きな家に、愛犬ハチとふたりっきりで住んでた
数年前にあの家が取り壊されて、病院に移ったことを知ってたのに
なかなか会いに行けなくて
去年の夏にやっと会えたときは
黒かった髪が真っ白になってた
わたし達のことはもう覚えてなかった
たぶん会うのはこれで最後だろうと思ってたけど
ほんとうに、あの日が最後になった
わたし達のことを覚えてなくても
あのだだっ広い家を、小さな体で走り回る姿を
わたしは今でもよく覚えています
わたしのことは「お姉ちゃん」って呼んで
妹のことは「あっちゃん」
妹の名前に『あ』はつかないのに
大きな声で
「お姉ちゃん!あっちゃーん!」
あの明るく優しい声がだいすきでした
もうその声を聞くことはできないけど
一緒に過ごした時間も場所もにおいもすべて、
忘れることはありません
会えなくなるのはとても寂しいですが
向こうへ行って、ひとりきりじゃなくなると思うと少しほっとします
血の繋がりがあるわけでもない私たちを
家族みたいに受け入れてくれてありがとう
いつも私たちが喜ぶことばかりを第一に考えてくれてありがとう
今まで本当に、
ありがとうございました
またいつか会ったときは
あの明るい声を聞かせてね
2010.01.05



