2月12日、木曜の夜って、なんか独特じゃない?

冬の空気がまだちゃんと冷たくて、外に出ると息が白くなるんだよね。ああ、まだ2月なんだって、変に実感しちゃう。週末まではあと少しあるのに、気持ちはもうちょっと疲れてて。街もさ、動いてはいるんだけど、みんな自分の帰り道しか見てない感じで。なんだか余裕がなくて、話しかける隙もない空気。

うまく言えないけど、ああいう夜って、ちょっとだけ誰かと話したくならない?

この前もね、コンビニのレジで前に並んでた人が、マフラーぎゅって巻き直してて。それ見て「寒いですよね」って言いかけて、やめちゃったの。変かなって思って。私だけかもしれないけど、ああいう一言を飲み込む瞬間、なんかすごく寂しくなる。

別に深い話じゃなくていいのに。

「寒いね」
「今週長いね」
「木曜って微妙だよね」

それだけでいいのにさ。なのに正直なところ、ちゃんと笑ったり、相手のテンポに合わせたりする元気がもう残ってない日もあって。なんでだろうね。つながりたいのに、疲れてるって。

私、一人の時間はわりと好きなんだよ。ほんとに。
前に三連休ずっと家にいたことがあって、誰とも会わなくて、映画観て、適当にごはん食べて、それはそれでめちゃくちゃ楽だった。でも、三日目の夜、急にスマホ握りしめて、誰かのSNS眺めてたの。別に連絡する勇気はないのに。あれ、なんだったんだろう。

あとね、前にちょっと好きだった人と、二時間だけ会うって決めてカフェ行ったことがあって。最初から「今日はここまで」ってわかってたから、変に期待しなかったし、ちゃんと楽しかったんだよね。でもその後、「もっと一緒にいたかったな」って思った自分もいて。あ、でもこれって、終わりがあったからこそ、そう思えたのかも…?って後から気づいた。

うーん、うまく言えないけど。

ずっと続く関係じゃなくてもいい日って、ある気がする。
というのもね、前に「ずっと一緒にいようね」って言われたとき、嬉しかったはずなのに、同時にすごく怖くなったことがあって。なんで怖いのか自分でもわからなくて。でも今思うと、終わりが見えないことって、優しさでもあるけど、ちょっと重いんだよね。

だからかな。
最初から時間が決まってる関係って、ずるいけど、安心する。
逃げたいわけじゃないし、依存したいわけでもない。ただ、境界がちゃんとあるって、すごく大事な気がして。

私、前に距離を間違えたことがあってさ。
ちょっと優しくされたのを特別だって思い込んで、勝手に期待して、勝手に疲れて。向こうはそんなつもりなかったのに。あれ、ほんとに消耗した。期待って、膨らむと止まらないんだよね。境界がぼやけると、どこまでが役割で、どこからが本音なのかわからなくなる。

みんなはどうなんだろう。
特別扱いされたいって思う?
それとも、静かにちゃんと向き合ってくれたらそれでいいって思う?

私ね、最近やっと少しだけわかってきた気がする。
“特別感”とか“優遇”って、確かに嬉しいけど、それだけじゃ足りない。というか、それだけだと、後から空っぽになる。あるとかないとか、多いとか少ないとか、そういう話じゃなくて。

限られた時間の中で、ちゃんと向き合ってくれたか。
そのとき、ちゃんと私を見てくれてたか。
無理に盛り上げなくても、沈黙が気まずくなかったか。

そういうののほうが、ずっと残る。

木曜の夜ってさ、週末ほどの解放感もなくて、月曜みたいな緊張もなくて、ただ中途半端に静かで。だから余計に、自分の気持ちが浮いてくるんだと思う。

つながりたい。でも疲れてる。
一人は楽。でも少し寂しい。
期待は怖い。でもゼロも嫌。

矛盾だらけだよね。私もそう。今もそう。

だから今日は、何かを決めなくていい気がしてる。大きな約束もいらないし、未来の話もいらない。ただ、「今この時間だけ」って決めて、そこにちゃんといる。それだけでいいんじゃないかなって。

あなたがどこかにいるって、想像するだけでいい。
本当に会えるかどうかとか、続くかどうかとか、そういうのは置いといて。

この冷たい夜が少しずつ深くなっていくのを、同じ空の下で感じてるかもしれないって思えたら、それだけで、なんだか呼吸が楽になる。

私だけかな。
でも、こういう木曜の夜、あなたにもあるんじゃない?

2026年2月11日、水曜日。祝日。
朝から雨。カーテン越しの光はあるのに、空気はずっと鈍色のまま。

冬の冷たさにも、もういちいち驚かない。
「寒いね」と言う元気すら、どこかに置いてきた感じ。

人と話したい気持ちは、ちゃんとある。
既読がついて、返事が返ってきて、自分の言葉がどこかに届いたと分かるあの感覚。
あれがないと、世界がやけに無音になる。

でも、関係を育てる体力は別問題。
返信の温度差を気にして、空気を読み合って、少しの誤解を回収して。
そこまでやる余力が、いまは正直ない。

一人は楽。
静かだし、誰の期待も背負わなくていい。
この楽さは本物。

ただ、楽が続きすぎると、
誰にも触れていない時間だけが残る。
孤独というより、存在が少し薄くなる感覚。

全部を共有しなくていい関係。
最初から終わりが決まっている時間。
その枠の中だけ、きちんと向き合う距離。

逃げでも依存でもない。
線を引いたうえでの関わり。

祝日なのに特別な予定はない。
雨音だけが一定のリズムで落ちてくる。
気持ちはまだ、どこにも着地していないまま。

 2月10日、火曜日。朝の空気は冷たくて、部屋の中に昨日の疲れが、まだ残ってる。誰かと話したい気持ちはある。でもそれは、分かり合いたいとか、癒されたいとかじゃない。ただ、沈黙を破る程度の刺激が欲しいだけ。一人でいるのは楽。説明もいらないし、感情を整える手間もかからない。だからこそ、余力がない朝には最適。ただ、その静けさに慣れすぎると、人と関わるためのエネルギーが、ますます貯まらなくなる。深く関わらない関係。最初から距離が決まっていて、その範囲以上は踏み込まない。感情を節約したまま、人と触れるための仕組み。火曜日の朝は、まだ省エネモードのままで、最低限の人間らしさだけを、確保しようとしてる。

誰かを誘うのが、ほんとに苦手。
苦手、って言葉で片づけていいのかも、正直よくわからないけど。
もう性格というより、癖に近い気がしてる。

「今度飲みに行かない?」
この一文を送るだけで、何時間もかかる。
スマホを持ったまま、文章を打っては消して、
既読がつく未来を想像して、勝手に心臓が重くなって。
気づいたら画面が暗くなってて、
あ、もう今日はいいや、って。
結局なにも起きなかった一日にする。

これ、私だけかもしれないけど、
誘うってすごく高度な行為だと思ってる。
自分が「行きたい」だけじゃ足りなくて、
相手の「行きたい」と、
「私と行きたい」が、
ちょうどいいところで重ならないと成立しない。
その重なり具合を、聞きもしないのに想像して、
勝手に不安になって、
勝手に諦める。

断られるのが怖い、というより。
正直なところ、
「誘われて迷惑だったかも」って思われるほうが、ずっとしんどい。
あ、でもこれって、
自意識過剰なだけなのかな。
みんなはどうなんだろう。

だから、基本ひとり。
ひとりは楽。
誰の顔色も見なくていいし、
帰りたいタイミングで帰れるし、
沈黙を自分のせいにしなくていい。
コンビニで好きなものだけ買って、
誰にも気を遣わずに帰る夜は、わりと好き。

でもね。
正直なところ。
ずっとひとりで平気、って言えるほど、強くもない。

たまに、ほんとにたまに。
あ、今日ちょっと誰かと話したかったな、って夜が来る。
もう遅い時間に。
誰にも連絡できない時間帯に。

そんなときに知ったのが、「ふたりしずかに」だった。
レンタルフレンド。
言葉だけ聞くと、正直ちょっと引いた。
お金で友達を借りるって、どうなんだろう、って。
自分が弱ってる証拠みたいで。

 

 

 


でも同時に、
ああ、これ、私みたいなのを想定して作られてるんだろうな、
とも思った。

誰かを誘う勇気はないけど、
誰かと一緒にいたい気持ちは、まだ消えてない人。
あ、これ、私だなって。

でね。
相席屋に行ってみよう、と思った。
相席屋そのものが目的だったわけじゃなくて、
「誰かと一緒に行く」という体験を、
一度ちゃんとやってみたかった。

ひとりじゃ入れない場所。
でも、友達を誘うのは無理。
じゃあ、レンタルでいいじゃん、って。
……この思考、ちょっと冷めてるよね。
自分でもそう思う。

当日、待ち合わせ場所に来たフレンドの人は、
私より少し年下に見えた。
落ち着いてて、話し方もゆっくり。
テンション高すぎないのが、正直ありがたかった。
最初から「盛り上げます!」って感じだったら、たぶん逃げてた。

でも、最初はずっと変な感じだった。
この人、仕事なんだよな、って、
頭の片隅でずっと思ってる。
楽しそうに笑ってくれても、
「これは演技?」って疑ってる自分がいて。
うまく言えないけど、
心が半分だけしかそこにいない感じ。

相席屋に入って、テーブルに案内されて。
少しして来た男性二人組。
スーツ姿で、仕事帰りっぽかった。
年齢はたぶん、同世代か少し上。

最初の会話は、無難。
仕事何してるんですか、とか。
この店初めてですか、とか。
教科書に載ってそうなやつ。

私はほぼ聞き役。
というか、相槌担当。
正直、話題を広げる元気がなかった。
頭の中で、
あ、次なに言えばいいんだろ、って考えてばっかり。

でも、レンタルフレンドの彼女が、
ほんとうまく間を埋めてくれる。
私が黙ると、自然に話題を変える。
誰かを下げることも、
無理に持ち上げることもない。

すごいな、って思った。
あ、これ、技術なんだろうな、って。
経験と訓練の積み重ね。

途中で、
「こういう店、よく来るんですか?」って聞かれて、
私はちょっと詰まった。

正直に言うと、
初めてで、
人を誘うのが苦手で、
今日はレンタルフレンドと来てて。

全部言う必要なんてなかったのに。
なんか、正直に言ってしまった。
口が、心より先に動いた感じ。

空気が一瞬止まった。
あ、やっちゃったかな、って思ったけど、
相手の一人が、
「それ、全然アリじゃないですか」
って言った。

その言い方がね。
同情でも、茶化しでもなくて。
ただ、そういう選択もあるよね、みたいな。
事実として受け止めてる感じで。

なんか、胸が少しだけ軽くなった。

でも同時に、
あー、私、
“説明しないと成立しない存在”なんだな、
って思ってしまって。
ちょっとだけ、しんどくなった。

楽しいかどうかで言えば、
たぶん、そこそこ楽しかった。
笑ったし、
会話も途切れなかった。

でも、帰り道で、
「じゃあまたね」って言われたとき、
なんとも言えない気持ちになった。

また、は、ない。
たぶん。

フレンドの人と駅で別れて、
一人になった瞬間、
どっと疲れが出た。
体より、気持ちのほうが先に。

レンタルフレンドって、どうなんだろう。
便利だった。
助けられた。
でも、完全に割り切れたわけじゃない。

友達じゃない。
恋人でもない。
仕事としての優しさ。

それを分かったうえで、
それでも一緒にいてよかった、って思ってる自分もいる。

これ、逃げなのかな。
それとも、ちゃんとした選択なんだろうか。
正直、答えは出てない。
たぶん、しばらく出ない。

でも、
誰かを誘えない自分を、
少しだけ責めずに済んだ夜ではあった。

私だけかもしれないけど。
同じように、
「誘えない」ことで止まってる人、いるよね。

うーん。
また行くかは、わからない。
でも、
「行ってみた自分」は、
思ってたより嫌いじゃなかった。

 

 

 


今日は、それでいいことにする。

うーん。
今日はね、2月4日の水曜の夜。
外は曇ってて、寒くて、風だけがやけに正直でさ。
なんか、気持ちまでそのまま外に出ちゃいそうな夜だった。

正直なところ、
誰かとつながりたい気持ちは、ちゃんとある。
これは嘘じゃない。
でも同時に、もう少しだけ静かでいたくて。
LINEを開いて、閉じて、また開いて、結局なにも送らない、みたいな。
あれ、私だけかもしれないけど、あの感じ、すごく疲れるんだよね。

今日もそれやってた。
昼休みにスマホ見て、
「あ、この人に送ろうかな」って一瞬思って、
でも、返事が来たあとの会話を想像したら、
うまく言えないけど、胸の奥がちょっと重くなって、やめた。
嫌いとかじゃない。
むしろ好き。話したい。
でも、今日はそこまで行く元気がなかった。

一人は楽。
これも本当。
誰にも気を使わなくていいし、沈黙も自分のものだし。
前にさ、休みの日に一日中ひとりでカフェと本屋をぐるぐるしてたことがあって。
そのときは「最高じゃん」って思ってた。
自分のペースだけで生きてる感じがして、ちょっと誇らしかった。

でも今日は違った。
夜になって、急に、
「あ、今日一日、ほんとに誰とも話してないな」って実感だけが、遅れてきた。
別に悲しいわけじゃないのに、
でも、なにも感じないわけでもなくて。
安心と寂しさが、同じ椅子に座ってる感じ。
ぎゅうぎゅうじゃないけど、譲り合ってもいない。

水曜の夜ってさ、
誰も本気で集まらないじゃん。
週末には遠いし、月曜みたいな緊張もない。
だから余白だけが目立つ。
前に、水曜に誘われた飲み会を断ったことがあって。
そのときは「めんどくさいな」って思ったのに、
断ったあと、家で一人でカップスープ飲みながら、
「今ごろ、あの人たち笑ってるのかな」って考えてた。
行きたかったのか、行きたくなかったのか、
正直、今でもよくわからない。

深く入り込む関係は、今日は無理で。
でも、完全に閉じるほど、割り切れてもいない。
あ、でもこれって、ずっとこうなのかもしれない。
全部欲しいわけじゃないけど、
なにもないのも、ちょっと違う、みたいな。

というのもね、
前に「短時間だけ会う」って決めて誰かと話したことがあって。
最初から終わりが見えてるから、変に期待しなくて済んで、
その分、ちゃんと相手の声を聞けた気がした。
逃げでも代わりでもなくて、
期間があるから、触れすぎない距離。
あれはあれで、悪くなかったなって、今になって思う。

みんなはどうなんだろう。
水曜の夜って、なにしてる?
誰かと話してる?
それとも、私みたいに、
一人で静かに考えすぎてる?

今日はね、意味を決めないって決めた。
寂しいとも、満たされてるとも、言い切らない。
このままの気持ちで、
夜が静かに進んでいくのを、ただ見てる。
たぶん、それでいい気がしてる。
なんだか、そんな夜。