こぼれたつぶやき -4ページ目

残業

 深夜の会社にひとり。



 静かだ。


 パソコンのかすかなうなり。



 今夜は救急車がよく通る。




よくできました

大根とにんじんの炒め煮。


なかなか色よく出来た気がする。


辛いのが好きなので、鷹の爪はまるまる2本入れる。種も。
ごはんにあうんだな。

明日はお弁当に入れて行きます。




京都の味

今回の旅で行った喫茶店は三店。


スマート珈琲
喫茶ソワレ
六曜社


それぞれに、京都の街に溶けこんでいて、なにも特別ではなく全くの「普通」なのだった。

「普通」であることは、とても難しくて大切なことだ。


スマート珈琲と六曜社で、少しずつ豆を買って帰ってきた。


一杯ずつひいて、飲み比べ。

飲みやすく親しみやすいスマート珈琲と、苦味ばしった男の味わいの六曜社。
どちらも美味しい。


わたしにとって京都の味は、香ばしい。

紙・紙・紙!!

紙が好き。


切手、ラベル、はがきにノート。
本だって紙だ(電子ブックなんてクソクラエ、だ)。


今日は気に入りの古書とがらくたのお店へ行く。
地元のデパートのしおりセットを発見し、なんの意図があって作られたのか気になりきいてみる。
すると紙好きつながりで話が大いに盛り上がり、出る出る、未整理の掘り出し物ざくざく。

傑作だったのは草津温泉の男湯の絵はがき(油がういていそうな!)と、江戸か明治期に作られたと思われる顔学の本。
「下賤の相」「至って下賤の相」なんてあるのだ! 絵入りで!


気がつけば9時過ぎ。
市内の古書店を地図つきで教えてもらった。
紙あさりは楽しい。また遊びに行こう。

復路チャイナ

さて、今回の旅を振り返れば、「文化系サークル風味乙女チック喫茶ツアー」だったわけです。


またの名を「乙女は体が資本(?!)てくてく棒脚ツアー」とも。


まあ、旅の概要はまた書くとして、今は帰りのバスの中。
ものすごい渋滞。
こんなとこまでてくてくのろのろしなくても。


行きはアメリカ 帰りはチ ャイナ

高速バスで京都へ向かう。


バスの座席を取った時、窓口の人はどこかに電話をしながら
「…はい、往路4番アメリカ、復路2番チャイナ」


アメリカ? チャイナ?


渡されたチケットを見て納得。席番号のことなのだった。


というわけで現在わたしはアメリカに座っている。


それにつけても気になるのは、B席とD席はどこの国なのかということ。

記念日

誕生日だった。


祝日生まれなので、生まれてこの方、自分の誕生日に学校やらなにやらに行ったことがなかった。

しかし、就職した会社はしっかり通常営業。
朝から雨。
巻いた髪は湿気に負けてうなだれる。


ため息混じりにパソコンを打つ。
誕生日だからと言って、何か特別なことがあるわけでもない。




夜、
仲のいい講師がケーキを抱えてやってきた。
白いケーキにベリーが山ほど。
たちまち即席の誕生会。

びっくりしたのは、上司から、自身が使わなくなったからとLOMO CMEHA35 をプレゼントされたこと。

おめでとうと言われて、素直に嬉しい。

残業、帰宅は午前3時。
ペダルを踏む足は軽い。

カバンにはLOMO、ケーキの甘い味。
明日からは連休。

やめよう

 「休日は、日がな一日スロットをしてる」




 スロット!



 騒音と煙草にまみれたあんな場所に、一日中!




 考えられない。

 だめだ、やめよう。

はりねずみ

 この数日、親しい人たちからの手紙が届いている。



 ぐったり疲れて帰り着き、ポストをあけて封筒を見つけるときのあのうれしさ。




 ありがとう。


 ゆっくり返事を書きます。

トニー滝谷

 トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった。



 村上春樹は好きだ。

 あの、乾いた、温度の低い世界。

 

 彼の世界の中で、孤独はいつもふわりふわりと軽く漂い、親しげにそこに座ったりしている。



 

 やあ、元気かい。




 映像の中にもその孤独は漂っていて、影のようにトニー滝谷や、彼の妻に寄り添っている。

 でも、トニー滝谷の孤独を、わたしは共有できない。

 共有できない孤独は作品を通して少しずつ私の中に沈殿していき、エンドロールで静かにわたしの中からあふれる。


 そしてあふれた孤独はわたしを抱きこみ、言うのだ。




 やあ、元気かい。