先日、「凶悪」と言う映画をDVDで見た。

あまりにも残酷過ぎて、残酷シーンは早送りしながら見た。

それでも2、3日悪夢を見続けて、ずっと寝不足状態。

基本的に映画は娯楽なので・・・・
精神がすり減るような内容の映画は一切見ない事にしている。

ハリウッド映画も見ないし。。。。
人がバサバサ殺されるとか・・・・
愛憎とか、、、、ホラーも見ない。

では何を見るのか?と聞かれることもしばしば(笑)
ホントですよね~(^^;)

勧善懲悪でハッピーエンド、、、のほほんと進む
そんなストーリーがベストです。

映画の見る意味ないし・・・と言われる事が多々あります(^^;)

今回は友人から勧められたからと言う安易な理由で借りてしまったのです。

初めから、えぐ過ぎでした。

「悪」っていったい何???と、自分の中にある悪と善の境界が分からなくなる「悪人」がいっぱい出てきます。

悪い良いの二元性云々と生ぬるい事を言っている場合ではなく、「悪い人」と正面切って言える人の悪行を見せ続ける映画です。

観ていて、本当にいや~な気持ちになり、カラダはおも~くなり、疲れ果てました。

映画の紹介で悪人役のピエール瀧さんが


「凄く重たい話だし、観終わった後モヤモヤとすると思います。そして誰かにこの気持ちを吐き出したくなる、吐き出して自分が楽になりたくなると思うそんな映画です」(^^)


と笑顔でおっしゃっていましたが、、、、、

その通りで、ブログに書きたくなる映画でした。

これって映画館でお金を払って、時間を費やして観る価値ってどうよ??と思うほどです。

しかし・・・・・なんとか命を削って最後まで観てみると。。。。
深いわ~( ゚Д゚)と感心させられました。

人は一体、どこまで残酷になれるのか?
人の心ってどこまでえげつなくなれるのか?

誰の心にも残虐性ってあるのか???
いや・・・あるよね・・・

正義を貫けば悪に簡単に転じる・・・??

そういう問いに答えるべく、凄まじい方法で表現していく映画です。

サイコパスと違って、映画「凶悪」で表現されている悪人達は人を殺すということが快楽と言う事ではなく、人を殺す事で発生する金に狂っている悪人である。

快楽殺人者の心の穴を埋めるモノと、金銭目的の殺人者の心の穴を埋めるモノは違うのでしょうね。

心の虚無は同じでも、心の穴の形が違う。

それに彼の心の中が虚無であるかどうかもわからない。

同じ殺人でも前者はただ人を殺したいと言う欲求に突き動かされている。

人が死ぬ事にエクスタシーを感じてしまう。

後者は人を殺した後に発生する金銭で自分の欲求を満たすことが目的。

どちらも一種のドラッグ的役割を担う。

私にはそのドラッグの快楽と言うのはわからないが・・・・

こういった事件が起きた時、社会は殺人者の更正を考えます。

さっきの穴の話に例えると、事件を起こした人は、その人が穴に落ちたとして捉え、その穴から這い上がる事を更生とするならば・・・

どうすれば彼ら、彼女らはこの落ちた穴から這い上がる事ができるのか???と考えるのです。

もしかするとこれって大きなお世話なんじゃーないのか??とこの映画を見て思った。

はじめの捉え方が間違っているような気がするのです。

這い上がる必要なんてない。

手段は選ばすただ金が手に入る事が快楽、人を殺す事が快楽とするならば、それは趣味嗜好の一つであると捉える。

走っていると気持ちいいから走る。

泳いでいると気持ちいいから泳ぐ。

高い山に登ると気持ちいい登る。

エクスタシーの強度は多分、殺人とは全然違うと思いますが(笑)

行為に至る発露は同じ処からなのかもしれません。

なので様々な趣味として、それらの行為がその人の趣味嗜好とするならば更生させる・・・と言うとらえ方では問題の解決にはならない。

穴から這い上がるという発想が彼達にはないから。

穴の中にいることが好きなわけですからね。

まして私達から見れば、それは大きな穴でも、本人からしたら穴じゃ~ないかもしれないのです。

いやおそらく穴ではありません。

エクスタシーを感じさせてくれる魔法の万華鏡の中にいると思っているフシがある。

善と悪の概念が違うのですよね。

ただ走る趣味と殺人の趣味の大きな違いは人を巻き込むと言う事です。

これは大きな違いです。

相手にとっては大きな迷惑で恐怖です。

決して肯定できるものではありません。

凶悪に出てくる悪人は最悪な人間像ですし、正義を貫く側にも同じ匂い感じます。

どちらも精神が破綻しています。

そういう人はどんな時代にでもいるのですが・・・・・・

私は思うのです。
やはり人を殺してはいけないと。
理由はありませんが、やはりいけない・・・・・・
批判があるとは思うのですが、あえて書きますが、
どうしても人を殺める行為に突き動かされるならば、紛争地域に職業軍人として行けばいい。

サイコパス的嗜好があり、他人の人体を傷つけたいのならば必死で勉強して解剖医になればいい。

毎日嫌と言うほど人体を解剖できる。


でも、そんなポジティブ精神構造にはないでしょうね。

自分の趣味思考を職業にすると言うポジティブなベクトルに持っていく能力がないからそうなるのでしょうし。

「凶悪」はあまりお勧めはできませんが、良い映画でした。

悪人を演じているリリーフランキーさんもピエール瀧さんも俳優が本職ではないのに、すごく良い味の演技をしていました。

この人達、プライベートも悪人じゃねぇ~と思わせるほどの悪人ぶりに感心させられました。



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