悪者と思われがちな「油」

油は肉、魚、野菜、様々なものから摂取できます。

現代は油分で摂取する事が一番多い。

スイーツ、天ぷら、から揚げ、トンカツ、ポテチ、フライドポテト、ジャンクフード系など油を使った料理が現代には満ち溢れていて、これらの物を三食食べていると脂質過多になって然り。

朝はパンにバターやマーガリンをたっぷり塗って食べ。

昼はとんこつラーメン

夜は焼肉やトンカツなど・・・・・

脂質中毒国家になってきているのが現状です。

昨日も書きましたが、だからと言って脂質が悪いと言う事ではありません。

食べ過ぎるから病気になり。。。。悪者化していくわけですよね。

ただ脂質は人間の脳が喜び快楽に感じる力がある。

だからみんな脂質を好むわけです。

さて・・・・脳が喜ぶ脂質はどういう性格を持っているのでしょうね。

脂質は、非常に大きなエネルギーを持っていて1gあたり9kcalもある。

そのエネルギー量は糖質の2倍以上。

ちなみに栄養学的に言えば、中性脂肪は1kgあたり7200kcalものエネルギーの塊。

これは、ジョギングを24時間くらい走り続けてやっと消費できるほどの、膨大なエネルギーの塊です。

たとえば、60kgで25%の体脂肪率の人は、15kgもの脂肪を蓄えていることになります。

なんと!108000kcalもの、信じられないほどのエネルギーを蓄えていると言う事になります。

これだけなぜ必要なのかと言いますと・・・・・

人間は、体温を調整したり、内臓を活動させたり、脳を動かしたりといった生きていくための基礎代謝という活動を行っていて、その働きをする為には相当のエネルギーが必要なのですね。

脳は糖質を利用しますが、その他の機能のほとんどが、この中性脂肪をエネルギー源として使っています。

基礎代謝は、性別、年齢、体重によって違いはありますが、だいたい1500~2000kcal程度必要。

大脳の消費量は基礎代謝の30%程度ですので、残り70%の生きていくためのエネルギーは中性脂肪から取り出していることになり、毎日1000kcal以上ものエネルギーを中性脂肪から取り出していることになります。

生きているだけで、毎日4~5時間ジョギングで消費するくらいの中性脂肪を消費していると言うわけです。


これだけの大量のエネルギーを必要する、不効率な生きものが人間と言うわけです。

また人間の身体機能は生存を目的とする為に、できるだけ溜め込む機能を持っているのです。

まして中性脂肪は糖質と違い、いくらでも溜め込むことが可能。

だから脂質を過剰摂取すれば太ってしまう。

逆に言えば、過剰に摂取しなければ、どんどん中性脂肪は減っていくので痩せていくと言う身体システムになっているわけです。


最近でこそダイエット方法として糖質制限と言うのがありますが、今までは脂肪を減らす事がダイエットになり、また病気の根源が油分だと言う事で、、健康や肥満の敵として脂肪が位置づけられていた経緯があります。

健康の為、油分は控えましょう・・・・と言うキャッチフレーズはみんなの頭の中にこびりついている思想と言えるのではないでしょうか。

しかし何度も言いますが油=害ではないのです。

要するに過剰にとりすぎるから問題であって、決してカラダに悪いものではありません。

反対にとってもとっても大切な栄養素であり、必要不可欠なものなんです。

「油は健康を害するもの」
「油は摂らない方がよいもの」

この間違った認識はいつから始まったのでしょうか?

やはり企業の戦略によるものが大きいと私は考えるのですが。。。。

低脂肪・低カロリー・・・これをうたった商品はなんでもよく売れるそうです。

なので余計に脂質・・・油を悪人に仕立て上げると言う構図を作り私達は上手に洗脳をされて、油悪人説を信望するようになったのでしょうね。

しかし前述したとおりに油は悪人でも善人でもありません。

生体にとっては必要不可欠な栄養素

ただそれだけです。

動物実験で無脂肪食で育てられたネズミが、「成長が止まる」、「子供が出来ない」、「しっぽの皮膚がうろこ状になってしまう」、などが起こるデータを見ると、どれだけ脂肪が重要な栄養の一つかと言う事がわかります。

この成長が止まる、子供ができない、皮膚の再生ができないと言うのは、成長ホルモンが分泌されなくなる、女性・男性ホルモンが出なくなる、細胞膜の成分が供給されなくなるなどのことから起こっているわけです。

ホルモン系は脂質が大変重要になってきます。

要するに人間にも同じ事が言え、脂質をバランス良くに摂らないと成長障害やアトピーなどの問題が増えると言う事なのです。

現代は不妊も増えていると言う事ですが、若い頃からダイエットをし、脂質を始めとした栄養素を充分にとらなかった事が原因の一つかもしれませんね。

油に対しての変な固定観念を捨てる事ができれば、次はどのように油を摂るのかと言う事です。