我が家の10mくらい先に昔ながらの豆腐屋さんがありました。


お店の中で早朝から豆腐を作っていて、玄関先で豆腐を売ってました。


ただお店が小さい割に中の豆腐を作っている場所が大きいので、恐らくスーパーなどに卸していたのだと思います。


半畳くらいのスペースに豆腐、厚揚げ、薄揚げ、おからドーナツ・・豆乳など、大豆製品が並んでいました。


私も時々そこで買ってました。


毎朝、そのお店の前を通って駅に向かうのですが、寒い日も暑い日も変わらず大豆の匂いがプンプンしていました。


昔、懐かしい感じです。


小さい頃は自転車で豆腐を売りに来て、鍋を持って買いに行きました。


「引き売り」と言うヤツですよね。


今でもあるのは焼き芋・・・・ですが、昔は・・・・


小学校の前で、水飴の引き売りが来てて、水飴で色々な形を作ってくれて、それを舐めながら(買い食いですけど)家に帰ったもんです。


それに・・・ポン菓子です。


米を持っていくと、機械に入れて「パン!!!」と大きい音がなったら甘いお菓子がでてくる。


大阪の下町で、そこそこ都会でしたら、魚の行商とかはなかったですが、田舎の友人のハナシを聞くと、魚やシジミ、野菜などの引き売りもあったとか・・・


豆腐のハナシに戻します。


そんな昔ながらの豆腐屋さんが昨年、お店を閉めました。


ご近所さんのお話を聞くと、もうだいぶ前から経営が苦しかったようです。


昔から人通りの少なかった場所ですから、小売りの売り上げが落ちたわけではない・・・・・・


恐らく大手スーパーなどの卸しがうまくいかなかったのかな~なんて漠然と思っていました。


そんな中、先日ニュースでやっていました。


豆腐業者が倒産や廃業に追い込まれるケースが増えていると・・・・・。


あ~こういう事だったのね~と腑に落ちた。

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大豆価格の高騰に加え、スーパーから値下げを求められるなどして経営が悪化し、豆腐業者はこの10年間に全国で約5000軒が廃業。


今年8月に破産申請をした都内の業者は「365日丸々働いても利益が出なかった」と苦しい日々を打ち明けた。


1957年創業の豆腐業者「仙台屋本店」(東京都三鷹市、8月に自己破産申請)の及川英一さん(37)は、大学を卒業した3年後から、祖父が開業した同店で父親とともに働いてきた。


従業員は最大20人で1日2000丁を製造してスーパーに卸すほか、10年前には杉並区のJR阿佐ヶ谷駅近くなどに三つの直売店を開設。豆腐を加工した食材なども手がけ、好調な時は年4億円を売り上げた。


だが、5年前から輸入大豆の価格が高騰。


豆腐の一部を別の業者から安く仕入れて費用を下げるなどしたが、3年前には3店舗とも閉鎖。


デフレの影響でスーパーからも値下げの要請を受けたが、経営が苦しいため、むしろ値上げしてほしいと相談すると、取引が打ち切られた。


スーパーの中には協賛金の名目で売り上げの7%の「上納」を求めたり、売れ残った分は買い上げてくれずに丸ごと負担させたりするところもあった。


今年になって、外国産大豆はさらに値上がりし、1~9月末の平均価格は1キロ当たり84・2円で、この10年で最高値となった。国産大豆もそれに合わせて値上がりし、経営を圧迫した。


給与の支払いも遅れ、6月になると従業員も5人にまで減った。


及川さんは「365日丸々働いてももう利益が出ない。


事業継続は厳しい」と伝えると、残った5人からは「我々も休みをつぶして働くから、何とかならないか」と懇願された。だが、事業が好転する可能性はなく、8月に自己破産を申請した。


及川さんは、「豆腐の安売りが激しくなっており、どこも経営が苦しい。適正な価格でスーパーに卸すなど販売価格を見直さないと、豆腐屋はいずれなくなってしまう」と吐露した。

          
厚生労働省の集計では、全国の豆腐業者は12年度は9059軒となり、03年度(1万4016軒)より4957軒減った。


全国豆腐連合会(東京)は、来年4月からの消費増税分を価格に転嫁できるよう流通業界に理解を求めている。


同会は「年間500軒のペースで業者が廃業している。食の安全、安心を守るためにぎりぎりの経営を続けていることを知ってもらたい」と話している。


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恐らく、豆腐屋に限らない。。。。


個人商店の小売業や、個人商店の飲食業の経営はかなり厳しい状況なのでしょうね。


スーパーマーケット・・・・コンビニ・・・・


便利ですが・・・・そういう裏側もあると言う事を知るにつけ・・・・


私達は一体、どこに向かっているのだろうと考えてしまいます。


私達は便利に生活したい為に色々なものを開発してきた。


そしてそれは改良に改良を重ねて、今の社会がある。


100円ショップでしか買い物をしないと言う人もいるほど。。。


デフレからの脱却なんて無理でしょう。


物はどんどん安く安く・・・・と底がないかのように安くなっていく。


こんな物まで100円であるの???と思うようなものが100円ショップに並んでいる。


通常200円以上するような電池でさえも100円ショップで売っている。


いいのか???と疑問に思うほど。

でも、、、、それを知ってしまえば、電池は100均以外で買わなくなるのは当たり前。


安ければいいという消費者のニーズに乗っ取り、ビジネスは動く。


食品偽装もそういう影響を受けているのでしょうね。


安全、安心である為にはそれなりに経費はかかる。そういう事をわかっていても安ければそちらを買う、そちらを食べる・・・・・


しかし高ければ良いと言う事でもない。


いやはや難しい世界に突入したものですね。


どうしてもお金に振り回されてしまいがちですが・・・


私達は何のために生きているのかと言う事をちゃんと考えていければいいなと思います。


お金の為に生きるのではなく、生きる為にお金を使う・・


そういうイノチを生きていきたいと思います。