昨日から社会は本格的に始動しています。


なんだかいっきに空気がせわしなくなってスゴイスピードで時が流れだしました。


「また普通の日々になったね~」と言う会話が聞こえてきましたが、私達の言う「普通の日々」は「尋常ではない異常な日々」やん。。。と思わず突っ込みを入れたくなりました。


私達の普通は異常なんだと・・・・


まぁこんな御託を並べた所でその異常なスピードに乗っていないと振り落とされますからね(笑)


しっかりと着いて行かないと毎朝電車に乗れません。。。。。


しかしハタと考えると、ただただ波に飲み込まれていると病気になってしまいます。


どれだけその波に巻き込まれないかが私の勝負どころですね。


話は本題へ・・・


昨日、火傷をした。


たいした事はないのですが。。。


牛乳を温めるために計量カップに入れて電子レンジに・・・・


たった20秒くらいだったのですが持ち手部分が激熱になっていた。


金物の計量カップだったからです・・・・・


持った瞬間からその熱さを感じるまでに少し時間があるわけです。


皮膚感覚が脳に伝わるまでに0、何秒の話しなのですが、それでも持った瞬間ではなく、持って持ち上げた瞬間に熱さが伝わり、アチッとなった。


そこで手を離したいのですが、もう計量カップを持ち上げている状態ですから、手を離すと牛乳は床に落ち大惨事になる事をそのコンマ何秒の間に脳は計算する。


火傷を我慢するのか・・・・床を牛乳だらけにするのか???瞬時に究極の選択を迫られるわけです(笑)

そして私の頭は・・・・自分の指の火傷を甘んじて受ける覚悟にしたわけです。


その選択した結果の行為は、無茶苦茶熱い計量カップをシカッと持ったまま熱いのを我慢して、机の上にちゃんと置きなおした。


アホです(笑)


指は赤く腫れてしばらくピリピリしていました。

冷水につけ、後は馬油を塗ってバンドエイド。


今はほとんど痛みもなく腫れも引き普段と変わらなくなりました。


つくづく思ったのですが・・・「痛み」ってほんと大事だな~と・・・・


「痛み」がわからなければ計量カップが熱いのもわからない。


大火傷です。


難病で「痛み」を感じない病気「先天性無痛無汗症」と言うのがあるが、凄く大変な病気です。


痛みを感じないため、関節の可動域の加減ができないので骨折が多いのだとか。。。。


また汗をかかないので体温調節ができない。。。 室温管理が大変です。


歯が生えてくると自分の舌、唇、指をがりがり囓って、舌を噛み切る事もあるそうです。


お腹もすきませんので自ら食べると言う行為もできません。


カラダの声が聞こえないと言う事は自らのイノチを存続させる事が難しいと言う事なんです。


イノチをつなぐために身体は信号を発している。


その信号は私達が俗に言う「苦悩」「苦痛」となるのですが、これは人間の本能としての生存欲求機能が作動しているという結果。


痛みを感じると言う事は、、、、「生きる」に繋がっている。


人間と言うのはどんな人も本来「生きる」と言う方向にベクトルが向いているのだろ~な~と、ピリピリビリビリと痛みが走る指を見ながら『生きたいんだね~私…』と感慨深くなってしまった。


私は死にたい人だといつも言ってるが死にたいなんてウソやんってねヾ( ´ー`)


人は死亡率100%の世界で生きている。

だからこの世界で生きるのは苦しいのだ。


で、みんな死という苦悩から脱出するために抗い、あほんだら的行為をしてしまうのでしょう(笑)


さて・・・この大事な大事な「痛み」という身体からの信号は、身体の危機の察知以外にも、治すという為にはとっても大事なものです。


細胞が痛いと感じている場所では、どういう現象が起こっているのでしょうか?


例えば皮膚に関してですが、火傷やケガをした際、最初に警告シグナルを発するのは、末梢神経の終末にある侵害受容体です。


要するに神経ですね。


末端の神経が神経線維の中を伝わり脊髄後角細胞に達し、そこから、感覚投射経路を経て、上位脳の視床と大脳皮質感覚野に伝えられ、ここで初めて「痛い」という感覚が生じる。


難しいですよね。


簡単に言うと皮膚表面にある末端神経の終末部が感知した刺激が神経を伝わり・・・・脊髄を駆け上がり脳に到達して初めて「痛い」と感じると言う事です。


要するに痛みを感じているのは『脳』だと言う事です。


内臓の痛みも基本は同じです。


脳に伝わって初めて色々な感覚が感知できると言うわけですね。


「痛み」情報伝達部隊は、体の損傷や不具合を脳に伝え、その対策を立てるように脳に促します。


脳は修復計画を作り、各部門に命令を出します。


その結果、傷ついた細胞からはカリウムが放出されます。


それがきっかけとなり、痛みを感じやすくするプロスタグランジンやロイコトリエンといった、体の働きを調節するホルモン物質が作られます。


特に有名なのはプロスタグランジンですが、これは発痛物質ホルモンなのです。


細胞が傷ついてもこのプロスタグランジンが出ないと痛みを感じにくくなる。


鎮痛剤とは、この発痛物質の発生を抑えて痛みを感じないようにしているわけです。


他にも発痛物質はあります。


神経からは、サブスタンスPという痛み増強物質が放出されます。


サブスタンスPによって、傷の痛みや腫れ、赤みなどが増強。


また、血液中の肥満細胞からはセロトニン、血小板からはヒスタミンといった、さらなる痛み物質が誘発。


痛みセンサーはますます興奮し、痛みが拡大していくというメカニズムなのですね。


要するに発痛物質は脳にどの部分が損傷したのかを知らせ修復作業計画を立てるように促して、損傷した部分を休ませて修復作業に入る為に「痛み」を起こして動けないようにするわけですね。


凄いですよね~

これだけでも感動もんです。


しかし休ませるだけではありません。
身体総動員で修復作業に入ります。


以前にスキーで膝の靭帯を損傷した時に冷やさず温めた話しをしましたが、早く治したくて損傷した膝を温めたんですよねー。


これは血流を高めたかったからなんですね。


外傷直後の急性期に温めると言う方法は賛否両論ありまして、温める事でより腫れや赤み、痛みが増強します。


冷やせば血流は悪くなりますので、腫れも赤みも痛みも軽減はするのですが、修復作業は遅くなります。


どちらを取るかと言う選択になりますよね。


修復作業の第一段階は損傷した周囲に血液が集められ、修復作業が開始されるのです。


この修復作業がまたすばらしい!!


痛みの信号を受けた自律神経が、損傷部分の修復のために、血液に乗せて細胞修復物質や免疫細胞(兵隊ですね)を幹部に大量に送り込むため、幹部の血液が濃くなり、ここで濃くなりすぎた血液を薄めるために、体液中の水分が加わり、損傷部分が腫上がります。


つまり体の回復システムは、体の痛んでいる部分に血液を流入させ、早く修復しようとします。


なぜなら血液には、身体に必要な酸素、栄養などを豊富に持つ赤血球が含まれており、細胞や組織を修復させる十分な材料を持っているからです。


多くの赤血球が救援に行ってくれればすぐに修復してくれます。


なので、不用意に痛みをとり、血流を悪くすると、治りが遅くなる可能性があるのです。


つまり、痛かったり、腫れるというのは、回復や損傷を受けた組織の回復のために必要な経過の反応なのです。


簡単に「痛み」のプロセスを書いてみましたが、もっともっと身体は複雑です。


そして急性痛と慢性痛では、この時に通る道が違います。


また一言で痛みといっても、その発生源は一つではありません。


簡単に分類すると


筋肉・関節・内臓などにある痛みセンサーが刺激される(侵害受容器性疼痛)


神経そのものに障害を受ける(神経因性疼痛)


精神面からくる(心因性疼痛)


色々とあります。


身体は不可思議で神秘的で、そして複雑ですので簡単に記述するのは難しいのですが、大体がこんな感じだというニアンスだけ伝わればうれしいです。


ただ痛いのは精神を害しますから、適当に・・・です。

適当に我慢できる範囲で我慢しつつ精神の安定を図れる程度に鎮痛剤を使うと言う事ですね。


この「痛み」の発生するメカニズムを見ていくと鎮痛剤のメカニズムもわかってきます。


病院などでよく処方される消炎鎮痛剤は、このプロスタグランジンの産生を阻害する薬なのです。


結構、普通に日常的に飲まれている薬ですよね。


また消炎鎮痛剤は交感神経優位に立たせますので、血流をさらに阻害してマヒさせます。


本当は、血流をよくすることによって解決しなければならないのに・・・血流を悪くさせると修復作業はどんどん遅れていきます。


単純にいえば「借金をして返済期限の近づいて困っている人に、高利でカネを貸す」ようなもの。


そして医療費はどんどんかさむばかりです。まぁここが医療の世界の狙いでもあるのでしょうけどね。(笑)


先述しましたが、プロスタグランジンの働きの特徴である「痛み」、「腫れ」、「発熱」は回復の貴重なサインです。


例えば


風邪を引いたら身体は総動員して風邪の原因のウィルスを撃退しようとします。


喉は赤く腫れ熱をもち痛みます・・・・


咽頭の粘膜は免疫兵隊達が必死で戦っている戦場だという証です。


身体の健気な働きを書いているだけで涙がでますよね・・・・



痛みと、どう向き合い・・・・どの程度まで我慢して、免疫兵隊達の戦いやすい環境をどこまで作って上げられるか・・・・それが勝負どころなのですね。


最先端の医療を求める気持ちもわかりますが、自分の身体のメカニズムを知り、自分の身体の可能性を信じる事も大切だと私は常々考えています。


むっちゃ痛いのはアカンですけど、安易に痛みを取る事を優先するのもアカンと私は思っています。


なぜ痛いのか???

薬を飲むと体の中でどういう事が起こるのか???


鎮痛剤を飲む前に一度立ち止まって体の声を聞いてみるのも大切な事なんじゃ~ないかなと・・・・


それから痛み止めを飲んでも遅くないですからね。



自分の体の事、わかろうとしていますか?


わかろうとする気持ちがとっても大切だと私は思うのです。


この「痛み」と言う神様からの贈り物をしっかりと受け止める事が「イノチを生きる」に繋がるような気がします。