開演を10分遅らせる事に決まり。
超最速での打ち合わせが終った。
すぐさま裏に回り、タカハシさんの白塗りに入る。
雨の中、宮司さんが来てくれて神殿に待機しているので、、、、焦るワタシ達。
タカハシさん全然塗れてないし・・・・衣装も着てないし・・・・
最速で衣装を着るタカハシさん。
こんな素早いタカハシさんを見るのは初めてかも・・・(笑)と思うくらいだったのですが。。。。
衣装を着て足袋を履いて・・・さて白塗りと思いきや・・・
黒の着圧ソックスを脱いでいない事が判明。「やっぱり・・・・」
着圧なので脱ぐのが大変、、、、「あーーーもっーーーー」と言いながら必死で脱いでいた。
ふと後ろを見ると神殿の上がり口の階段上で邪魔にならないよう隅っこに福寿がちょこんと座り、タカハシさんとオカアチャンのアスカを交互に見ていた。
アスカは必死でメイクをしている。
集中力がピークで福寿に声をかける余裕もない。
もちろん私達もそうなのですが。。。
福寿は機嫌よさそうな顔つきで興味深そうに私達を見つめたいた。
あら~またしても座敷わらしに見守られてますね~(笑)
白塗り・・・超最速です。
宮司さんの祝詞
暗転・・・・・ここで忍者・・・のはずが出ない。
長い沈黙・・
業を煮やしたのか・・・
あららら・・・・カネモリの太鼓が・・・・
ありり・・打ち合わせと違うような・・・
そんなこんなんで・・・・なんとか始まった。
私とホッシーは始まってから衣装に着替えた。
あれ??どれだっけ・・・・??
と、二人でワラワラしながら衣装に着替えた。
で。。。。少し落ち着く事に・・・・神殿の上がり口のタタミの上でホッと二人で息をつく。
外は雨・・・いつもなら外の地面に座って待つのだが、今回はなんとタタミの上で待てる至福感。
なんだか人間らしいねぇ~なんて言いながら、冷たい裸足の足をさすっていると、なんとホッシは足袋履いてるではないか!!!
コイツ・・・いつの間に足袋持ってきたんだ・・・・それに衣装は長袖。
私も足袋履きたい、何か羽織たいけど・・・ないし・・・
アシ。。ツメタイ・・・
タタミの上と言えども外は雨で夜、ほとんど裸に近いし標高1000mの土地である寒い。
一旦、踊り始めて意識がぶっ飛んでしまうと寒さなんて感じないのですが・・・・それまでは修行だ・・・
それに適当と言うがその適当って・・・いつなんやろ???か。
とかなんとか思っているうちにどんどん寒くなってくる。
極寒地獄。。。。凍死する・・・・
私は究極に冷たくなった足先をホッシの足の下に入れて、ホッシに身を寄せた。
ホッシはそんなに温かい人ではないが、それでもむき出しにしているよりも肌を触れている方が体温が逃げず気がまぎれる。
神殿の中から外を見ているとなんだかおかしくなってくる(笑)
そうこうしているうちに息が苦しくなってきた。。
途端にホッシは私の首をぐいぐいし始める。
「ううううやめて・・・・・・」
もう限界に来て叫んだ!!!
「わーーーーーーーーーっ」息が楽になった。
そこからあまり覚えていない・・・・いつのまにか外に出ていた。
笑えるがなんだかずっと神様にお伺いを立てていたような気がする。
心の中の雑多が事が邪魔でならない・・・・神様に申し訳ないような・・・・そんな感じ。
ゴミを神様の家に捨てているような気がするのだ(笑)
私が薄れるとどんどん楽になっていく。
もどかしいワタシ
ワタシというワタシがうとましくなる。
ワタシ・・・・・これは必要ない・・・・いらない、でもワタシはワタシにベタッと張り付く。
ワタシ
それでもワタシ
そんな苦闘を繰り返しながら私は心を洗っていたのかもしれませんね。
サンショウオですからキレイな水の中にしか住めません。
でも、、、、汚れきった水の中でアップアップしている・・・・それを元の位置に戻してくれるのが踊りなのでしょうか・・・・
楽になる。
私は舞踏家でもないしアーティストでもありません。
日頃、、、、芸術に触れてもいません。
白塗りの舞踏家なんて気持ち悪い・・・と思っていたほどですから。
人に見せる踊りはできません。
それでも踊るのはどうしなのか。。。。色々と理由を書く事はできると思うのですが、どんなことを書いてもこじつけにしか見えないので・・・・
死ぬまでに答えがでたらヨシとします。
まぁそんなこんなで終わった。
雨止んでたんだ・・・
まだボッーしているが・・・・・ボッーともしていられない。
すぐさま裏に戻り周りも気にせず乳を掘り出してドロドロの服をまた着る・・・・
宮司さんが来るまでに神殿の中を元に戻しておかなければいけない。
シュルシュル言ってまだこの世界に戻ってきていないホッシを捕まえて・・・・
「作業できる??できるよね!!!」と半ば反強制的に地絣をたたむのを手伝ってもらう。
シュルシュルカフカフ言いながらホッシは地絣をたたみ始めた。
なんだか笑える・・・・
バタバタと神殿の中と外を行ったり来たりしていると突然になっちゃんに引き止められて手を握られた。
号泣して何を言っているのかわからないが、パートナーの西村さんの通訳ではとっても感動したみたいです・・・・
「あ・・・・ありがとう・・・・」と手を握り返したが・・・・・なんだかとっても気恥ずかしかったし、、、「ごめんさない」と言いたくなった。
ただブラブラ動いていただけである。
でも「あ~生かされているな」と思った。
このエネルギーの中にいる事ができてありがたいな~と感じたのです。
そんな余韻に浸る事もできず、ひたすら作業に明け暮れる。
地面がぬかるんでいるので、色々な人がこけている。
アスカは福寿を抱いたまま滑っていた・・・・・大変な作業だ・・・みんなドロドロ。
私も何回もこけた。
最終的にはコンポも手がスベって地面に落とし壊れた。
ほんと雨の作業は大変だった・・・・・とりあえず簡単に片して、撤収は明日の朝にする事にした。
いつもなから全て撤収するが、地面がぬれているので危なくて仕方がない。
怪我人が出てもシャレにならない・・・・・この判断は正解だったように思う。
一路・・・宿へ