ヨガの先生に一番難しいポーズはと聞くとシャバアサナー(屍のポーズもしくは死体のポーズ)という人がたくさんいる。


見た目はただ寝ているだけなのですが、身体のどこにも力が入っていず、本当に緩んでいる状態(リラックス)を作るというのは難しいのですね。


アサナの名の通り、、、それこそ死体にならないと、完成できないポーズなのかもしれませんね(笑)



だからヨガを真剣にやればやるほど「シャバアサナ」が難しく感じるのでしょうね。



人間は意識があるということだけで、すでにどこかが緊張しているモノです。


もちろん寝ていてもです。


朝起きたら首が痛いとかいう経験ないですか?


寝てたら足がつるとか。。。。。歯軋りをしているとか・・・・


あれって身体の無駄な緊張の表れなんですよね。


どうしても余分な力が身体のどこかに入り、それは緊張となり筋肉をこわばらせる。


簡単にリラックスしましょうと言えないほどに本当のリラックスは難しいなと思う今日この頃です。




少しシャバアサナを考察してみましょう。


シャバアサナはもちろんヨガの一つのポーズです。


「シャバ」=屍;「アサナ」=ポーズ。


死体になる


さて。。。。。これの難しいところは、私達生きている人間は死体になったことがない。。。だから死体になるということがわからない。。。。


なので。。。。死体になったつもり・・的にイメージを膨らませていくしかない。


そして他のポーズと同じで、体の正しい姿勢もありますし、ポーズが終わるまで今の自分自身に集中して行います。


集中と緊張は違います。


意識を持って意図的に無駄な力や緊張を抜くということですね。


しかし時間をかけ練習をすることで少しずつ上達していきます。


さて・・・・何がどう上達するのかの定義が難しいのですが、全身の力が抜けて何もしていないという感覚になっていくプロセスが明確に見えてくる状態というのが一番近いかもしれません。


その仮定で身体のリラックス=精神のリラックを体験できるのだと思うのです。


ですが、そんなに緊張というものは悪いものなのか???という疑問も湧いてきます。


本来、誰しも緊張するということは、人間の機能に備わっているものですから必要なものなんじゃ~ないのかと・・・・


で、調べてみました。


恐怖心や不安からくる緊張状態というのは人類が生き延びるために欠かせなかった能力なのだそうです。


大昔、、、、狩猟をして暮らしていた時代の話です。


獲物を探している道中で、ばったりと猛獣に出会ってしまったとします。


人はびっくりした時にモノが考えられなくなり不安や恐怖で動けなくなります。


でも人間には生きるという本能がありますから、不安・恐怖を感じる回路が刺激されると様々な症状が身体機能に現れるのです。


具体的に言えば、アドレナリンがどっと出て、心臓はドキドキし、血圧が上がって顔は赤くなり、筋肉は緊張し、手足の裏はジットリ汗ばみ、胃腸の働きは抑えられる・・・などです。


さてこれを細かく分析していくとですね。


心臓のドキドキは血液を全身にガンガンに流して激しい運動を可能にするためなのですね。


血中にある酸素を全身に供給して筋肉が動けるようにするわけです。


筋肉の緊張は瞬発力を出すため。瞬時に動けるような準備ですね。


ほどよく手足の裏が汗ばむのは闘ったり走ったりするときにすべらないように。(ほんとかどうかはわかりませんが)


要するにですね「不安の回路」が発動し身体が緊張状態になることで、体はストレス状態に置かれ、ここ一番の力を発揮できるようになっているらしい。


今にも飛び掛ってきそうなライオンを目の前にして、ドキドキもなく冷静に「さて~どうするかな・・」なんて焦りもせず考えてたら、すぐにガブガブとかじられて食べられる。


不安を感じる事もなく、緊張もしない人は生き残れないようになっているということなのだそうです。


面白いですよね。


恐怖や不安を感じて全身が緊張状態となる能力は、自分の身を守るために非常に大切なものなんです。


この機能を上手に利用できないのが現代人なのでしょうね。


ON、OFFがへたくそなんでしょう。


もちろん私もそうです。

慢性的なひどい頭痛持ちで鎮痛剤中毒になるくらいに、必要もないのに四六時中全身を緊張させていたのですからね。


アドレナリンが出っ放し・・・・そりゃー血管は拡張しっぱなしで頭も痛くなるはずです・・・・・


なのでリラックスを覚える必要があったんですよね・・・


日頃から緩んでいると(リラックス)いざという時に力が出せるということです。


いつもいつも緊張して身体にガチガチに力が入っていると、それ以上は力が入りませんから、いざと言うときに力が出ないのです。


そして疲れる・・・・・・


慢性的な疲労感がある人は必ずと言っていいほど、全身が緊張状態なんですよね。


体験的によくわかるのですが、それってもうクセになっているので意図的に抜けないわけです。


なので訓練しかないということなんですね。


まぁリラックス一つできないのですから、生きるのは本当に大変だということです。


やれやれ・・・・ですな。



余談ですが、、、、


例えばスポーツの試合前に緊張してくると、リラックスしょうと、海でのんびりしているようなイメージを浮かべたり、リラクゼーション的な音楽を聴いたりするのは逆効果なんだそうです。


プレッシャー(緊張)を楽しむ事なんだそうです。


緊張が高まってくると、それから逃げるのではなく「キタ!キタ!キターーーーーこの感じ~」と緊張をしっかりと俯瞰してみる。


そしてその緊張を味わう力量を養うんだそうです。


緊張状態である自分を自分の意識下に置く。


これができるようになると、この緊張をコントロールできるようになり、上手に効果的に緊張を利用することができるのだそうだ。


ボクサーなど格闘技の選手は試合前に闘志が湧いているくるような音楽を聴くというのはそういうことなんですよね。


ロッキーのテーマ曲とかクイーンとかね。。。




シャバアサナからえらく話しがずれてしまいましたが。。。。。


ヨガは人間の大切な機能である、緊張と弛緩をうまく使いこなせる使い手になる訓練なんでしょうね。


まずは無駄に緊張している内臓、神経、筋肉を伸ばし、精神をリラックスさせてみるところからですね・・・・