西成事情その2の続き


今林さんの暴挙を制して、院内へと出された後のスタッフの憔悴度はピーク・・・・


あと何回来る気や・・・・・・・って思うと気が重い。(T▽T;)


「さぁ~がんばるでぇー」と元気に振舞う私も実のところ、グッタリ・・・・(*´Д`)=з


全然優しくなれない私達みたいな・・・・なんというか・・・・罪悪感に押しつぶされそうになる。


看護師さんは優しくないとだめ・・・という固定観念が一般的にはあるし、もちろん看護業務を行っている本人達はもっとそう思う。


患者さんの爪を剥がすような行為をする看護職員が最近ではいるみたいだが。。。。ちょっとありえない。


それはその人の人格の問題だろう・・・・・


まあ大なり小なり、皆思うのである。


「私って優しくない・・・・・・ε=(。・д・。)」と。


イライラしてて笑顔で応対できなかったときに、後で後悔する・・・・優しくできない私はだめ!!みたいな・・・・自己否定が始る。


でも、どんなに分かっていても、ここにいると全然優しくなれない。


ある意味「人間のクズ」と思うような人達がゴマンと運ばれて来る。


病院を辞めて、その場を離れて冷静に考えると、彼達は「人間のクズ」ではなく、社会の「負の遺跡」を背負ってくれている「羽もげ輪なしの天使」だと思える。


でもねぇ~


そんなこと言えるのは、この病院辞めたからであって、そこにいりゃ~思えるわけねぇ~って感じですけどね。


日常的に「ボケ」「アホ」「カス」「このあまぁ~」という汚い言葉を患者さんから浴びさされるのだから・・・・・


「ボケ!」と言われて優しくなれるかって!(-""-;)


ということですわ・・・・


私はこの時代かなりの理性の力を使った。


これらの言葉の暴力に惑わされない術を身につけた。


どんな言葉を浴びされようと、笑える力を・・・・・ストレスは半端ではなかったけど。


「ボケ!なにすんねん!」と言われると


「血圧測るんですよ~」とニコニコ顔(´∀`)で腕を取る(やや力が入ってかもしれないけど)


私「点滴しますね~(´∀`)」


患者「やめろ~クソ女ヽ(`Д´)ノ」と言われると・・・


ニコニコ顔で私「じゃ~止めとくね♪(´∀`)」←ずーーと同じ笑顔(ある意味恐いけど)


事務員に


「すいません~〇〇さん治療はいいそうです~お願いしま~す(´∀`)」


「はーい、では終わりですよ~起きて帰りましょうか♪(´∀`)気をつけて帰ってくださいね(´∀`)」


患者「・・・・・帰れへん・・・ヾ(。`Д´。)ノ」


「でも点滴しないなら病院にいる意味ないしね(`∀´)」あくまでも笑顔。(のつもり)


「・・・・やる( °д°)」


「なにを?」


「点滴・・・」


という会話は毎日のこと。


こうやって納得したはずではあるけど、直ぐにひるがえるのもこの西成人の特徴。


点滴が始って5分もしないうちに、自分で針を抜いて血だらけになって怒っていることは普通。


理解力は皆無


そんな人達にやさしくなるのは難しいですよ・・・・ほんとに


そんなこんなで夕方近くにまた来た・・・・今林里美さん(*´Д`)=з


救急車から出てきた彼は全裸・・・


「裸なん??????」


全身真っ赤・・・・


「血だらけやん・・とうとうシノギにやられたんや・・・・」


シノギとはホームレス専門に狙う暴漢者です。


ボコボコにして、持ち物を奪います。


しかしそれは事件にはなりません。


警察にいちいち取り上げてくれないのです。


やられるおまえが悪いと言われてしまうらしいです。


そんなことは日常なので、今林さんが全裸で真っ赤かになって救急車から降りてきたときにはてっきりシノギだと・・・・


で、外来に入ってきたら、様子が????違う。


続く