アルコール中毒禁断の続きです・・・が


禁断症状が出始めると、もう待つしかない。


抑制はもちろんするが、そんなものでもろともしない彼達。


2日目までが大変である。奇声・・・大暴れ・・意思疎通はとれず、呼吸、脈は恐ろしいほど早いし、高熱で発汗大量。

ゲボも大量に吐くし・・・・


病衣を着替えさせるもの大変である。


抑制を外すと・・・・もう修羅場となる・・点滴は抜けて血だらけ・・・尿カテーテルも自己抜去・・・・


私はこの外来で抑制のプロとなった。


足首や手首が痛くないように縛るが、絶対に取れない縛り方。暴れると絞まっていく縛り方もある。


抑制帯も手作りの綿がフワフワに入ったものを作った。


抑制をしたまま暴れる人を着替えさせるのは熟練の技である。


1人が抑制帯を引っ張り、一人が上手に袖を通していく。息があった動作である。


少しでも優しい心を出すと、必ずそれは裏目に出る。


とんでもない展開となり、ぶたれることも多々あるし・・・・・スタッフに首をしめられたものもいる。


鎮静剤なんかはまったく効かない。余計に譫妄状態となりおかしくなるのである。


ただ恐ろしいのは急変することがよくあるから目が離せない。禁断症状は恐いのである。


離脱するときの身体の負担はかなりのものなのである。


体の反応とは本当に不思議である。


平均2日目あたりでこちらの世界に帰ってくるのだが、時々5日ぐらいかかる人もいる。


私が看護していて一番最長だったのは6日の室谷さん。


6日間意識が戻らず、あっちの世界でずっとムシャムシャと物を食べていた。


美味しいの?と聞くとうなずく。(わかっているようなわかっていないような)


本当に美味しそうに何かをずっと食べていた。


私が帰る時には必ず、「早よ戻っておいでよ~また明日な~」と言って帰っていたものである。


抜けると人がガラリと変わる。初め救急車で運ばれと時と同じ人とは思えない人相となっている。


憑き物が落ちたとはこの事だ。本当に憑くということはあるのだな~と思った。


まあこうなる前に酒が飲みたくで帰ってしまう人が多いのも事実。


歩けるうちに帰してしまうもの、親御心である。