キャ私の初めての男との同棲生活は長くは続かなかった。ヤクザ上がりのチンピラだし・・・仕方ないけど・・・はぁ


彼の浮気相手はある大手服飾メーカーに勤めるOLで名前が日美子(ひみこ)といった。


私より年上だったけど、この子は少し頭が弱かった。


どんな理由だったか忘れたけど・・・・日美子さんは家にきた。話をすると彼女は妊娠していて、も4うヶ月に入っていた。


そんな現状を目の当たりにしても私はまだ希望を持っていた。


まだこの人(彼ね)は私の所へ戻ってると思っていたように思う。


私はなんだか彼女を憎めなかった。これは正直なところウソはない。彼女とはけんか腰の話し合いには一切ならなかった。


彼抜きで話をすると彼女は生みたくない、堕したい、別れたいと言った。


しかし4ヶ月という妊娠中期に入ってしまっている場合には通常の手術方法での中絶はできなくなる。


人工的に生むという形をとるので大掛りな手術で、母体にも影響があるし、まず入院しなくてはいけない。


私はその頃、産婦人科に見習い看護婦として勤めていた。


彼女はそれを知って私に頼んできたのだ。あなたの病院で手術をして欲しいと。私はまだ子供であったと思う。


私から言い出しことではないが、多少なりともこの子供さえいなければまた彼は戻ってくる、また前と同じ生活ができると思ってそういう風に持っていたのかもしれない。


自分の心であるが、もうこのあたりはよくわからなくなっていたし、覚えていない。


混乱していたと思う。理性を保とうとする部分と嫉妬の中での精神の混乱ぶりはもう今ではきっとできないと思うほどのエネルギーを消耗した。


私は承諾した。


それから彼女は私と彼の家に泊まるようになった。沢山の荷物を持ってきて、3人の変な同居生活が始った。


部屋が二つしかなかったから、彼は1人で寝て、私と彼女が一つの部屋に寝た。


ただ私は仕事があったから昼間は彼と彼女2人っきりになる。


朝2人を残して出てくるのは、かなり感情が乱れた。狂いそうであった。


今でもそうであるが、私は一つのことを継続する力がある。些細な(些細ではないけど)アクシデントに対してそれに飲み込まれない強い精神がある。


どういう風になろうと自分で決めていることは、他の事に流されずにやり続ける悪癖(?)、頑固さは今も昔も変わらない。


だから朝普通に起きて、仕事と学校に出かけた。夜は3人でご飯を食べた。


よう気が狂わへんかったよ・・・・・むかっとっても健気でしたキャ


数日後、私は彼女を自分の勤めている病院に連れていった。彼は連れて行かなかった。彼はけんか腰の性質だから話がなんでもややこしくなる・・・・


それから3日間、彼女(日美子さん)はうちの病院に入院して、堕胎手術を受けた。


女の子だった・・・・・・続く