彼は兎に角、色々な事件を起してくれた。
どんな事でも金儲けのネタにしたし(人の弱いところをつくのはとってもうまい人だった)、ケンカぱやかった。浮気も恐らく一杯していたと思う。
人間のクズというヤツである。
浮気を止めさせるために私はおかずに薬を混ぜたこともあったし(途中で気付かれそうになったのと・・・・薬をすりこぎでゴリゴリと潰している自分が情けなくなったので、止めた)、激情して包丁を取り出したこともあった。私は自分がとっても大事なので、自分を傷つけることはしないけど・・・・相手に包丁を振り回した。
一発殴られて終わったけど・・・・・
広島でのヤクザ時代の舎弟だったという、マサ(この人はもう足を洗っていた)という人に会いに行ったことがあった。彼は全身刺青で・・・・びつくり・・・・帰りの船の中で彼も元ヤクザであるということがわかった。本当鈍感な私。
この旅行中・・・私はコンタクトで目を傷つけて、目が開かなくなった。眼科に行き薬をもらってやっと何とかなったが、一日布団からでられなかった。見たくなったのだろうなと・・・・今ならわかる私の無意識。
私はそんな環境に埋もれることは、なかったようで、なんだか毎日修羅場の生活だったにも関わらず、勉強して看護専門学校に合格してしまった。
今から考えたらどうして受かったのかわからないけど、なんか合格してしまった。天の計らいだったのだろうΣ(~∀~||;)
私は良いように言えば、人に流されないしっかりした人だが、きっと我道を行く、自己中心的な人間なのであろうと思う。
ヤクザの男と同棲して、看護学校に行かないやろ・・・普通。
なんかそんな自分を考えると、自分が嫌になることもある。
合格した学校はもちろん定時制なので、必ず医療機関に勤務しなければならない決まりがある。だから朝、病院で働いて、昼間学校に行って、そのまま又、夜間診療に戻り勤務という生活が続いた。
家は若い衆が出入りしていたが、私が学生服で出かける様を見て無口になっていた。
そして地元の組事務所の人達にもおまえ変わってんなぁ~とよく言われた。
きっと「この女おかしい・・・」と思っていたに違いない。かなり場違いで私はその世界から浮いていた。
彼のことは大好きであったが、もちろんこんな生活をしていて、ヤクザの女がつとまるわけがない。彼は看護学校に通うことに関しては何も言わなかったが、なんかケンカが多くなった。
ある時からほとんど家に帰らなくなった。
女ができた。
その女と彼と私の変な同居生活が始った。