本屋に行くと「精神世界」というコーナーがある。


寒くなるような題名のついた本が並んでいる。起ったでき事を肯定して前向きに考え、受け入れていれば運がツイてくるとか、自分を愛しなさいとか、全ては必要必然ベストだとか・・・・あるがままとか・・・・


寒い・・・・(⌒-⌒;) ・・・・


それらの本流は「ポジティブシンキング」アメリカ的で「はじめに言葉ありき」の世界だ。


この流行の精神世界に横行している、ポジティブシンキングは本来ある人間の精神の世界に入っていかない、精神に触れないようにする方法論である。


人間の精神は沢山の矛盾を抱え、あらゆるものが存在する。はっきり言って泥沼の世界。コロコロ変わるし、思いは定まらないし、外側の刺激に反応して右往左往する。そんなグチャグチャな世界をどうやって肯定するのだろうか。


私は昔、婚約を破棄されたことがある。現状を受け入れろだとぉーーーー(`m´#あほんだら~

相手を非難し、自分が悪いのかと卑下し、ココロはコロコロ・・・・・結局は時間が解決する


それらに蓋をして、触れないようにして、あー楽しいうれしいとやっても、自分は変われないのだ。ネガティブを隠蔽しちゃだめなのだ。


だからといってネガティブそのものになってもいけない。うちのかあちゃんは自分のネガティブに巻き込まれて、挙句に電車に巻き込まれて死んでいった。


人間の根っこはネガティブでできている。だからポジティブが存在する。

悩まない芸術家なんていないし、楽天家の作家もいない。悩みすぎて死んでしまう作家の方が本当っぽい気にもなる。そこから色々なものが生まれる、育まれる。


お釈迦様が言いなさった


【生きることは苦である】



本当のポジティブとはネガティブに突っ込んでいく力を、ポジティブというのだと私は思う。

そのへんを端折って、巷の精神世界の本やセラピーなどは、楽に生きようというもんだから皆勘違いして、生きる力をへし折られたような気がしてならない。


表面だけを捉えた、屈折したポジティブシンキングを伝える前に、

正しく悩む方法を若い人たちに教えてくれる人が出てくることを私は望みます。


「私のポジティブはネガティブから生まれたものです、だからこの楽しい部分だけを受け取っても意味がありません」と最後に付け加えればなおさらグーーーーット



オリンピック選手は本番では、楽しくやりたい、楽しくやったから実力が発揮できたいう人が増えている。でも彼らの本番の楽しい、死ぬ思いで訓練した、過酷な毎日が土台にあることを忘れてはいけない。


ただし何度も言いますが、苦しみや悲しみ、悩みにどっぷり浸かってはいけません。


そう精神の世界は複雑なのです。


自分の実態を正確に掴む力を持つこと。
1歩下がって何が起っているのかを見る力が重要である。