2021年4月1日(木)日経朝刊9面(金融経済)に「5地銀、汎用システム共用 横浜銀など24年に移行 経費減、サービスも柔軟に」との記事あり。
横浜銀行や七十七銀行など5つの地方銀行は、2024年に基幹システムを汎用性が高いオープン系のシステムに切り替える。
複数の地銀が共同でオープン化に乗り出すのは初めて。
機器の調達やシステムの保守で価格競争が働きやすくなり、運用に要する費用の削減が見込めるようになる。
ベンダーの意向に縛られず、効率的なシステムの構築をめざす動きが広がってきた。
今回の枠組みには横浜と北陸、北海道、七十七、東日本の5行が参加。
システム運用の負担を軽減しようと横浜銀行が中心となり、10年に結成した「MEJAR」(メジャー)が主体となる。
これまでは「メインフレーム」と呼ばれる汎用性の低いシステムを利用してきた。
すでに参加行は大型のメインフレームを通じ、預金や融資、送金など主要な業務を支える基幹システムを共通化している。
ベンダーが築いた手厚いシステムは銀行側の要望にきめ細かく対応しやすい半面、機器の調達やシステムの保守で価格競争が効きにくい「ベンダーロックイン」に陥りやすい。
5行が24年1月の移行を計画しているオープン系のシステムでは、基本ソフトのLinux(リナックス)で動作する。
汎用性が高く、銀行側の事情に応じて多様な選択肢を確保しやすくなる。
定期的に入れ替えるサーバーの調達や保守でも価格競争が働き、開発や維持にかかるコストを大幅に減らせるという。フィンテックなど異業種との提携やデジタル化に対応した新しいサービスも展開しやすくなる。
現状でオープン系を採用しているのは静岡銀行や肥後銀行などに限られる。
横浜銀行の小貫利彦ICT推進部長は「現行とほぼ同じプログラムの言語を使うため、移行時の費用を抑えながらシステムを安定的に切り替えられる」と話す。
30年をめどに勘定系で自前のシステムではなく、ネットを経由して使うクラウドの採用も検討している。
運用が軌道に乗れば、オープン化をためらう地銀への誘い水にもなる。
NTTデータの勘定系システムを共同利用し、京都銀行が中核となっている「地銀共同センター」や第二地銀からなる「STELLA CUBE」(ステラキューブ)への展開を念頭に置いている。
地銀のシステムに関連した経費は年数十億円で、おおよそ全体の3割前後を占める。
金融庁が20年6月に公表したリポートによると、システムの経費を預金量から算出した効率性で地銀は0.18%。信用金庫(0.12%)や信用組合(0.11%)を下回る。
長引く低金利で収益環境が厳しさを増すなか、運用の効率化が急務の課題になっている。
複数の地銀と資本提携しているSBIホールディングスは、勘定系システムの共同化で提携先の地銀を効率化で後押ししようとしている。
システムの保守や維持に充てる費用を低減できれば、新たなサービスの導入など戦略的な分野に資金を投じる余力も生まれる。
