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うつ病患者は、ある脳の神経回路が「2倍の大きさ」 最新研究
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これまで、うつ病患者の脳に関する心理学的研究は、個人差をあまり考慮せず、主にグループ平均に基づいて行われてきた。
多くの場合、これらの研究では「スナップショット」的なアプローチが取られ、追跡調査や比較をせずに、ある時点での脳活動を捉えていた。
この定型的なアプローチによって、うつ病について多くのことが明らかになった一方で、その多様な性質を理解するには深さが不足していた。
しかし、2024年9月に『ネイチャー』誌に発表された研究は、このギャップを埋めるもので、その結果は驚異的だった。
この記事では、研究者のチャールズ・リンチとコナー・リストンが、うつ病患者では脳の神経回路の1つである「セイリエンスネットワーク」が2倍の大きさになっていることをどのように発見したのか、そしてそれがどのような意味を持つのかを解説する。
■うつ病患者の「セイリエンスネットワーク」は2倍の大きさ
「うつ病は『再発と寛解を繰り返す』状態で、症状は時間の経過とともに現れたり消えたりします」とリンチはPsyPostのインタビューで述べている。
彼は続けて、「しかし、これまでの脳画像研究の多くは、一時点での脳スキャンを横断的に取得するアプローチに留まっていました」と説明する。
そこで、リンチとリストンはfMRIスキャンを用いて、神経学とうつ病の関連を研究する独自のアプローチを取った。
具体的には、リアルタイムの脳活動パターンを示す血流の変化に着目した。
また、グループ全体の平均ではなく、個人レベルでの変化に焦点を当て、各参加者の脳の指紋のようなユニークなマップを作成した。
大うつ病性障害(MDD)と診断された6人の参加者と、精神疾患の既往歴のない37人の健康な対照群をスキャンした結果、リンチとリストンは、徐々に変化する脳内の変化とパターンを捉えることに成功した。
彼らは22回のセッションにわたり、各参加者を約621.5分(約10時間)スキャンし、それぞれの脳の詳細な画像を得た。
最も重要な発見は、うつ病患者6人のうち4人で、セイリエンスネットワークが健康な対照群と比べて2倍以上の大きさであったことだ。
この拡大は、感情や認知の処理に関連する脳領域、特に感情の処理や報酬、意味のある経験の評価に重要な役割を果たすことで知られる領域で顕著だった。
このセイリエンスネットワークの拡大の程度は驚くべきものだった。
うつ病の人では健康な人に比べて、大脳皮質に占めるセイリエンスネットワークは約73%大きかったのだ。
通常、セイリエンスネットワークは健康な脳では大脳皮質の約3.17%を占めるが、うつ病の人々では平均で約5.49%を占めていた。
■より大きなセイリエンスネットワークがうつ病患者に与える影響 リンチとリストンは、外部に焦点を当てる「セントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)」と内部に焦点を当てる「デフォルトモードネットワーク(DMN)」という2つの主要なネットワーク間で脳を切り替える際に、セイリエンスネットワークが重要な役割を果たすと指摘している。
これにより、うつ病患者においてセイリエンスネットワークのサイズが増加すると、自己反省や空想、心のさまよい、うつ病性反芻などの行動に関連するDMNの機能不全が起こりうる。
簡単に言えば、セイリエンスネットワークは脳がどの刺激に対して注意を向け、優先順位をつけるかを決定する上で重要な役割を果たす。
うつ病患者でこのネットワークが大きい場合、脳が否定的な思考、記憶、感情といった内的な手がかりに強く同調し、外部への注意を向けたり、それらから意識を切り離すことが難しくなっている可能性がある。
研究者たちは、この発見が「うつ病患者が比較的健康な期間から重症の期間へと移行する際に関与する脳領域とネットワークを理解する助けとなり、さらにこれらの脳ネットワークがどのように空間的に組織されているか(例えば、その大きさ)といった特徴が、うつ病のリスクにどのように影響を与えるかを特定するために重要である」と述べている。
新しい発見がもたらす手がかり
■新しい発見がもたらす手がかり
これらの発見は、さまざまなうつ病の症状、特に反芻(ネガティブな考えを繰り返す)やアンヘドニア(快感消失)のメカニズムを理解する手がかりを提供する可能性がある。
アンヘドニア、すなわち通常楽しめる活動への興味や喜びの喪失は、物事に意味や魅力を見出す能力の障害に起因することが多い。
セイリエンスネットワークが過活動状態にある場合、現在の出来事よりも内的な対話に注意が向かいやすくなる。
つまり、以前楽しんでいた活動をしていても、その活動に集中するのではなく、絶えず思考や記憶を分析してしまうのだ。
セイリエンスネットワークが大きいことは、特定の内的状態(特に否定的または自己批判的なもの)に注意を「固定」することにつながり、アンヘドニアを強化し、報酬に対する脳の反応を妨げる可能性がある。
反芻のサイクルについても同様で、脳が同じ否定的なテーマに「ズームイン」し続ける状態を生む。
過敏なセイリエンスネットワークは否定的な思考を特に強く感じさせ、不幸な自己強化のループを生み出し、抜け出すのが極めて困難になる。
この過活動なネットワークは、否定的な思考に注意を引きつけ、時間とともにエネルギーや喜びを失わせるサイクルに閉じ込めることになる。
リンチとリストンの発見は、うつ病を新たな視点から捉える手段を提供し、日々その重荷を背負う人々に明確さや安心感をもたらす可能性がある。
持続的な否定的思考やかつて楽しめた活動への喜びの欠如は、孤立感や混乱を引き起こし、周囲や自分自身から切り離された感覚を生む。
しかし、これらの症状に神経学的な原因、すなわちこれらの精神的経験の背後に物理的な理由があると知ることで、それを理解し、管理するための新たな方法が見つかるかもしれない。
もしあなたがうつ病と闘っているなら、次に困難や不安な思考に「とらわれている」と感じたときには、それが注意を内側に向ける脳による反応であるかもしれないことを思い出してほしい。
このメカニズムを理解することで、自分を慈しみ、少しでも周囲の世界に目を向ける勇気を持つことができるかもしれない。
こうした小さな焦点のシフトが、時間をかけて他の経験のための、そして何より癒しのための空間を作り出す助けとなるだろう。
Mark Travers
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「睡眠は1.5時間周期」はウソだった!なぜ私たちはスッキリと起きられないのか…エビデンスをもとに医師が解説
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正しい医学知識がよくわかる あなたを病気から守る10のルール #5
「睡眠は1.5時間周期だから、この倍数の時間で起きると良い」……そんな俗説をきいたことはないだろうか。
しかしこれは科学的には全くのデタラメだった。
ではどうしたら私たちはスッキリと起きることができるのか。
【図】子どもは7時間でも足りない? 年齢ごとに必要とされる睡眠時間
UCLA准教授で医師の津川友介氏の著書『正しい医学知識がよくわかる あなたを病気から守る10のルール』より一部抜粋・再構成し、エビデンスに基づいて解説する。
「睡眠は1.5時間周期」のウソ
人はどれくらい睡眠時間を確保できれば十分なのだろうか?
日本では1.5時間周期で眠ると良いと言われており、そのため「6時間」がきりのよい数字と思っている人が多い。
つまり、睡眠時間を6時間確保できるとよく眠れたと考え、それ未満だと少し眠り足りないと考えている人が多いようである。
しかしこの「睡眠時間6時間神話」は実は間違いなのである。
ちなみに私の周りのアメリカ人でこの1.5時間周期の話をする人はいないので、これは日本独自の「神話」であるようだ。
睡眠時間は1.5時間の周期が良いという考え方は、レム睡眠(脳が活発に動いている睡眠のこと。
眼球がピクピクと活発に動いているためREM〈Rapid Eye Movement〉睡眠と呼ばれる)とノンレム睡眠(眼球が活発に動いていない、脳が休息している深い睡眠のこと)が90分周期で訪れるため、そのタイミングで起きると目覚めが良いという理屈からきているようである。
しかしながら、これはあくまで平均値が90分というだけであり、実際にはレム睡眠とノンレム睡眠の周期にはかなり個人差があるということが知られている。
さらに言うと、複数の研究の結果から、6時間では睡眠時間が足りないことが明らかになっている。
アメリカの国立睡眠財団(National Sleep Foundation)によると、18~64歳の人では7~9時間、65歳以上の人では7~8時間の睡眠時間が必要であるとされている。
これは、それ未満の睡眠時間では、健康に様々な悪影響があるというエビデンスを基にしている。
つまり、健康を維持するためには少なくとも7時間の睡眠時間が必要だということである。
子どもは7時間睡眠でも足りない
図2からも分かるように、10代やそれ以下の子どもでは7時間睡眠でもまだ睡眠時間が足りていない状態である。
6~13歳であれば9~11時間、14~17歳であれば8~10時間の睡眠時間が必要とされている。
若者がいつも眠そうにしているのは決して怠惰なわけではなく、生物学的に大人よりも長時間の睡眠時間を必要としているからなのである。
このエビデンスを考慮して、学校の始業時間を遅らせようという動きが色々なところで始まっている。
実際にアメリカのワシントン州シアトルで行われた研究[*1]では、高校の始業時間を約1時間遅らせることで、生徒の睡眠時間が34分増え、成績が平均で4.5%向上した。
それでは日本人の睡眠時間は足りているのだろうか? 図3を見てほしい。
これは縦軸に平均睡眠時間、横軸に所得水準(人口1人あたりのGDP)を示した図である。
これを見れば、日本が世界で最も睡眠時間が短い国の1つであることが分かる。
日本人が6時間ちょっとしか眠っていないのには、前述の「睡眠時間6時間神話」が関係しているのかもしれない。
眠るだけで得られる巨大なメリット
これら睡眠に関する研究から分かっていることは、以下の3つのポイントにまとめることができる。
まず1つ目は、睡眠不足は万病の元であるということである。
慢性的な睡眠不足は、心筋梗塞や死亡のリスクを上げるだけでなく、肥満も促進することが報告されている。
健康で長生きしたいと思うのであれば、十分な睡眠時間を確保することは必要不可欠である。
2つ目は、睡眠不足は脳のパフォーマンスに悪影響をもたらすということである。
つまり、仕事の生産性を上げたいのならば、十分な睡眠をとる必要があるということだ。
例えば1時間早く帰宅して、1時間早くベッドに入ったとしても、その分勤務時間中のパフォーマンスが上がれば、最終的な仕事のアウトプットは上がっている可能性がある。
ビジネスパーソンであれば、睡眠時間を確保することはもはや仕事の一部であると言っても過言ではないだろう。
3つ目は、私たちが健康を維持して、仕事でパフォーマンスを発揮するためには7時間以上の睡眠時間が必要ということである。
巷で信じられている「睡眠時間6時間神話」は間違いで、6時間睡眠ではまだまだ睡眠不足の状態なのである。
睡眠は量と質の両方が重要であるが、睡眠の質で量を補うことはできないとされている。
睡眠の質を考えるのは、まず7時間の睡眠時間を確保してからの話である。
レム睡眠とノンレム睡眠の周期は個人差が大きく、1.5時間周期の睡眠時間としても、必ずしもすっきりと起きられるわけではない。
十分な睡眠時間を確保すれば、明け方にかけてレム睡眠は増え、ノンレム睡眠は減るので、自然とレム睡眠からすっきりと目覚める確率は高くなる。
つまり、目覚めのすっきりしない感じは、タイミングの問題ではなく、シンプルに睡眠時間を延ばすことで解決する問題なのだ。
少子高齢化により日本は今後ますます生産年齢人口が少なくなっていくため、仕事の生産性を高める必要があるということが色々なところで叫ばれている。
そのためには、従業員の労働時間を長くすることよりも、毎日早めの時間に帰宅してもらい、少なくとも7時間の睡眠時間を確保してもらう方が良いだろう。
この方法は、生産性を高めることができるだけでなく、仕事に対する満足度も高め、感情を安定させ過労による抑うつなどの精神的問題のリスクを下げ、長生きもしてもらえる(「健康経営」につながる)、まさに「四方よし」の働き方改革なのである。
図/書籍 津川友介著『正しい医学知識がよくわかる あなたを病気から守る10のルール』より
写真/shutterstock *1 Dunster GP et al. Sleepmore in Seattle: Later school start times are associated with more sleep and better performance in high school students. Sci Adv. 2018;4(12):eaau6200.
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津川友介(つがわ ゆうすけ) 東北大学医学部を卒業後、ハーバード大学で修士号、博士号を取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て、2017年から現職。著書に10万部超のベストセラー『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』、『世界一わかりやすい「医療政策」の教科書』、共著に『「原因と結果」の経済学』などがある。
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津川友介
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「あいさつができない子」は損をする…小学校教員が指摘「大人が気づいていない"ヤバイ"を連発する弊害」
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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu
あいさつができない子供はどうなるのか。早稲田大学系属早稲田実業学校初等部教諭の岸圭介さんは「相手がどう感じるかより、自己中心的に物事をとらえることを優先してしまう。
言葉遣いも乱暴になり、友人関係にも悪影響を及ぼすだろう」という――。(第2回)
※本稿は、岸圭介『学力は「ごめんなさい」にあらわれる』(筑摩書房)の一部を再編集したものです。
■すべての人間関係は「あいさつ」からはじまる
子どもの成長を一つの軸として、「あいさつ」ということばの意味と価値を考えてみてください。
もはや欠かすことのできないものという感覚も理解できるかと思います。
なぜなら、あいさつは「すべての関わりのはじまり」だからです。
子どもは多様な関係の中で学んでいきます。
だから、あいさつは「特定の誰か」だけではなく、むしろ「まだ知らない誰か」にしてこそ可能性が広がるのです。
もちろん、安全面の理由から、通りがかりの知らない人にまで声をかけるのはむずかしい時代です。
大人が子どもを守りながら環境をつくる必要はあります。
誰とでもやりとりができる子は、人から学ぶことの価値を知らず知らずのうちに学んでいます。
こういう子は顔をつきあわせてうなずいたり、うれしそうに相槌(あいづち)をうったりと共感的に相手に近寄ろうとする姿勢が感じられるのです。
相手が薦めてきたことに、おもしろがって挑戦してみることで世界を広げていきます。
もちろん内向的な性格だったり、話し下手だったりして、人と接することを不得意としている子もいます。
いつもお母さんの後ろに隠れているような子も想像してみてください。子どもらしいといえば、子どもらしい光景です。
人とのやりとりを躊躇(ちゅうちょ)してしまう子に対して、「うちの子は恥ずかしがりやだから」という昔からの決まり文句があります。
たしかに、人との関わりが苦手なことは事実としてあることでしょう。
しかし、それを理由に他者との接触を親がさまたげるようなことがあれば、それは子どもの成長を放棄しているのと同じです。
■あいさつをしないことによる損失
中・高生世代であれば、自分から率先してあいさつをするのに恥ずかしさを感じることもあると思います。
胸の内では相手の存在を気にしながらも、思わず素通りをしてしまうこともあるかもしれません。
友達の手前、余計に行動しづらいこともありますよね。
でも、まだ見ぬ一人ひとりが自分の将来に関わっているかもしれないかと思うと、人と関わらないことは損失にも思えてくるはずです。
上手にあいさつができる子は、チャンスをつかめる子でもあることを忘れてはいけません。
小さな子どもには「あいさつ」を「成長へのきっかけ」という観点から教えるべきです。
人と関わることが、かけがえのない出来事にも感じられてくるのではないでしょうか。
あいさつの価値の大きさは、大人であっても変わりません。
たった一回の「こんにちは」で生まれた接点が新しい仕事につながったり、運命を左右する出会いであったりすることもあります。
場合によっては、人生をともにする伴侶を見つけるきっかけにもなるはずです。
つまり、「こんにちは」というあいさつの価値は、その人自身がつくるとも言えるのです。
出会いという観点から見ると、あいさつにはまだ可能性があります。
世間は狭いとよく言われますが、すべての人や物とのつながりは、平均で六人の人を介してなされるという説があります。
「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」と呼ばれるものです。
皆さんの中にも聞いたことがある方がいるかもしれません。
■新たな交流が人生を大きく好転させる
今は身近に感じられなくても、出会いたい人は案外近くにいるということになります。
SNSが発達した昨今では、平均六人より少ない人数でも出会えることが指摘されているようです。
信頼する友人を通じて、誰かを紹介してもらうような経験がある人もいるでしょう。たった一人との出会いが、次の出会いにつながっている。
新たな交流によって、自分の人生が大きく好転していくことが事実としてあります。
仮に「あいさつ」をきっかけに人生が変わった経験をした大人がいれば、その人にとっての「あいさつ」は「運命を変えるかけがえのないもの」となります。
決して、ただの儀礼的なやりとりとは考えないはずです。
本稿の第1回で「あいさつ不要論」の例を紹介しました。
あいさつを「話したくもない人に向けた形ばかりの苦痛なもの」と考えている人とは、まったく違う捉えになるかと思います。
同じことばであっても、学んできた背景によって、見える景色は異なります。
価値観は人それぞれです。どちらがいいという判断を簡単に下すことはできません。
ただ一つ言えるのは、ことばの意味や価値を増やしていくことは、ことばを通して物事を多面的に見ることにつながると思うのです。
こうした見方ができる人のことを「大人」と呼ぶのだと考えています。
■あいさつ習慣のない子供はどうなるのか
あいさつをする習慣が築かれている子は、相手意識が育まれている子ともいえます。
相手意識は本書の第2章で確認した「聞くこと」の土台でもありましたね。
人とつながって世界を広げたいという想(おも)いは、声や表情などの仕草にはっきりと表れます。
あなたにとってあいさつが印象に残る子がいたとしたら、その子はもう自分の力で未来を切り拓いている証拠です。
進んで頭を下げたり、声をかけたりするのは、人への関心がなければむずかしいこともあります。
だからこそ、人と通じ合うことに喜びを感じた経験があるかどうかは、子どもの成長に大切だといえるでしょう。
反対に、あいさつの習慣がない子は、相手意識が希薄な場合が多いものです。
相手がどう感じるかを考えるよりも、自己中心的に物事をとらえることを優先してしまいます。
こうした子は、ことばを上手に使うことにも慣れていません。
だから当然、ことばづかいにも課題が見られます。
「やばい」、「きもい」、「うざい」、「えぐい」、「だるい」――どんな会話であっても、たいていこれらのことばで済ませてしまうことが日常の習慣になっている子もいます。
中・高生であれば一度は使ったことがあるでしょうか。
もはや違和感なく使っていることもあるかもしれません。
一方で、子どもの成長という側面から考えたときに、乱暴なことばづかいはマイナスに働きます。
■言葉遣いが友人関係に大きく影響する
もちろん、「品がない」、「イメージが悪い」といった印象の問題もあるかもしれません。
しかし、他者からの心証がよくないということ以外に、別の懸念事項が生じてきます。
それは「友人関係」の問題です。
人と人との関係は、ことばの意味と価値を同質のものとして扱う者同士の方がうまくいくものです。
先ほど例に挙げた「あいさつは話したくもない人に向けた形ばかりの苦痛なもの」という価値観であれば、これに共感できる者同士の方がコミュニティを形成しやすいでしょう。
土台となるものごとの見方や考え方が合うのですから。
だから、ことばづかいが汚い人との時間が長くなれば、思考や行動パターンも自然と似てきます。
仏教の教えの中に「悪友を避けて善友を求めよ」というものがあります。
近しい間柄になれば、人は必ず影響を受けるものです。
だから、付き合う人を考えなさいということですね。
逆も然りで、自分自身が人に与えている影響も当然あります。
あなたに近寄ってくる人は、あなたのことばづかいやふるまいを見ながら判断をしていることになります。
ことばづかいは人間関係づくりに大きく関係をしてくることがわかるかと思います。
つまり、ことばを発することは「自分のことばづかいを好ましいと感じる人との接点をつくること」を意味しているのです。
■思考を貧しくする
ことばづかいの問題は、それだけにとどまりません。
話すことばに意識が及ばなくなると、ことばを発するときの思考プロセスにも問題が生じます。
本来、コミュニケーションは、ことばのつかい方に細かい配慮が求められます。
同じ内容のやりとりであっても、異なるAさんとBさんとでは発することばは、一律にはならないはずです。
それは性格や人柄の違いかもしれないですし、体調や精神状況の差かもしれません。
絶好調の人と落ち込んでいる人、社交的な人と内気な人とでは、かけることばも内容も変わりますよね。
相手の様子と場の雰囲気を感じとりながら、適切に使うべきことばを吟味することでしょう。
相手の立場や身分、置かれた状況をふまえるというのは、「よりふさわしいことば」を自分なりに判断して使うということです。
その場に応じて「今の状況はこのことばを使うべき」、「この人だったら、こう言おう」と常に考えながら話すことになります。
■「やばい」が子供の成長を奪っている
人とのやりとりでは、頭の中でことばを選ぶ瞬間が必ずあるものです。
その選択肢の幅は、語彙力の問題だけではなく、適切に状況を読みとる力にも左右されます。
質のよいコミュニケーションは、繊細なことば選びとセットなのです。
ことばを使うときに一切の状況をふまえないのは、残念ながら「何も考えていない」ということになります。
「やばい」ということばは便利なものです。
肯定的な意味でも、否定的な意味でも使うことができるからです。
しかし、あらゆる場面で使うことができるということは、結局は状況を考えずに使ってしまいがちです。
つまり、話し手が思考する場面が少ないのです。
これが一律にことばを使うことの弊害です。
子どものことばづかいを正す意図は「コミュニケーションを通じて思考する場面を増やす」という点にもあります。
人とやりとりをするたびに、場にふさわしいことばを選んでいる子とそうでない子。両者の間には、「考える」という経験の積み方に、はっきりとした差が生まれるのです。
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岸 圭介(きし・けいすけ) 早稲田大学系属早稲田実業学校 初等部 教諭 1979年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。早稲田大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士後期課程修了。専門は国語科教育学、博士(教育学)。藤子・F・不二雄による『ドラえもん』(小学館)を小学校の教科教育の観点から編集した『学年別ドラえもん名作選(全6巻)』シリーズの監修及び解説の執筆、『ドラえもん 大ぼうけんドリル』シリーズの監修を務める。
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早稲田大学系属早稲田実業学校 初等部 教諭 岸 圭介
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【11月4日(月)】ごはん何作る?迷わず簡単!おすすめレシピ3品【#今日の献立 】
Gourmet / Recipe
今日は何作ろう……?家族に美味しいごはんを用意したいと思っても、どんな料理にしようかと迷ってしまうという方は多いのでは?
そんなお悩みも即解決!レシピをマネするだけで簡単に作れて、迷わず今日の献立が決まるおすすめメニューをご紹介します!
カロリーや栄養バランスも考えた管理栄養士監修の組み合わせの「今日の献立」を参考にして、夕食を作ってみてくださいね♪

4yuuu編集部 お料理がんばり隊2024.11.02
【11月4日の献立】お品書き
- 辛くないから食べやすい!「塩麻婆豆腐」
- 野菜2種で簡単コク旨「ジャガイモとピーマンのオイスター炒め」
- 彩り中華スープ「チンゲン菜と生姜の中華スープ」
一人分のカロリーは、白米茶碗一杯分を含めて754kcal。総料理時間は、50分強です。
辛くないから食べやすい!「塩麻婆豆腐」
辛くないので、お子様も食べられる麻婆豆腐です。
お子様がいる家庭では胡椒の量を調整して下さい。
辛い物がお好みの方は、ラー油をかけると辛味がプラスされます。
豆腐や挽き肉にはたんぱく質が含まれ、たんぱく質は体を作るもとになります。
一人分のカロリーは、329kcalです。
材料(2人分)
豆腐<(木綿)2cm角> 1・1/3丁 400g
ゴマ油 適量
ショウガ<みじん切り> 1片 10g
ニンニク<すりおろし> 5g
豚挽肉 120g
長ネギ<粗みじん切り> 80g
水 1カップ 200ml
鶏ガラ出汁<顆粒> 小さじ2 6g
塩 小さじ1/3 2g
胡椒(黒)<粗挽き> 少々
【水溶き片栗粉A】
片栗粉 小さじ2 6g
水 大さじ1 15ml
葉ネギ<小口切り> 2g
作り方
- 鍋に湯を沸かし、木綿豆腐を入れて2分茹でたらザルにあげる
- フライパンを中火で熱してゴマ油を引き、ショウガ、ニンニク、豚挽肉を加えて肉に火が通るまで炒める
- 長ネギを加えて、さっと炒めたら水を加え、沸騰したら「1」の木綿豆腐、鶏ガラ出汁、塩、胡椒を加えて5分煮込む
- 一旦火を止めて【水溶き片栗粉A】を加えて混ぜ、再度中火にかけてとろみがつくまで加熱したら、器に盛り付け葉ネギを散らし、お好みでラー油をたらす
野菜2種で簡単コク旨「ジャガイモとピーマンのオイスター炒め」
ジャガイモをあらかじめ電子レンジ加熱することで、調理時間を短縮できます。忙しいときのプラス一品にピッタリです。
ピーマンの代わりに万願寺とうがらしを使用しても美味しいです。
ジャガイモにはビタミンCが含まれます。じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれ、加熱しても損失が少ないのが特徴です。
ビタミンCはハリのある肌を作るのに必要なコラーゲンの生成を促します。
また、抗酸化ビタミンは動脈硬化を起こしやすくする過酸化物質を作り出すのを防ぎます。
一人分のカロリーは、75kcalです。
材料(2人分)
ジャガイモ<乱切り> 1個 150g
油 適量
ピーマン<乱切り> 1個 40g
オイスターソース 大さじ1/2 9g
作り方
- ジャガイモは、耐熱容器に入れてラップをし、600Wの電子レンジで2分加熱する
- フライパンを中火にかけて油を引き、「1」のジャガイモとピーマンを加えて一緒に炒める
- ピーマンに火が通ったら、最後にオイスターソースをまわし入れて全体に和える
彩り中華スープ「チンゲン菜と生姜の中華スープ」
ショウガの香りが効いた体が温まるスープです。
チンゲンサイやニンジンには、β-カロテンが含まれ、β-カロテンは肌の機能を正常に保ちます。
また、動脈硬化を起こしやすくする過酸化物質の生成を防ぎます。
一人分のカロリーは、35kcalです。
材料(2人分)
水 2カップ 400g
鶏ガラ出汁<顆粒> 小さじ2 6g
チンゲンサイ<3cm幅切り> 1/2株強 60g
ニンジン<千切り> 1/20本 10g
【材料A】
ショウガ<千切り> 1/2片 5g
オイスターソース 大さじ1 18g
塩 少々 0.5g
胡椒 少々
ゴマ油 小さじ3/4 3g
ゴマ(白)<お好みで> 少々
作り方
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら、鶏ガラ出汁、チンゲン菜、ニンジンを加え、5分ほど野菜に火が通るまで煮込む
- 【材料A】を加え、さっとひと煮立ちさせ、最後に風味出しにゴマ油とお好みでゴマをふる
【11月4日の献立】ポイントは?
辛くないためお子様も食べやすい塩麻婆豆腐、オイスターソースが食欲をそそるジャガイモとピーマンのオイスター炒め、チンゲン菜と生姜の中華スープの中華献立です。
ジャガイモやピーマンにはビタミンCが含まれ、ビタミンCなどの抗酸化ビタミンは動脈硬化を起こしやすくする過酸化物質を作り出すのを防ぎます。
今日の献立に迷ったら、ぜひレシピをマネして作ってみてくださいね♪
記事作成協力(管理栄養士監修):ソラレピ https://recipe.shidax.co.jp/





























