Bunnyがいつのまにか大きくなっているわ!
**************************************
20年前の今日。
この日は私の人生にとって、
ある重大な変化を経験した日である。
あれから20年。
私にとっては忘れられない一日。
学校が終わって、
私は近くのスーパーに買い物に出かけていた。
そのスーパーのエスカレーターを、
私は大股2段とびくらいで駆け上がったため、
1階にいた男の人が、偶然私のスカートの中を見てしまい、
男の人は驚いて、
あわてて目を押さえて下を向いたのが見えた。
しかし、当時の私は
パンツを見られたところでなんとも思わなかったので、
見られたとわかっても気にしなかった。

そのエスカレーターは、両側の壁の部分が透明だったので、
大股開きで駆け上がったりすると、
1階の人からは丸見えだったのだ。
なんて大安売りな娘だったのか!
パンツなんて見られても減るもんじゃないが、
見せるものでもない。
しかもその男の人も、子供のパンツを見てしまっただけで
そのリアクションは大げさであると思われる。
買い物を済ませて家に着き、
姉と一緒にテレビを見たりしてゴロゴロしていた。
横になっていた姉の横を、またしても大股で横切った私。
非常にパンツには無防備な女である。
ミニスカートでいつでも大股で歩いていた私のパンツは
姉からもよく見えていた。
すると姉が
「あれっ・・・・・・?
美奈ちゃん、ちょっとトイレに行ってごらん。」
「何?」
「いいから、ちょっと行ってきてごらんって。」
素直にトイレに行く私。
トイレに行ってパンツを下げて驚いた。
なぜなら、私のパンツは見事に血だらけだったのだ。


ひぃ~~っ!!お股を怪我してるー!!!


そんなわけはない。

私のその出血は、
お股が割れたのではなく、誰でも気がつく初潮だったのだ。

初めての生理に、私は驚き
パンツを下げたままトイレから姉を呼んだ。
「恵ちゃん!恵ちゃん!ちょっと来て~!!!」
大パニックな私。
走ってくる姉。
「見て見て。これ、生理なの?」
便座に座ってパンツを膝まで下げたままの妹の姿。
見せられてもあんまり嬉しくない姿だ。
姉妹とはいえ、なるべくなら見たくない格好のように思う。
しかしパンツを見せられた姉は、平然と、
「そうだよ。よかったね。
ナプキンしなくちゃ。使い方わかる?」
「わかんない。どうやって使うの?」
姉は新しいパンツを持ってきて、
ナプキンの使い方を教えてくれた。

この間、トイレのドアは開けっ放しである。
姉妹がトイレで密談しているのだから、
家族には、私に何が起こったのかバレバレだっただろう。
初めて付けるロリエの違和感が、
私を大人になったような気分にさせてくれた。
その後、姉が買い物から帰ってきた母を呼んで
私に生理が来たことを報告してくれた。
母はとても喜んで、私に「おめでとう」と言ってくれた。

この場合、おめでとうでいいのだろうか?
まだ中学生だった私に、
妊娠して子供を産む能力が授かってしまった。
現実を考えれば、おめでたい事実ではないが、
私にもしも娘がいても、やっぱりおめでとうと言うだろう。

母は自分の娘が、女の体として機能し始めたことに
とても嬉しそうだった。その笑顔が照れくさく、
そして自分が女であることを、とても意識した瞬間だった。
数日後、恒例のお赤飯が食卓に並んだ。
恥ずかしいったらない・・・。
あれから20年。
私の子宮は、一度もその本領を発揮することなく、
毎月「女の子の日」を、規則正しく生み出している。
蝶の羽もそろそろちぎれそう。
しかし今月は、生理が1週間遅れている。
生理の前になると表れる、
体の変化やお腹の痛みは毎日あるのに、
いつまでたっても始まらない。

私は昔から、何かある時は必ず生理なので、
明日からの修行に合わせて遅れているとしか思えない。
旅行の時も、試験の時も、遠足も、いつも生理なのだ。
毎日生理のことばかり考えているから、
20年前の忘れられない日のことを思い出した。
あの母の笑顔と、おじさんのあわてた姿は、
私の中に今も残る初潮の思い出だ。
あの時、
おじさんは私の血の付いたパンツを見たのだろうか?
しかし、残念なことにそれを確かめる術は、
今はもうないのだが・・・。



**************************************


明日より、また1週間ほど修行へ行って参ります。
時間のある限り、
「美奈子の見た風景」を、
美奈子フィルターを通してお届けいたします。

それでは、皆様、素敵な夏休みをお過ごしくださいませ。