推定13
千葉  真理子嬢からの手紙

1の終わり頃の手紙のようだ。
彼女は健ちゃんと付き合って、
1
度別れてまた付き合ったと書いている。
健ちゃんは後に、暴走族一直線で道を踏み外していくのだが、
まだ彼女はその事を知らない。

一度別れて、また付き合うまでの間、
健ちゃんは他の女の子をナンパしまくり
君の微笑みは、僕の心に必要なんだ
とかいうセリフを、13歳の女子中学生に言っていたようだ。
そのことについて、真理子嬢は怒っているが、
その後付き合いが復活した後、健ちゃんに

あれは、真理子のことを忘れようと一生懸命だったからだよ

と言われ、納得したそうだ。
納得するポイントがわからないのですが?
騙されてはいけない!

体育の沼田がうるさくて、
今日は1日ジャージで過ごしたよ

彼女は、制服を勝手にカスタムチェンジしていたので
よく生活指導の体育教師に制服を取り上げられ
代わりにジャージで1日過ごすと言うことがよくあったようだ。

ミニスカートにするのも駄目、
規定のブラウス以外のものを着るのも、靴も靴下も
規定のものでなければ駄目だったようだ。

本当にくだらない。
校則というのは、決まってくだらないものが多い。
今読み返してもよくわからない。

私も学生時代、
真理子嬢と同じく、規定のものが嫌いだった。
靴下が白じゃないからって、どうしてこんなに怒られるのか、
よくわからなかった

規則だからだ

教師は一律この一点張りで、
どうして靴下が白じゃなければならないのか
説明してくれる教師はいなかった。

私は子供だったが
社会にルールがあることは知っていた。
校則とは、学校のルールであることもわかっていた。

しかし、私は気に入らなかった。
10代の子供を相手に、教師と言う権力で
言うことを聞かせようとする教師の態度が。

今思えば、たかだか中学校の教師なんて
社会的に威張れる職業でもなんでもない。
なんの社会経験も持たず、
大学を卒業しただけで先生と呼ばれ、
逆らえない子供を相手に命令し
指図することを特権とされている職業だ。

そして生活指導のような校則規定のポジションにいる教師は
決まって体育教師が多かった。

子供は学校でいろんなことを学び、社会へ出て行く。
学校は擬似社会だ。
自分の能力を知り、コミュニケーションの能力を学び自分を高める。
自分と言う存在を知る大切な場所だ。
個性は人と接することで気づき、磨かれる。
団体生活は、個性を磨く大切な場所なのだ。

なのに、なんの社会経験も持たない大人(先生)に学生時代接し
校則を押し付けられ、
支配され命令される苦しさが、教師にはわかるだろうか。

世の中には、人として素晴らしい教師もいるだろう。
しかし私の人生において
教師は自分の権力において威張り散らし、
ルールを押し付ける教師しかいなかった。

私がよく教師に言われた言葉の一つに
生意気だ
というのがある。

私はその体育教師に問いたい。
生意気だと思う根拠はなんなのだろうか。
彼の知る範囲で、私は確かに異色だっただろう。
言うことを聞く事はなかっただろうし
私は彼の言うことを聞いたこともなかった。
尊敬できなかったのだからあたりまえだ

確かに子供は大人より、今の自分より、知らないことが多い。
考える能力が長けていないから、知らないことが多いから
確かに子供っぽいと思われることを言うのだ。
それは当前だ。

考えうる範囲の成長過程のまま、

精一杯大人にぶつかって行く子供に対し
生意気だと切り捨てる以外
なんの対策も取れない無能な人間が教師でいいのだろうか。

子供だって人間なのだ。
小さくても何歳でも気持ちはあるのだ。
小さいから、子供だからわからないのではない、
わかろうとしていないのは大人のほうだ。

知らないことは教えてあげればいい。
向き合えばいい。
一緒に考えてあげればいい。
出来ないことは当たり前だ。
自分は当たり前に得ている現在の知識でも
子供にとっては納得のいかない、
大切な大切な過程なのだ。

人と人とは上下ではない。
言うとことを聞かせるためのルールでは、
そのルールがなぜあるのか説明さえできないのでは
人間を育てることはできない。
考えるヒントさえ与えられない人間が
教壇に立っていていいのだろうか。

教師はわかっているのだろうか。
今向き合っているその生徒は、
自分の影響を受けて育つ可能性があるということを。
教師と言う職業は
自分達が思っている以上に
一人の人間としての人生に影響を与えているものだ。

一人の生徒には、その後何十年もの人生が続いている。
卒業しても、大人になっても、年老いても。
自分は生徒の、その一部なのだという意識があるならば、
一人の人間として扱わずに
校則に従わせることに執着することが
無意味であるということに当然気がつくはずだ。

その支配した生徒は、必ず大人になる。
大人になった生徒に、
自分の教師はくだらない奴だったと言われないで済む教師は
いるのだろうか。


※生まれつき栗毛(くりげ)色した髪を、
教諭にスプレーで黒く染められるなどしたのは
人権侵害にあたるとし、
宮城県立高校の1年生だった女子生徒(16)が8日、
県に慰謝料など計550万円の損害賠償を求める訴えを
仙台地裁に起こした。(読売新聞)


こんな事件がおきる度に、教師に対する不信感は、
あの頃と変わらないままつのるばかりである。