推定14 

交換日記の自分の日記  

 

私が中学生だった頃 

友達との交換日記は日常だった。  

当時は4人くらいの友達と交換していた記憶がある。 

毎日2,3冊は手元に日記がある状態で  

 

机に向かって、熱心に交換日記を書き授業中にも、

熱心に日記を書く。

 ここまでしなければ間に合わなかったのだ。 

 

勉強する暇などない。 

 

このノートは友達3人と交換していたが その中の一人は、

隣の中学校へ転校したばかりのようだ。   

 

Y中学はどう?久しぶりだね 

完全に人事のような感じを受ける、自分の一言。 

転校した友達なら手紙を出せばいいと思うが、 

塾が一緒だったために変わらず交換が可能だった。 

交換頻度は1週間に1度か それ以上の遅いペースだった。 

 

勉強をする間も惜しんで交換日記に書かれている自分の日記。 

さぞかし、当時の自分を振り返るには 十分のネタが詰まってあるであろうと 

 

ワクワクして開いてみるが、 

  「遠藤の頭ってさ、タンスみたいだね 

 

 タンスですか? 

遠藤君は角刈りらしい。 

が硬いので、恐ろしいほどに四角く見えると書いている。 

くだらないことをいちいち活字にするな! 

 

ついでに遠藤君は二重がくっきりしているらしい。  

角刈りの、ちびくろサンボのような絵が描かれ   

 

チャーミー二重で、あなたもくっきり二重に 

こんなに喜びの声が!

 「東京都N美さん、もう二重は駄目だとあきらめていましたが

チャーミー二重のおかげでくっきり二重になりました。」 

 

ご丁寧に、使用前使用後の絵まで書かれている。 

 

Drキャッツポーもある

もある。じゃない!宣伝はいいから、自分の報告を書け!

 

こんなので頭が良くなったらたまんないじゃんねー。 

 

 どうやらDrキャッツポーは 頭が良くなる機械らしい。  

うそ臭い、効果も疑わしいとか言いながら、

 絶対に私は欲しかったはずだ。  

 

絵によるとノートくらいの機械の上に 手を乗せてダイヤルを回すらしい。

うそ臭すぎる。

これで頭がよくなるという根拠が全くわからない。

 

 座右の銘は“他力本願”で楽することしか考えていなかった私は、

 眠りながら記憶ができる枕や、

 聞くだけである日、英語がわかるようになるテープなど 

くだらなく疑わしいアイテムにいつも憧れていた。  

 

 目標のために努力するとか頑張ることをしなかった私。

 無駄なことに熱心な14歳の自分が恥ずかしい。  

 

 わざわざ転校した友達と交換する日記なのに、 

疑わしい商品の告知や どうでもいい内容をわざわざ読まされる友達のことを思うと

 非常に申し訳なく思う。