私=推定15歳
千葉県 真理子嬢からの手紙


千葉に転校していった友達とも文通していたようだ。
彼女は転校していった後も、何かと手紙や電話、
近くに来たときには遊びに来てくれたりして、
長い間、遠距離友達を続けていた。

彼女の彼氏、健ちゃんのことが書いてある。
健ちゃんは野球部のエースで、偏差値の高い進学高から推薦が来たのに、
坊主になるのが嫌で蹴ったらしい。そして職業訓練校に行くそうだ。

親でもないのにその事をかなり批判している。
健ちゃんの人生なのだからほっといてあげて欲しい。


そして彼女は高校を卒業したら看護学校に行くんだ」と進路を決めている。
15歳でこんなにも明確に進路が決まっていることは素晴らしい。
同じ年齢でも私は、毎日好きな男の子の事とか、テレビのこととか、
友達と遊ぶことばっかり考えて、先のことなんて考えたことがなかった。
少しは見習って欲しい。

さらに彼女は、
看護婦になって医者と結婚して優雅に暮らすっていうパターンで、
生きていこうと思っています
。」
という結婚のプランまで決まっていた。なかなかガッツのある人生プランだ。

病気の人の助けになりたい。とかいう、
ナイチンゲール的な発想がまったくないのが恐ろしい。

健ちゃんのことはどうするつもりなのだろう。
危険な“ハイエナナース”になる事を祈っています。

でも、医者と知り合いたいなら、
看護学校で勉強する余計な時間を使わなくても、
病気になれば知り合えると思うが。

そういえばこの間、フレッシュネス・バーガーでお昼を食べていると、
後ろに座っていた女子高生が進路について友達と語っていた。
やっぱりさ、金持ちの男と結婚するなら、大学は選ばないと。
金持ちと付き合いたいなら金持ちのいる大学へ行かないとね
。」
と、きっぱり言っていた。

やっぱり男もブランドなんですか?
しかしその女子高生、なかなかのガッツだ。
その意気で金持ちをゲットしてくれ!
ご参考までに、その彼女は友達に琉球大学をお薦めしていた。


私の好きな男の子の写真を、前回の手紙で真理子嬢に送っていたようだ。
大好きな人の大事な写真を送らないで欲しいと思う。

私の好きなカズちゃんを、「クリクリ坊主で可愛いね」と書いてある。

私の好きなはずの植木君ではない名前だ。

カズちゃんと、勝手にニックネームをつけているが、
実際はカズちゃんとは呼んでいないはずだ。
苗字を書いてくれないと、一体誰なのか15年後に困るので
私には好きな人の紹介をする時に気をつけて欲しい。

健ちゃんが偏差値の高い高校を蹴ってまでも嫌がったクリクリ坊主を、
私の好きなカズちゃんは、当然のように常時スタイルとしていたのだ。
カズちゃんなら二つ返事で進学校の推薦を受けただろう。

ちなみにカズちゃんは、松村雄基にそっくりだと書いている。
クリクリ坊主の松村雄基は想像しにくいし、
想像するのも失礼だと思うのでやめる。

思えば当時、私は松村雄基が大好きだった。


そして、進学する高校の制服のことが書いてある。
彼女の進学する予定である、制服の写真を切抜いたものが一緒に入っていた。
ブレザー・タータンチェックのミニスカート・ハイソックス
このスタイルは、今でこそ珍しくないが、
当時このスタイルは最高に可愛いくて、みんな憧れていた。

彼女はその高校に合格したら、可愛い制服で決めるぜと張り切っている。
決めてくれ。
高校は制服で選べと、彼女はその手紙の中で3度も書いている。

ちなみに私の進学する予定の制服は、
彼女が一言で表現してくれているので引用する。

そこの制服、普通っぽくてどこの高校だかわかんないんじゃないの?

なんで友達だったのかわからない、キツイ一言である。
普通っぽくてどこの高校だかわかんない制服”を、
3年も着る私の気持ちをわかっているのか?

当時の彼女に、人としてのあり方を問いたい。


PS:合格したら電話してね

するもんか!

と思うが、私はしたのだろうか。
覚えていない。