ずーと前の記憶も、近い日の記憶も
変わらずそこにある
仕事中、激しく揺れる工場を見ながら唖然とすることしかできなかった
不意に口をついた言葉は

終わった

何に対しての終わったなのか
何も終わらないし何かが始まったわけでもない
ただ同じ日々が続くだけだ
あの日の自分は今の自分と違う、弱くなっていることが分かる
年齢的に体力も落ちてきて、ずっと疲労感に浸っているような感じ
前へ進めと突き上げるものは感情しかない
大切な人、守る人を意識の中に
それだけが原動力

記憶に留めておきたくてここに書きます
個人的なことなので面白くないことだと思われますので即リターンされると時間も有効かと

今日はお世話になった方の告別式でした
小学校五年生から兄弟のように毎日遊んだ親友と呼べる唯一の友、その友人のお父さんが亡くなりました

人見知りが激しくて、家の中で遊んでばかりのオレを外へ連れ出してくれた友人は、誰からも好かれる性格で、大人になってからでも、気の知れた連中に囲まれていることができるのは、その友達のおかげであって、今の自分を作ったのも影響は多大にあります
亡くなったお父さんには何度も釣りや食事に連れて行っていただきました
恥ずかしがっているオレに、上がれ上がれとメシを食わせてくれたことも

友人は三十才のとき心臓発作で亡くなりました
まだ小さい子どもを二人残して

あれからずっと心に残ることがあります

奥さんから毎年いただく年賀状には子どもの写真があります
一年、また一年、 子どもはあっという間に大きくなります
父親の面影を知ることなく、まだ小さすぎる下の女の子は笑った顔ばかりなのに、親の存在を強く知った長男は、毎年の写真に笑顔はありません

ある年のこと、短く記されて手紙の文章に、長男も大きくなりました、ぜひ遊んでやってくださいとありました

いつも笑っていて、誰にも分け隔てなく接する友人と、写真から笑顔の消えた息子の顔に、なにか影を比べて感じました

奥さんは実家に戻っているらしく、距離的にも遠く、気にはなっていたものの会うことはありませんでした

いつもオレのそばにいてずっと一緒だったアイツ、オレを唯一の親友と言ってくれたアイツ、その生まれ変わりの子ども

おまえの親父のこと、全部教えてやりたかった

ずっと




その友人のお父さんが亡くなった
順番が逆になったけど、先に旅立った息子のところへと向かった

告別式が終わり、出棺を待っていると、奥さんに連れられて女の子と男の子が来ました

自然のうちに口から、やっと会えたと漏れました

写真では分からなかったけど、長男はオレより背が高く、まっすぐ閉じた口の端を下げ、知るはずのないオレを見ると頭を下げた

ずっと会いたかった
やっと会えた

いくつになった?
今はなにやってる?

ありきたりの質問をした後、祭場へ向かう用意に戻っていきます

遠くから見る顔に、我慢できないほど寂しさと辛さを感じ、オレはクルマから紙切れをとり、携帯番号を殴り書き、長男のもとへ走る

オレは、お父さんに本当に世話になったんだ、これから先、いろんなことがあるかもしれない、どんなに小さいことでもいいから連絡してくれ、とメモを渡しました
もっと伝えたい、だけど空回りして出てこない言葉は、涙と震える声でそれ以上は出てきません

両手でしっかりと掴んで、ありがとうございますと力強く答えた子どもの、その背中をバンッと強く叩いた

父親の背中を小さなときに見ることができなくなって、妹の手前、甘えることも許されないだろうその子の背中に思いを乗せたかった

帰りに友人が眠る墓へ行きました
洋風の墓にローマ字の名前と英語のメッセージが刻まれています
オレは頭が悪くてその意味が分からず、昔、なんて書いてあるのか聞いたことがありました

高速道路であっという間に来た道のりは、お墓に寄ると高速の入り口から離れ、一般道では三倍くらい時間がかかりますが、ゆっくり帰ることにしました


あなたの心はいつまでも私たちと一緒にある


その意味をゆっくり、久しぶりに思いだしながら
ゆっくりと帰ります




今日は血液検査に来ています

あいかわらず待ち時間が長くて携帯を手にしているのですが

採血の前に採尿がありまして、トイレのドアを開けると

そこに二人の女性が

条件反射ですいませんと頭を下げたものの、ジッとこちらの顔を覗きこまれるしまつ

踵を返そうとしたとき目に飛び込んできたものは男性用便器でした

まさか採尿用トイレが男女兼用だとは思はなかった

用を足すのもねぇ

やりづらいわ!