『虐待案件』は増え続けている。

しかし、

それは通報や相談が増えた為であり、
実際は以前から変わらないのではと思われます。

私は、

親が子を育てるに足る最低限の環境を
まず整えて欲しいと今でも思うし、

そして親になる者への教育や
親の心の成長を望んでいます。

親は子を守るべき存在のはず。。
どんな事があっても。。

でも、

それを放棄したり、
虐待を見て見ぬふりをした親…

大人は。。

それを親とは呼べないし、
大人として大変未熟な人間だと思います。

私の周りで起こった事件は、
そうした負の連鎖が生み出した
事件だったのでは無いでしょうか…?

今、

あの事件を覚えている人は
ごくわずかでしょう。。

『忘れていい事と忘れてはいけない事』

。。

それがこの事件にはあると思います。。






『登場人物』

兄・明人(アキト)~中学2年生『14歳』
父が蒸発してから母が壊れていき、
自分が家族を守らないと…と、
いつも考えていた。。

妹・真帆(マホ)~小学4年生『10歳』
父は真帆が生まれる直前に蒸発した。
母のアルコール依存に苦しめられ、
母の異常な執着により学校に通えない。

母~アルコール依存症。
夫が蒸発してから少しづつ
アルコールに逃げるようになった。

内縁相手~明人と真帆が小学校に上がると、
母が連れてきた職業不詳の人物。
二人に虐待を繰り返す。

父~10年前に蒸発して行方知れずとなる。

祖母~母との確執があり、
母は祖母から逃げるようになった。


『Who killered that family』

~あの家族は一体何に殺されたのか?~



『消えて欲しい。。』


女の子に初めて芽生えた
なんとも言えない負の感情。。

当の本人さえ戸惑い、
自分がこんな事を思うなんてと、

信じられなかった。。

自分がとても醜いものに思えて、
自分は周りと一緒にいてはいけない。

そう思うことさえあった。。

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『消えて欲しい…ううん!』

『消したいのは…消えたいのは。。』

『アタシだった。。』




更に。。

女の子を打ちのめす出来事が
後に起こった。。

母親はスナックに勤めに出かけて、
居なかった深夜。。

女の子は眠っていた。。
夢の世界だけが安心できる。

出来るならばずっと目覚めたくなかった。

なのに。。

夜中フッと目が覚めた。

何か…が乗っている?

体がズンと重くて、
苦しい。。


(何…?誰…?)


気持ち悪い息づかいが聞こえて
それが分かった瞬間、

女の子は恐怖した。


。。奴だ、母の内縁相手だった。。


(嫌…怖いよ!)

ゴソゴソと私の体を触っている。
ギュッと目を瞑り…寝たふりを続けた。


(やめて!やめて!)


勇気をだして目を開けて、

手を払い除けようとすると、
払いのけようとした手を掴まれて。。


(おい、黙ってろ動くな。)


次の瞬間、


思いっきり布団に体を押し付けられた。


。。。



。。その後のことは筆舌に尽くし難い。。


(この事は家族の誰にも言うなよ?)
(言ったらお前以外の家族を…)

(〇すぞ?)


そう言って内縁相手は部屋を出ていった。


。。。。


何が起こったのか分からなくて、

ただ体が痛くて。。

女の子は声を殺してずっと泣き続けた。


『。。痛いよ。。』


『消えたい消えたい消えたい』

『お母さんお母さん』

『助けて!』


明け方になり、
母が仕事から戻ったが、

母はスナックで酩酊する程に
酒を飲んだせいか、

娘の顔を見ようとせず寝てしまった。


次の日の朝、

女の子は学校を休んだ。


『なんで休むんだ?』
『学校行け!』

母に何度も強く言われたが、
女の子はしきりに首を振り…
布団から出てこなかった。

何故、学校に行けないのか…?
昨夜、何があったのか…?


お母さん、分かる?
お母さん?
貴女が連れてきた悪魔が、
私に酷い事したよ。


女の子は心の中で叫んだけれど、

母親にそれを決して。。

語ることは無かった。。

悪魔…消えれば良いのに。
あいつさえ居なくなれば。。


『また、前みたく。。
お母さんとお兄ちゃんで暮らせる?』

『あいつ…消せばいい?』


。。そしてそれは。。
冷たい殺意が芽生えた瞬間だった。。


 

 『You Raise Me Up』



困難に見舞われて心が苦しい時..♪*゚
私は静かにここで待つ..♪*゚