僕の小さな『夢』はね
ムーミン谷のスナフキンみたいに
いつもギターを弾きながら
意味ありげに歌ってることさ

 一度は夜の路上で
 ギター抱えて歌ってたこともあったけど
 スナフキンみたいには
 クールにやれなかったね

  ちょっとは稼げたから
  いつの間にかチップ取る為に歌ってた
  歌って食える毎日も
  悪くはなかったけどね

   そんなことは別に『夢』でも何でもない
   弾き語りがやれりゃ誰でも出来ることさ
   ちょっと度胸があればいいだけだから…
   つまりは『お仕事』だったわけ

    だから辛い時でも歌ってたけど
    今考えれば若かったね
    こんなの『夢』でも何でもないよ
    度胸があればやれるから…


僕の素敵な『夢』はね
僕が知ってる神様のこと
ちゃんと知ってる嫁さんに出会うことさ
神様と話が出来るコだよ

 ちょっとぐらい美人だって
 ちょっとぐらい賢くたって
 ちょっとぐらい金持ちだって
 それくらいじゃ寒いんだ

  僕はひとりぼっちになっちまう
  二人でいることを実感したいから
  ちゃんと神様と話せるコじゃないと駄目なのさ
  僕と話してくれる神様とね

   僕の神様と話せないコに
   好かれたって寒いんだよ
   それならお手伝いさんでも雇って
   遊女でも買ってる方がマシだね


僕の大きな『夢』はね
みんなが神様と話せる様になることさ
そうすればいろいろな悲しみが消えるよ
ホントの愛の意味がわかるからね

 ホントのことが判らないから
 この世の中は無駄な努力ばかりで
 イヤなことがいつまでもなくならないんだ
 これが一番の悲劇さ

  だけど神様は
  どういうわけかあまり気にしないのさ
  僕一人と話が出来れば
  それで充分だと笑うんだよ

   僕はこの世界で
   いつもひとりぼっちな気分なのに
   神様だけはいつも話し掛けてくれるんだ
   みんなが話せればいい筈なのにね…


ひとりぼっちだけど
ひとりぼっちじゃない
僕の心はいつも春の長閑な朝

僕のいる処に
辿り着ける人と
きっといつか会える
それもちょっとした『夢』なんだ